月: 2016年2月

日本の厳しい冬、10年ぶりに風邪ひいた

37~38度の熱が出まして、かれこれ5日(長い、ツライ! 退屈だ! )も実家に引きこもっています。本来、親を介護するために帰ってきても良いような年齢なのに、この年で親に介護されるとは、不本意極まりない、情けない。(幸い、両親ともに健康なので、介護の必要はないのですが) インフルエンザが流行っているということなので、調べてみたら、インフルの場合は、風邪と症状が似ているが、熱は急速に38度超になるということなので、それも違うっぽい。単なる風邪でしょう。
原因は、母が旅行に出かけたこと、です。 ハハハ、どこまでマザコンなんだって? 俺の推論過程の最終地点なんだ。でも時系列的には、そこが起点だ。日本に帰ってきて、すぐに風邪をひいたなら、単に日本とシンガポールの気候の差に体がついて行けなかったということなのだが、毎年、冬に帰ってきてるし、日本についてから数週間経った後で風邪をひいたのだ。
母が旅行に出かけた。
母はいつも実家の1階全体に暖房を入れているが、電気代がもったいないと思い、私は全部切ってコタツだけで寒さをしのいでいた。
東南アジアは暑いので、髪を洗った後、真面目に乾かす習慣が無い。コタツは足元だけで室温が寒いので洗い髪が真まで冷えた。
2016年冬の日本で得た教訓 (来年以降も実践します)
暖房は必要、ケチらずちゃんと使いましょう。
髪はドライヤーできちんと乾かしましょう。
4~5つのアポイント全部ドタキャン。皆さん申し訳ありませんでした。せっかく楽しみにしていた皆さんとの久しぶりの会合やお食事が流れてしまい、歯がゆい。風邪ひいて寝込むなんて何年ぶりだろう。シンガポールで体調悪くなったことはあるけど、風邪ひいたこと・・・、記憶の限り、ない。ということは少なくとも8年ぶり。シンガポールでは体温計も持ってないんでね、熱があったとしても体感で計るしかないんだが、酒とたばこがまずくなるから、なんとなくわかる。


紛争と難民 緒方貞子の回想 4/5~難民の定義

第三章 アフリカ大湖地域における危機
アフリカ中部の極小国ブルンジとルワンダは、2つの大国、ザイール(現コンゴ民主共和国)とタンザニアに挟まれた内陸国である。
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> この地図上の位置だけで、海を奪われた大国の緩衝地帯。悲惨の運命が待っていそうな予感がする。
国土のほとんどは丘陵地で、人口密度は高い。人々は同じ言語を使い、文化を共有しながらも異なる部族、とりわけフツ族とツチ族の二大集団によって構成されている。旧宗主国はツチ族の長を通じて間接統治を行っていた。しかしながら、独立が近付くにつれて、多数派のフツ族は旧来の統治方法に対してますます挑戦的になり、政治的・社会的地位や権力を要求するようになっていった。1961年にフツ族が弾圧的な共和制を樹立すると、おびただしい数のツチ系住民が周辺諸国へ逃避した。1960年代初頭までに、ルワンダから15万人がザイール、ブルンジ、ウガンダ、タンザニアに流出した。1990年の時点でもなお難民だと名乗る人は、概数で60万から70万人にものぼっていた。難民に加え、多数のルワンダ人が、隣接するザイール東部のキヴ地方に移住した。
国内はフツ系とツチ系に分断され、深刻な政治的対立が続いていた。政権の座に就いたのはフツ族であったが、軍を掌握していたのツチ族であった。1993年10月21日にブルンジ政府軍がクーデターを起こし、ンダダイエ大統領が暗殺されると全土に暴動が広がり、5万人を超えるフツ系住民が殺害されたうえ、70万人を超える難民がルワンダ、タンザニア、ザイールへ流出した。
ジェノサイドと難民の避難
ルワンダでジェノサイドが起きると、フツ系住民は大部分が周辺諸国に逃れた。最初の集団は1994年4月末に国境を越えてタンザニアに流入した。その数は25万人にのぼったがUNHCRはこれには何とか対応することができた。難民の多くはキブンゴ州のフツ系農民であったが彼らは殺戮から逃れてきたのではなく、かつてルワンダ東部で起きたツチ系住民の殺害に関与していたため、ルワンダ愛国戦線(RPF)部隊が到着する前に脱出してきたのである。そのなかには、かの悪名高いムランビ市長であるジャン・バプティスト・ガテテが紛れ込んでいた。彼はかつてルワンダで起きた大量殺戮の首謀者であった。UNHCRはこの人物をベナコ難民キャンプからタンザニア警察の拘留所に移送しようとしたが、大きな抵抗にあった。5000人ほどの群衆がキャンプを取り囲み、ガテテの釈放を要求したのである。この暴動事件は難民集団の複雑な性格を示すもので、難民は大部分が、RPFの到着を阻止するために政治行動や犯罪鋼を犯した集団に属していた。この時代は、現場で活動する人道援助要員の安全を確保するにも、難民の活動を抑えるにもタンザニア警察の能力には限界があることを示すものであった。
> 虐殺加担した後で逃げた人は、果たして「難民」なのか?


