去年に引き続き、各国の代表的な株式指数のパフォーマンス、ドル建てリターン、通貨リターンを計算してみた。
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中国、ベネズエラw、インド、東南アジアのフィリピン、インドネシア、タイがアメリカS&P500を上回った国である。東南アジアの雄、マレーシアが漏れてしまっているのは、マレーシア航空のおそそが効いている。
しかし、通貨に限っては米ドルを上回った通貨が一つもない(北欧・東欧系は観測していないが、ユーロ、ルーブルと似たようなものであろう)のが今年の特徴。2014年は、FRBの金融緩和の縮小の一言で説明できる年。緩和縮小は、ドル高だけにとどまらず、お金(キャッシュ)の価値を上げる効果で、資源系特に原油価格の暴落を引き起こした。2014年の日本の株式市場は円建てで見ればプラスだが、ドル建てで見るとマイナス。
※こんなに原油が落ちるとは思っていなかったが、去年作ったシートで原油もちゃんと観測しているのはさすが俺。
投資一族のポートフォリオ
日本株は零細株がほとんどなので、TOPIXや日経平均よりは、Jasdaq Indexに準ずる傾向があるので、個人的には厳しいところだが(東証二部指数は好調だったので、ある意味妥当でもある)、今年の日本株のリターンは+13%とTOPIXを上回った。円安効果を補うことはできず、ドルで見たら+1%弱に終わり、大きく足を引っ張った。
また日本市場のデリバティブズのリターンは-7%。笑ってくれ、去年も-4%だった 俺は株じゃなくてデリバティブの人だと言ってる割に、2年も連続で損失とは、デリバティブ取引下手すぎですか? 言い訳すると、日本市場のデリバティブ(オプション)は、取引できる限月が2~3カ月程度しか無いので、戦略の幅が小さく、極端なポジションとなりやすいので、リスクが高く、米国のデリバティブズ取引に使用している金額に比べて、小さく抑えざるを得ない事情もある。


好調なのは米国市場で、
株式によるリターンが+44%、デリバティブズによるリターンが+12%でいずれもS&P500の+11%を上回る結果に終わっている。
全体で見た株比率は4割弱とかなり低めであるが、デリバティブズ取引の証拠金と評価額をキャッシュ扱いにしていて、デルタ・ロングを取っているにもかかわらず、デリバティブのデルタの金額は株の保有には含めていない。デリバティブは引き続き、株と同じくらいのご予算で運用している。
そして全てを合わせた、ドル建てリターンは、ドル以外の通貨が全て下落しているので、今年のドル建て収益は辛うじてプラスにとどまった。+3%と去年に引き続き、S&P500のBuy&Holdにボロ負けという失態である。しかし、暴落対策は完璧なポートフォリオで、
日本株は零細株、キャッシュリッチのローベータ。
アメ株は軍需産業、戦争待ち。
デリバティブズは、ダンシングドラゴンwダンシングドラゴンとは一言で言えば、カレンダースプレッドを基軸としたDelta Long,Gamma Short,Vega Longの取引戦略のことである。
http://www.ichizoku.net/2014/09/Dancing-Dragon-Variation.html
しかし、この布陣ではS&P500が単調にあがり続けると、IndexのBuy&Holdに確実に負けることになる。株式市場が単調にあがるとはどういうことかというと、
年間最大下落率=ピーク後安値÷ピーク時株価-1
P(t)=Min S(T>t) ÷ Max S(0~t)-1で、各時点年初来高値からの下落率を計算するものである。
年間最大下落率という、いかにもデリバティブ的相場観を規定したいが、安値÷高値とちょっと違って、時系列の概念が入っている。S&P500のピーク後安値÷ピーク時下落率は、9月中旬に2000を超えて2011をつけた後、10月中旬に向けて1860に下がったところが最大の下落なのだが、なんと-7%強。ちなみに日経平均は年初から4月中旬への下落で-14%。9月末から10月中旬への日経平均の下落は-11%に過ぎない。各国・指数のボラティリティや個人の主観によるのだが、私はこの年間最大下落率が、
-15%以内、平時
-25%以内、下げ
-35%以内、暴落
-50%以内、危機
-50%以上、恐慌
2015~16年は、-20%以上の年間最大下落率を期待している。例えば、S&P500が2000に始まり、2600をつけて、年末2050で微増の年だったとしても-20%以上の最大下落率となり、ダンシングドラゴンからライジングドラゴンへの変化形が効果を発揮することになるだろう。そこが単に先物を売るという暴落対策と異なるところなのである。
しかし、俺もどこまで後ろ向き(株式市場の下げ方ばかりを気にしている)な見方なんだw
【市場概観】
2014.07.31 敗者のゲーム
2014.05.20 リスクをヘッジできない本当の理由
2013.06.04 お下品極まりなく見える日本の株式市場
2013.03.01 貿易収支の見方
2013.01.04 世界の株式市場・指数2012年
2012.09.07 金融崩壊 昭和経済恐慌からのメッセージ 1/4~1910年大戦景気
2011.01.25|政治と株価 総理就任期間と株価の相対パフォーマンス
2010.09.21: 株メール Q8.レバレッジの効用と弊害
2010.05.12: 中国株先物が取引が開始
2010.03.30: 日経平均配当指数 そもそも日経平均が変な指数
2009.12.14: HとAどっち?
2008.10.15: 製造業至上主義的産業構造分析
2008.07.17: 車業界勢力図
2008.06.19: 原油先物の取引高
2008.01.14: またも出た 異なる時価総額ランキング
2007.12.29: 時価総額の計算方法
2007.12.21: 小型株は一部割安感有り
2007.11.30: 中国株はチキンレース