中国破綻論
現実の中国経済はまるで2つに仕切られた中華四川風の火鍋のようである。唐芥子の赤に染まる辣スープの部には膨大な余剰人員と赤字を抱えた国有企業、GDPの5割にも達するかもしれない巨額の不良債権問題を抱えた金融機関が、白いスープの部では外資や私営企業がひしめき、別々に煮えたぎる。高度成長を続けているのに、膨大な数の潜在失業者は減らず、貸し出しが増えるたびに新たに不良債権が発生する。一人当たりGDPは最も豊かな上海(2002年4911ドル)と農村部平均(299ドル)とでは16倍以上もある。平等を原則とする社会主義イデオロギーの看板の元に荒っぽい資本主義が幅を利かせる。金融当局を引き締めようとしても企業も銀行も言うこともきかない。人民と国家を指導するはずの共産党幹部が汚職・腐敗にまみれる。