紛争と難民 緒方貞子の回想 3/5~領土問題への介入

1993年2月17、私は声明文を発表、「通行妨害を受けている輸送体を基地に戻し、セルビア人勢力支配化のボスニアにおけるすべての救援活動を直ちに停止する。サラエヴォにおけるUNHCRの活動を全面的に一時停止し、包囲下にあるこの38万人都市には最小限の要員だけを残し、ほとんどの職員を引き揚げる。サラエヴォへの物資輸送及び空輸を一時停止する。UNHCRの活動が継続できるボスニアの地域ではUNHCRの救援事業を規模を縮小して維持する」「政治指導者側が援助の再開を要望し、輸送体の通行を妨害しないと保証するなら、即座に再開する」
メディアの論評は、私が決定を下す前に事務総長と協議すべきだったとするニューヨークの外交官や国連職員の批判的な見方を反映したものであった。「事務総長と事前協議せずにボスニアにおける援助活動を『現地での活動上の理由で』一時停止するという、昨日のあなたの声明を懸念している 安全地域を設置することによる将来の領土分割への影響
安全地域政策の矛盾
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私を最も驚かせたのは、オルブライト米国連大使が、安全地域はボスニア共和国領土の基礎となると言及した、次の発言であった。「領土が無い国家は無い。こうした安全地域の設置を通して我々が試みようとしていることは、これらの安全地域をいずれはボスニア国家となる地域として確立することである」。ボスニア紛争の人道問題に没頭していた私は、安全地域をこのような意味で見たことは無かった。領土問題は和平協議にとって重要であることは理解していた。しかし、人の命はどうなるのであろう?
安全地域政策は軍事作成上の位置づけであると同時に、対立する政治的利害の産物でもあった。戦争犠牲者を保護する人道的手段としては、政治的かつ軍事的打算と決定に左右されるものであった。ボスニア政府とその支援者にとって、安全地域は来たるべきボスニア国家の領土分割を軸とした政治解決の担保にするものであった。またボスニア政府にとっては、セルビア軍の陣地へ向けて発砲する場所でもあり、自国の軍隊が休息し、訓練し、装備する場所でもあった。セルビア側は安全地域をボスニア東部を支配下におさめるために制圧すべき軍事攻撃の対象と考えた。


