Mar 25 2010 仏ソシエテのVIXトレーダー、ウィーン氏がヘッジファンドに移籍
【記者:Jeff Kearns】
3月24日(ブルームバーグ):時価総額でフランス2位の銀行、ソシエテ・ジェネラルでVIXオプション・
トレーディングの責任者を務めていたジェレミー・ウィーン氏が、デリバティブ(金融派生商品)のトレー
ダーとしてヘッジファンドのアルファベット・マネジメント(ニューヨーク)に移籍した。ウィーン氏(25)は2007年に米ゴールドマン・サックス・グループからソシエテに移り、シカゴ・オプショ
ン取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)のオプション取引事業を開始。CBOEが同行向けにま
とめたリポートによると、ソシエテは昨年のVIXオプション取引高で首位。ウィーン氏は24日に顧客にあてた電子メールで、「あらたな胸躍る機会を得た」と説明。アルファベット
・マネジメント幹部のジェイソン・アドラー氏もウィーン氏の採用を確認した。同社の運用資産は1億
4000万ドル(約129億円)。ソシエテの広報担当者からは、電話取材に対する応答は今のところない。原題:SocGen’s Head VIX Options Trader Wien Leaves for Hedge Fund(抜粋)
ウィーン氏、若いにゃぁ。25歳でVIX OptionのTrading極めてしまったか。本物の天才なのかな?
VIXのオプションか。仮に、VIXが幾何ブラウンで振舞うとして、VIXのImplied Volatilityの振る舞いを想像する
とイメージとして、逆スキューの逆ファットテイル。つまり、株価の暴落に伴い、Volatilityが急騰する上方発散
はありえそうだが、下方発散は限定的。また、平均回帰性より、VIXは振り切れない。VIXが100を
超えて安定することもないだろうから、元に戻る力が働くので、OutなStrikeのIVは低いように思われる。
では、正解を見てみよう。
残念ながら私の予想は半分外れている。
ものの見事に逆スキューではあるものの、上方StrikeのIVはStrikeに応じて上がる傾向があり、
平均回帰性がSurfaceに反映されているとは思えない結果である。
にしてもIV高いね。50-70%くらいある。そんな動くかね?
ここでVIX Index HVGと比較するのは、幾何ブラウン想定だとしても誤りだ。
VIX IndexはGeneric Indexで先物のつなぎ合わせゆえ、先物満期(Roll)時に期越えのJumpが含まれる。
先物単体で見るのが良いかと思うが、それで見れば、直感通りで20-30%程度であり、それほど高くないことがわかる。
平均回帰性を意識したHestonで表せば、以下のようになるが、今回はVolatilityそのもののBehavior。
株価との相関は意識する必要がないので、金利系の人にはお馴染みのCIR Processと同じである。
右第一項は平均回帰性、右第二項のξは、VolatilityのVolatility(Vol of Vol)を表し、
それにまたσをかけて、緩やかな上方発散を表現しているところが小憎らしい演出である。
VIXは、どう考えてもこういう振る舞いとはかなり違うわなぁ。
直感的には高いとは思うがなぁ。VIXのオプション。普段動かないくせに、いきなりすっ飛ぶから怖くて売れない。
CDSほど極端ではないもののVolaもそういう意味では似ている。俺もそろそろ始めないと駄目かな~Vol Option。
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