大久保清
最初の事件を起こしたのは1955年20歳のときである。大学生に成りすまし、17歳の女性を公園で口説き始めるや、突然豹変して暴行。大久保は逮捕されたが、執行猶予が付く。しかしその1ヵ月後にはまた暴行未遂事件を起こし3年6ヶ月の実刑判決を受けるのである。出所後の66,67年にも強姦事件を起こし、再び刑務所へ。そして71年3月に府中刑務所から出て来た時は、完全な野獣へと変身していた。刑務所から出所したばかりの3月31日から5月10日までの間に127人の女性に声をかけ、35人が車に乗り、少なくとも20人が強姦され、8人が殺された。大久保の手口はこうだった。「画家をしていますが、モデルになってもらえませんか?」一見甘いマスクの大久保に騙され、女性が車に乗り込むと、話もそこそこにモーテルや雑木林、あるいは車内で姦淫する。抵抗したり下手に拒否すれば首に手をかけた。
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なんか飯マズー。むかつくわ、これ。私はナンパをしたことがないのでわからないが、35人/127人このヒット率はおそらく異様だろう。35-20-8=7人は、許しているということか? 違うな。未遂に終わってなんとか逃げたというシナリオを信じたいよ。どれだけ色男かと思って検索してみたけど・・・、納得いかねー!!コイツよりは俺の方が・・・と誰しも思うだろうが、実際、30%近い成功率を誇るナンパ師はいるかね?
女性死刑囚
戦後1946年から数え、07年3月までに確認される死刑確定者は728人である。その中に女性の名はわずかに9名のみ。9名の女性死刑囚の罪状に特徴があるとすれば「毒殺」、「保険金殺人」が多いこと、それに男性共犯者が存在することである。
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再審冤罪事件
殺人事件で逮捕された容疑者が一度犯行を自白したにもかかわらず、その後の公判で一転して否認に転じるという展開は戦後の混乱期から昭和30年代初頭までそう珍しいことではなかった。自白主義の下、警察、検事の拷問に近い取調べが横行していたことや、容疑者を弁護する司法環境が整備されていなかったことなどが主な背景である。冤罪事件見直しで4人の死刑囚が無罪となって生還を果している。理不尽な死の恐怖と戦い続けた彼らの無罪はあまりにもドラマチックであったが4人の冤罪のヒーローたちの「その後」の物語はあまり知られていない。
一躍「冤罪のヒーロー」となった免田さんであったが、それは「世間」という新たな敵との戦いの始まりでもあった。晴れて自由の身になった日、記者会見を終えた免田さんは祝宴で忘れかけたビールの味をかみしめていた。そのときである。支援者を名乗る2人の人物がそっと免田さんのそばにより、こう言うのである。「支援に苦労したから謝礼しろ」と一人が金品を要求するのである。「俺は弁護士に頼まれて証人探しに宮崎から長崎、北九州と幾度もまわったが、費用は一銭ももらっていない」、「私も同じようなことを弁護士に頼まれて探し回った」ともう一人も要求する。「そうだ、あんたは社会に出たばかりだからわからんだろうが、刑事補償費が出るから50万はもらわないとな」
 免田さんに多額の刑事補償費と裁判の費用補助が出たのが知られるところになると、地元の住民やマスコミはこぞってその「使い道」に注目した。実際、1億円以上の金が免田さんに支払われたが、その半分以上は自動的に「弁護費用」として日弁連に差し引かれていた。ある支援者はベストセラーとなっていた免田さんの事件記録本の「権利者」を主張し、利益を私的に流用していたほか、多くも名もない支援者たちのカンパも、かなりの部分が使途不明になっていることも分かった。金儲けの道具として、免田さんを利用するような連中がウヨウヨいたことに免田さんは幻滅する。
私が見た「東京拘置所B棟8階」の死刑囚たち
佐藤優氏は2002年5月14日に東京地検特捜部に逮捕され、03年10月8日に保釈されるまで、512日間の獄中生活(東京拘置所)を送った。佐藤氏が死刑囚と「隣人」の関係になったのは03年に新築された新しい獄舎での約半年間(03年4月8日~10月8日)のことである。新・拘置所(A~D棟)の8階には、凶悪事件や地検に逮捕されるような有名事件の被告が多く拘置されていた。たとえば佐藤氏と同時期には、A棟に鈴木宗男氏や福永法源氏、B棟には許永中氏、高橋浩二氏(ライフスペース元代表)などが収監されている。そうした未決の被告たちと同時に8階に収容されているのが「確定死刑囚」である。正確にはわからないが、07年4月現在東京拘置所にいる確定死刑囚49名のうちのかなりの人数が獄舎8階で「その日」を待つ毎日を送っていると考えられる。
【愚民の欲】
2011.03.01: アジア発展の構図 ~出遅れた国々 4/4
2011.01.20: 項羽と劉邦 ~広大なる中国大陸
2010.11.25: 初等ヤクザの犯罪学教室 ~割に合わない犯罪
2009.12.29: 何のために生きるのか?ふと考えるときがある
2009.10.07: 物欲の定義
2009.08.20: インド旅行 招かれざる観光客
2009.05.07: 幸福感と欲の関係
2009.04.15: 貯蓄率にみる人々の自信度合い