紛争と難民 緒方貞子の回想 2/5~対立する利害

クルド難民
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UNHCR内には、難民が逃れ出た敵意に満ちたイラク国内にまで難民保護の範囲を拡大することに、深刻な懸念があった。また、庇護の代替として安全地域を設けることに強く反対する者もいた。さらにイラク国内における我々の活動拠点の存在が、周辺諸国に難民の庇護を拒否する口実に使われることが心配された。こうした前例ができてしまうと、UNHCRの基本的な難民保護のマンデート、すなわち本来の任務に弊害をもたらすかもしれない。しかも多国籍軍諸国が採択した緊急措置に異を唱えることはそもそも難民保護と援助を目的に設立されたUNHCRが、その任務を自ら否定する結果にもなりかねなかった。UNHCRは自国の外にあって、人種、宗教、国籍もしくは特定の社会的集団の構成員であること、または政治的意見を理由に迫害を受けるという十分に理由のある恐怖を有するために、自国へ帰還できない人々を保護し援助する任務と権限を与えられていた。つまり、自国内で住んでいる所から追われた人々は法的に定義された、国際的な難民保護の枠組みの外にあると理解されていた。各国は迫害される恐れがある状況下に難民を送還してはならないとする義務はあるが、庇護を与えることを強制されるものではなかった。クルド難民問題は、UNHCRの難民保護の任務にとって、厳しい試金石となったのである。国境内では任務を行使しないという報的命令を守り、越境を阻止されている人々への援助を控えるべきなのか、それとも、より現実的な人道的立場から、できる限り援助の手を広げるべきなのか? 難民支援をトルコ側から行うとすれば、トルコから国境を越えて難民を平地へ移さなければならない。ところが、地形的に平地はイラク側に広がっていた。イラク北部に安全地域を設けるという構想は、犠牲となった特定の民族集団のために、紛争に介入するという先例となった
> 国連同様「国内問題」では動けず、「国際問題」である必要がある。
第二章 バルカン紛争における難民の保護
> 物資の輸送と護衛。護衛は軍事介入?
空輸機撃墜の衝撃
空輸はサラエヴォ市民に不可欠の救援物資を運んだが、食糧、多目的ビニールシート、毛布といった生活必需品の配布から次第に都市の暮らしを便利にするものやサービスの提供へと拡大していった。例えば、郵便の輸送、新聞用紙の輸入、政府要人の輸送、そして病人や負傷者の避難も請け負った。陸上輸送隊もディーゼル油、薪、石炭などの燃料を運搬した。サラエヴォ市民はUNHCRを頼りにし、特に空輸は、国際社会がサラエヴォを忘れず、見殺しにしないというメッセージであると受け取っていた。
しかしながら一方で、メンデルーチェ特使は我々が直面している本質的な問題を私に警告した。「UNHCRはボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエヴォを統治・管理できないことをはっきりと公言すべきです…。サラエヴォの生命維持の問題は単なる救援問題ではありません。ある勢力は他の勢力の支配地域に救援物資が運び込まれるのを見たくないという理由で、輸送を阻止しているのが現実ですRead More


