記事によれば、なんと、エアアジアは年間乗客数で08年に1位だったシンガポールエアを抜いたようだ。
しかしだ、年間売上高を見ると、客単価が低いため、シンガポール航空の約1割にとどまる。
すげーな、これ。10分の1で乗れるっちゅーことだよ。
アジアの近場(飛行時間3時間以内)に遊びに行くなら、通常の人間心理だったら格安航空になるわなぁ。
世界の航空業界勢力図を見るためにBBGのWorld Airline Indexを出してみよう。
JAL亡き後のAirline Indexは、中国バブルの台頭でAir Chinaがトップで、シンガポールエアは安定して2位。
エアフランスが沈み、米系エアが復活してきている様子が伺える。残念ながら記事上の格安航空会社は出てこない。
Singaporeに居住しているとお世話になる格安航空会社を
会社名、銘柄コード、現地通貨建て時価総額、ドル換算時価総額で調べてみた。
AIAASIA , AIRA MK 3900MYR 1200USD
Tiger AIR , TGR SP 960SGD 690USD
Firefly (Malaysia Airの100%出資子会社)
Jetstar(Austraria カンタス系)
Silkair(Singapore Air子会社)
そして、最大手であるシンガポールエアと比べると・・・
Singapore Airlines, SIA SP 19,000SGD 14,000USD
綺麗に時価総額も10分の1である。
しかし、Air Asiaの血のにじむような企業努力の証ともいえる損益計算書を見て欲しい。
左がAir Asia、そして右がSingapore Airの損益計算書5年分であるが、5年間の平均を取って、両社を比較して
みたところ、Air Asiaは、売上高営業利益率19%をたたき出し、純利益の不安定さは目立つものの、純利益率はほぼ等しい。
この事実は、消費者、そして社会にとって、賞賛に値する倹約経営と言えよう。
ここまで上げ上げしておいて、最後に興ざめするようではあるが、私の基本的ポリシーとして、自分自身が利用者、すなわちその
会社の売上に貢献する立場の場合、その会社の株は買わない。Air Asiaは、その徹底してコストカットにより、顧客と株主という
ステークホルダーの間に利益相反があるとは言えない良い例ではあるが、そうは言っても売上は会社にとっての唯一ともいえる
Cash Inで、それが明らかに割安と思えるから利用しているのである。応援はするが出資はしない。今後ともAir Asiaの発展を祈る。
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