ジョブズ氏が言う「つまらないものは捨てろ」の意味
抜粋しよう。

米アップルは米グーグルを抜き、世界で最も価値の高いブランドとなった。製品群を全部並べても、小さな
テーブルの上に収まってしまう。アップルが成功している理由――少数の、シンプルで優雅な製品にこだわる。
 アップルのイノベーションを支える基本原則は誰でも学ぶことができるが、それを行動に移す勇気を持ち合
わせた企業は少ない。アップルは主要な製品を発売するたびにそうしているが、ウェブサイトで1つの製品だ
けをクローズアップ、子供でも使えるほどシンプルな製品、プレゼンテーションの際に、パワーポイントから
余計な説明を一切省き、たった1つの言葉だけを見せる。
 作家テグジュペリの言葉に、アップルの哲学を凝縮したようなものがある。
「デザイナーが自分の作品を完璧だと思うのは、付け加えるものが何もなくなったときではない。取り去るも
のが何もなくなったときだ
」――。
「イエス」より「ノー」と言う回数を増やす。そして、つまらないものは捨てるのだ。

続いて、千利休のWikiから抜粋しよう。

千利休 
何も削るものがないところまで無駄を省いて、緊張感を作り出すというわび茶(草庵の茶)の完成者として知
られる。茶聖とも称せられる。
表面的な華やかさを否定した質実な美
利休の茶の湯の重要な点は、名物を尊ぶ既成の価値観を否定したところにあり、一面では禁欲主義ともいえ
る。その代わりとして創作されたのが楽茶碗や万代屋釜に代表される利休道具であり、造形的には装飾性の
否定を特徴としている。名物を含めた唐物などに較べ、高価なものではなかった。
利休は茶室の普請においても画期的な変革を行っている。草庵茶室の創出、それまで4畳半を最小としてい
た茶室に、3畳、2畳の茶室を採りいれ、躙り口(潜り)や下地窓、土壁、五(四)尺床などを工夫した。な
かでも特筆されるべきは「窓」の採用である。茶室を土壁で囲い必要に応じて窓を開けた(「囲い」の誕生)。
茶室内の光を自在に操り必要な場所を照らし、暗くしたい場所は暗いままにすることが可能になった。

つまり・・・、400年の時と国境を越えた成功者の共通点は、「無駄の無い創作。」ということか。
「こらまた、”乙”なエキゾ好みな金融商品ですな。」 なんて時代が来ることを夢見て、エキゾ好みの趣向を説明しよう。
まず、国債はあるのに国株は無い。国家権力の時価、主に徴税権と自衛権の価値に集約されると推測されるが、未だ取引
可能な国は無い。最高権力の株式化こそがイノベーティブである。
ブブー、こういう発想ありません。既存のデリバティブ商品でいえば、CO2やウェザー、CDSなど、アンダーライングへ
のアクセスの物珍しさはエキゾ好みとは申しません

では、その考えでいくと、Reverse CliquetやHymalayan、あるいはMSCBなんていうのが、イノ
ベーション?
ブブー、無駄があります。これこそ、テクニカル。いわゆる見せすぎた無駄。技術の暴走。”わび”を感じませんな。
無駄がない、では、Vanillaがやはり・・・
ブブー、創作を感じません。Forwardを切って二つにしただけでしょう? 証券化、Tranching構造の類も
IO/PO債も、切って複数に分けるという発想が同じ
です。
Barrier OptionのKnock-In/Knock-OutやFloater/Inverse Floater
は分断とはいえ、多少の創作が感じられます。
散々引っ張ったので、そろそろ答えを言おう。エキゾ好み、それはWorst of Range Accrual
なんと下品な商品だ・・・と思ったね?
しかし、これ最も無駄なくVolatilityを叩き売る”創作”だと思わんか?
日本や韓国で主流の
Knock-In Put Short, Digital Coupon, Early Redemption
と似ているようで徹底的に無駄がない。比較していこう。
Worst of Put Shortが基軸になるが、相違点は、PayoffのDiscontinuityがない。
経路依存型でもない
ということ。だからまやかしのローバリアKnock-InのATM Putと違って、単に
Strike、つまり買値を下げることになる。Correlation効果で意外に下げられる。
Range Accrual Coupon=Accumulated Daily Digitalだ。
同じ経路依存性のないDigitalだが、時間分散されており、Discontinuityを無視できる。怪しげな
引値操作も不必要。
Early RedemptionはCoupon Rateにレバレッジがかけられる。無しだとプット売りのリターン
は低くなってしまう。
ところでこの今日のこの記事、”無駄”に長いな。
【Exotic Derivatives関連記事】
2010.11.22: 三田氏を斬る ~多彩な商品、エキゾチック
2009.12.11: Early RedemptionとCouponの関係
2009.09.01: バイナリーオプションの性質から読む市場拡張性
2009.08.12: Double Barrier 複雑なるもの
2009.08.04: Barrier Option Pricing
2009.07.28: Exotic Parity2
2009.06.02: Multi Underlying OptionのGamma Trading
2009.05.26: Crossed GammaとDeltaの定義
2009.01.26: Exotic Parity
2008.03.03: Lookback 神なるTrade
2008.01.13: Worst Option ~香港より愛を込めて