日経レバ2(1570)アンダーライングのフォワードのバリュエーションについて

最近、日本市場では日経レバ2のETFが売買代金トップとなっているようだ。市場としての品位と参加者の質がうかがいしれる状態だが、フォローするならば、デリバティブと株の損益通算ができないという税制も、日経レバ2の流動性を後押しする要因となっているだろう。
規模が大きすぎて、1570の先物売買が市場を左右することもあるらしいが、今回はその話ではなく、
1570のフォワードそのものがいくらで取引されるべきか? という哲学的w な問題に切り込もう
「フハハ。フォワードなのにガンマありそうだな。面白い話題だとは思うが、これを論じたところで理解できるヤツがおらんだろう」 という私に対して
「10人くらいは居るんじゃないですかねぇ? 正解は無いと思うのですが、1570アンダーライングのデリバティブをブックしてみれば、どう管理するかは必ず対処はしなければならない問題です。この話題の供給者はゼロなので、たとえ10人しか理解できる人がいないとしても、需給のバランスは良いはずです」
と説得されたのでw 一筆書いてみることにしよう。
1570アンダーライングのデリバティブを1570アンダーライングとして認識する、すなわち1570でヘッジする場合は、
分配金のみをキャリーコストとして差し引いてフォワードを計算することになろう。ただ、1570は中身が先物で配当が無いので、分配金も存在しないようだ。
しかし、ポジションが大きい場合、これではあまりに不本意すぎる…というのがトレーダー諸君らの悩みどころだろう。
1570アンダーライングのデリバティブを日経225アンダーライングとして認識する、すなわち先物でヘッジする場合について考えていこう。
日経225のキャッシュプライスSに対して、まず考えると
ドリフト項:リスクフリー×2-配当率×2-信託報酬
拡散項:2σ
信託報酬も引いてよいと思う。だが、問題は、既に当ブログでも取り上げている日経レバ2が本質的に持つガンマロング性の評価をドリフト項にどう加えるかである。
2014.04.25 素人がハマっている必負法 1/3 ~日経レバ2の行く末
日経225のボラティリティ、ここではインプライドボラティリティの解釈で良く、それをσとする。運用会社はデイリーでリバランスするので、 簡単なケースとして、ある日+1σ、次の日-1σ動いたときの、引け値で取引したと近似してポジションと損益を実際に計算してみよう。

株価	ポジション
1	2 
1+σ	2+2σ
1	2

1日目の損益は {(1+σ)-1} × 2 = 2σ
2日目の損益は {1-(1+σ)}×(2+2σ)= -2σ-2σ^2 2日間の損益は-2σ^2となるので、1日あたりの損益は-σ^2となる。
では、連騰相場

株価	ポジション
1		2
(1+σ) 	2+2σ
(1+σ)(1+σ)

2日目の損益 {(1+2σ+σ^2)-(1+σ)}×(2+2σ)=(σ+σ^2)×(2+2σ)=2σ+2σ^2+2σ^2+2σ^3=2(σ+2σ^2+σ^3)
次、続落

株価	ポジション
1		2
(1-σ) 	2-2σ
(1-σ)(1-σ)

2日目の損益 {(1-2σ+σ^2)-(1-σ)}×(2-2σ)=(-σ+σ^2)×(2-2σ)=-2σ+2σ^2+2σ^2-2σ^3=-2(σ-2σ^2+σ^3)
連騰と続落の場合の2日分の損益を足せば、8σ^2、一日当たり+4σ^2となり、連騰や続落相場では有利に働く効果がある。
これをn日分、50%-50%でやるのかリスク中立確率でやるのかは諸君らに任せるが、これだけ引けばいいんじゃないの?
連騰相場では1570の持つガンマロング性が、S^2のPower Forwardのごとくに効いてくるので、デルタヘッジをしているトレーダーを悩ませているポイントは、Forward値よりも、このデルタエクスポージャーのブレにあることだろう。書きながら思ったのだが、その観点ではS^2のデリバティブとして処理するのが一番楽かもしれないな。


紛争と難民 緒方貞子の回想 1/5~人道問題に人道的解決なし

1991年2月から2000年12月までの10年間、私は国連難民高等弁務官として世界の難民と救済に専念した。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に求められたのは、難民や国内避難民、さらに被災民まで網羅した人道救援活動を主導し、かつ調整する役割を担うことであった。
世界の辺境にあって難民の救済にあっていた私およびUNHCR職員一同に対する日本の支援に心からの謝意を表したい。財政的には、日本政府は任意拠出によって賄われている事業経費において、アメリカに次ぐ第二の大口拠出国(ドナー国)となっている。外務省は高等弁務官の補佐官として優れた幹部職員を次々と派遣し、密接な協力を続けた。また、環境庁は、難民キャンプの設営に伴う大規模な環境破壊の防止と復旧をはかりたいという私の要請に応え、三代にわたって有能な技官・行政官を派遣し、事務所の環境対策の確立に大きく貢献した。
とはいえ、難民支援活動の中で、今一つ積極的な進展が見られなかったのは、庇護を求めて来日する難民への対応である。インドシナ難民の受け入れに当たっては日本政府は1万人の枠を設け、東南アジアに出向いて日本への受け入れをはかったこともあったが、その後、個々に来日して庇護を求める人々に対する条約の適用に当たっては、人道的配慮に基づく制度の透明な運営がいまだに確立されておらず、まだ満足すべき成果を収めるに至っていない。UNHCRに赴任する際、「日本は『人道大国』としての地位を占めてほしい」と私が語ったことが伝えられている。グローバル化が進み、相互依存が深まる今日、自分の村、町、あるいは国から追われ、悲惨な状況にある人々を放置し続けることはできない。


