Jun 29 2011 モルガンS、米インフレ期待めぐるトレーディングで損失
【記者:Michael J. Moore】
6月29日(ブルームバーグ):米モルガン・スタンレーは4-6月(第2四半期)に米国のインフレ期待をめぐる取引で損失を出した。このトレーディングについて説明を受けた関係者3人が明らかにした。
関係者2人によると、同社の金利トレーディングのグループはこの取引で少なくとも数千万ドルの損失を出し、同社はポジションを解消している。同社広報担当、メアリー・クレア・デラニー氏はこの件でコメントしていない。
関係者2人によると、同社トレーダーは米国債市場で今後5年はインフレ期待が上昇する一方、向こう30年のインフレ期待は低下すると賭けていた。いわゆるブレークイーブン・レートへのこうした賭けは、両年限の米国債とインフレ連動債(TIPS)の購入や空売りを伴う。
債券トレーディング部門の収益てこ入れを目指してきたモルガン・スタンレーにとって今回の損失は痛手だ。同部門の収入は昨年、ゴールドマン・サックス・グループなどライバルの半分以下にとどまっていた。ジェームズ・ゴーマン最高経営責任者(CEO)は2月に債券トレーディングの業績改善を最優先課題に位置付けていると説明していた。
TIPS市場では先週、原油価格の急落と30年物TIPSの入札が予想以上に好調だったことを受けて混乱が生じていた。
原題:Morgan Stanley Said to Suffer Trading Loss on Inflation
Wager(抜粋)
インフレ連動債のYield Spreadの取引らしいが、このYieldだけ見てると私のような債券素人には非常に分かりにくい。ここで、あえてPrice Spreadを見つめてみることにしよう。4月25日の5年債のNew IssueをShortして、その日に30年債をLongしたとする。その比率が1対1だとした場合のSpreadをグラフ化したものである。
うーん、確かに単調にやられている・・・。2-3%やられる動きなわけだが、数千万ドル(約10億円)の損失を出すためには500(mil USD、約億円)のサイズということになる。さらに、Durationを考慮して、1対Nでやっていたら5年のショートの踏み上げが、N=1に対してやはり2%程度乗ってくることから、もしDuration Neutralで1対5と想定したとしても5年債のショートした数量は大体同程度と推測される。
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