という見出しが日経新聞にあったのだが、記事自体は、100万ドル以上の富を持つ者が212万人としか書かれていないのだが、クレディ・スイスのオリジナルはそこそこ面白い。
クレディ・スイス、「2015年度グローバル・ウェルス・レポート」
https://www.credit-suisse.com/media/production/ai/docs/jp/aboutus/pdf/2015/pr-global-wealth-report-11162015.pdf
レポートの1ページ目から中流階級という言葉が飛び交い、中流階級ってなんだ?という疑問が浮かぶが、何ページか後に

「2015年度グローバル・ウェルス・レポート」では、所得範囲ではなく、資産範囲の観点から中流階級を定義しています。。今回、米国をベンチマークの国として採用し、中流階級の成人を5万~50万米ドル(2015年 中間期の物価で評価)の資産を持つ人としています。

ほほぅ、なかなかユニーク。資産家階級の場合は総資産額だが、中産階級以下は所得で表現するのが普通だからなぁ。この資産額ベースでの「中流階級」人口は中国が世界で一番になり、1億900万人。人口の10%程度で、約半数が中産階級に属する日本とは感覚が違う。
World-Middle-Class.jpg

先進国の多くで中流階級の割合が高い傾向にあり、オーストラリアが全成人人口の66%、ベルギーとシンガポールが60%超、イタリア、日本、スペイン、台湾、アラブ首長国連邦、英国が55%超、アイルランド、オランダ、ニュージーランドが50%超となっています。またアジア太平洋地域では、韓国と香港でも、44%を 超える成人が中流階級に属しています。

あれ? 世界のナンバーワンの先進国、アメリカの中流階級比率は? わずかに3割。かなり低い印象だ。オバマケアなんていうのが骨抜き法案であろうことが想像に難くないな。
一方、ミリオネアという言葉は、ビリオネアが登場している以上、時代遅れ、と思っていたのだが、先進国であっても、人口に対するミリオネアは、パーセンテージオーダーに留まり、10%超ということは無い
Millionear.jpg
ミリオネア比率は米英で5%、シンガポールでもわずかに4%、日本は、さらにわずかで2%だ。日本で200万人以上もいるならば、全く希少性はないし、定義を10mil USD以上にすべきと思っていたが、このような国際比較で見れば、日本は経済規模と先進国の割に、かなり低い。私の周囲では、ミリオネアなんか今時珍しくない、10人に1人以上、すなわち10%以上いるだろうと思うが、その原因はおそらく、各国の都心で働いていて、40歳超であれば、ミリオネアに到達している確率は、全体の水準の数倍に跳ね上がるのは自然であろう。
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