2016年 日本に行こう 横浜地元編 4~ウォーキング@横浜

山②
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カブをまく時に使える、山と階段のセットです。カブって株式投資とか白いカブじゃないですよ。良いですね? 使用頻度の高かった、山と階段の「カブまきポイント」であった「山①」は、なんと山が切り崩され住宅が建ってしまっているので現在はありません。この年で「カブをまく」こともないwので山①が無くなったところで困りはしないのですが、気分は少し寂しいです。
底なし沼
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立ち入り禁止区域です。周囲はだいぶ変わりましたが、沼本体は、まだあります。この周辺の田んぼで、ザリガニ、アメンボ、ヤゴなどが取れ、水カマキリやタガメ、ゲンゴロウというレアアイテムを持っていれば英雄です。その周辺の田んぼは消えてしまって現在はありません。
クイズー! ここどこだ? 横浜市民ならわかるかな? 難しいかな? 横浜在住の後輩に聞いたら一発であててました。
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うーん、昔なら気にならなかった、鉄塔と電柱と電線がどうしても目に入るな・・・。


2016年 日本に行こう 横浜地元編 3~ウォーキング@横浜

しかし、このブログ神奈川県の読者なんているのかねぇ?と思い、グーグルアナリティクスで調べてみると・・・、国別日本85%の中のさらに内訳では、東京40%、大阪12.5%、神奈川10%の3位でした。シンガポールのアクセスが全体の4.5%だから、神奈川県民の8.5%はシンガポールより多いようです。そうかそうか、意味あるな。
日本でもウォーキングをしてみた。シンガポールと比較し、歩いていて思うのは、
1.日差しが弱い。
2.電線がある。
冬の日本は、日差しが弱く、任意の時間でもウォーキングを開始できます。シンガポールの場合、かなり日差しが強いので、日陰を選んで歩くか、日中16時以降という制約があります。私の地元は、シンガポール同様、かなり歩きやすく道が整備されていて(って日本では当然ですが、バンコクやジャカルタのように異様な交通量ではないという比較の意)、どこへ行くのも歩きでOKです。また、日本では当たり前の風景であえて注視することもなかったのですが、シンガポールのウォーキングに慣れていると、電線やそれをつなぐ鉄塔の存在が珍しく、無駄に上を向いて、鉄塔から鉄塔、電信柱から電信柱、電線から各家庭に、線がつながっている様子を確認するという奇行が…。日本でも新しい街では、剥き出しの電線なるものは消えているのでしょうが、私の近所では、変わらず電線があります。

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何十年も前にジョギングしてた頃から最初にのぼる坂です。写真で見ると観測できないほどですが、自転車でたちこぎしなくてもかろうじて登れるくらいの傾斜はあります。ジョギングの場合、この坂を上りきったところで、息が切れてくるくらいの上り坂です。
高所
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坂を上って、さらにもう少し歩くと、高台に出ます。多分、この近所半径1km以内では最も高い所です。遥か昔に朝のジョギングをしていた時に、ここに人だかりができていて、何かと思ったら、元旦の初日の出を見ている民の集合でした。この向きがちょうど東向き(南東向きくらいかな)です。電線は見えるとして、遠くに小さく鉄塔が立っているのが見えるでしょうか?
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今度は逆向き、北西方面。ここからざーっと下って谷になっていて、また坂で山になっている様子です。どちらの方向にしてもマンションがあまりになく、一軒家が多いのがこの地域の特徴です。建築物としての一軒家も日本っぽい。家も時代とともに変わっているとはいえ、日本の特徴がありそうですが、建築ってまったく知らないので、文章で表現することができません。


2016年 日本に行こう 横浜地元編 2~美容院

美容院で髪を切る。縮毛矯正+カットです。縮毛矯正3年目なので髪が痛むせいか、薬を弱くしているっぽく、矯正効果が初年度に比べて薄いような気がしておりますが、櫛が通るようになるので、まぁ、良いでしょう。
2014.03.17 日本全土落下傘計画 九州編 1/8~日本の買物
2015.05.14 円が安い、そうだ、日本に行こう 3/4~美容院で縮毛矯正
去年は、「かっこよくしないでください。今の怪しさを残して、整える程度でカットをお願いしたい」とだけ言って、ばっちりキモい感じに仕上がったのですが、今年は少し変えていきたいと思いました。
うーん、いいですね。
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2016年 日本に行こう 横浜地元編 1~通信事情

羽田より日本入り。夜の羽田便、前は眼下に広がる大都市東京の凄さ(国内比較で言ってるのではなく、グローバル比較でも、無限に広がる如くの都市の光)に圧倒されたのが、今回、大したことは無かった。曇り空ということと、飛行機の経路に依るところもあるのかもしれない。
またもAir Asiaからクアラルンプール経由で羽田なのだが、KLのP Gateを一度くぐると、喫煙スペースがなく、脱出不可能なので、これは注意が必要だ。可能な限り、喫煙スペースのそばで待ち、最後の一服をしてから移動するのが良いだろう。クアラルンプールで3時間待ちだったのだが最初にすぐ一服してしまったので、搭乗時間にはすでに最後の一服から3時間近く経過。これから6時間フライトだというのに、乗る前にすでに禁断症状で苦しい…ゴホッゴホッ、やはり禁煙は体に悪い…。
シンガポールのチャンギ空港の半額で食べられるクアラルンプールのバーキン。このためだけにリンギットを持っているのがドケチ=グローバルアービトラージャーの基本だ。
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タバコはP-Gateに入ったら吸えない。P-Gateに入るのは搭乗時間30分前で十分! 繰り返し、二度と同じ過ちを繰り返さないようにしよう。このAir Asia KL経由羽田便は値段も安く便利なので、また使うこともあるだろう。
羽田に着いたら喫煙室に駆け込んで一服。う~~~ん、一箱3SGDのセブンスターがしみるぜぇ。タバコの毒は0.1秒で脳に到達するというのはまた実感だ。スパッと吸った瞬間に、禁断症状(私の場合は胸がつっかえるような症状)がぶっ飛ぶ。喫煙室の前にハングル文字を掲げた若い女性たちがいっぱい。従軍慰安婦じゃねぇなw 韓流スターが羽田に来ていたのだろうか?(1月25日22時過ぎ)
羽田から横浜まで、近い! 8分ほど駅で待ったが、成田の1時間待ちに比べれば全然許せる!
バスを目の前で逃したので、重い荷物を持ってはいたが、また歩き。これ去年もこの展開だったような…。
ショッキングな忘れ物をしたことにKL空港で気づいていた。Surface(タブレット)の電源アダプターをシンガポールの部屋に置き忘れてしまっていたのだ。バッテリーに限りがある。明日の朝一で買いに行かなければならない…。
ヤマダ電機に電話「パーツ売りは取り寄せになる」とのこと。
ヨドバシカメラに電話「横浜店に在庫はないが、上永谷店なら在庫がある」「今すぐ取りに行くから、取り置いてください。」
正規品9200円、高いなぁとは聞いていたが、ヨドバシカメラに行くと、「汎用品が出ていたので、こちらなら5100円ですけどどちらになさいます?」 迷わず、「汎用品で」w 信頼のヨドバシ!
「さっきヤマダ電機に電話したらパーツ売りは取り寄せって言われたんですがねぇ…」
「そりゃ、品揃えが違いますから…」 とあきれ顔の店員。
ヤマダ電機とヨドバシカメラって品揃えが違うようです。そこも、信頼のヨドバシ!
「プリペイドのシムカードも買いたいんですが…」
ぐわー、100種類くらいあって、わけわかんねぇ…。
「2か月くらい日本にいる。もうちょっといるかもしれない。だから途中でチャージできるタイプが良いんですが…」
「チャージ高いので、データ通信なら新規で買ってしまうのも手かもしれません」
う~ん、なるほど。容量MAX使い切ったり、延長したい場合は新規で買えばいいのか! 顧客目線、利用者目線で回答いただけるのが素晴らしい。とにかく高いものを売り、売ったら最後、逃げることしか考えないシンガポールとは全然違う。シンガポールの電気屋で店員に質問したくないもん俺。「お前に聞くくらいなら、自分で説明文読んだ方が早いわ」っていう低レベルのバイトさんしかいねぇからね。そこらへんがヨドバシカメラの店員はレベルが違う。さすが、信頼のヨドバシ!
ちなみに、通話できるプリペイドは2016年1月をもっても、まだ無いそうです。データ通信は不思議なことに去年の春から許可されたとのこと。それは嘘だ。去年の2月くらいには俺、データ通信のプリペイドシムカード買ってるはずだ。にしても「遅れてる」というよりガラパゴスな制限しすぎだよなぁ…。Prepaid SIM for Japan Travelって書いてあって、英語の説明書までついてるよ。そりゃそうだよな、これから東京オリンピック、2020年までにはなんとかしないと「通話できるプリペイドシムカード売ってないの? 日本は先進国って聞いていたけど…」と世界中から笑われてしまうぞw


GPIFデリバティブ解禁かお悩み中? 2/2 プロ向け曲解

株の自主運用認めず、GPIF巡り社保審、政府・与党で最終判断へ。
2016/02/09 日本経済新聞
 公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)に株式の自主運用を解禁するかを巡り、厚生労働省の社会保障審議会は8日、認めないことでほぼ意見が一致した。GPIFが直接株式を持つと、国家の企業支配につながるとの懸念が強かった。審議会の意見を踏まえ、政府・与党が今国会に提出予定の公的年金改革の関連法案に盛りこむか最終判断する。
 審議会で了承した論点整理では、(1)自主運用の全面解禁(2)部分解禁(3)見送り――の3案を併記した。このうち、日経平均株価など指数に連動した運用成績を目指す「パッシブ運用」に限って、議決権を外部に委託して、部分的に自主運用を認めるべきだとの意見が複数の委員からあったが、「一部の意見」にとどめた。
 自主運用は見送り、「早急に手当てが必要なデリバティブ(金融派生商品)の規制緩和」などに限るという意見が多かったとした。
 自主運用の解禁は経団連や連合出身の委員を中心に反対意見が強かった。GPIFが直接株式を保有して、株主総会で議決権行使をするようになると、企業経営への影響力を強めることができるという懸念があるためだ。8日の審議会でも「企業支配や市場をゆがめる懸念を払拭できない」との声があった。

はぁ…、がっかりしちゃうねぇ。株主との対話? スチュワードシップコード? コーポレートガバナンス? 形骸化した社外取締役? やる気ねぇじゃん。就職協定・定年延長・ベースアップwwwなどなど、経団連は、ろくなことを言わねぇな。健全な資本市場の形成を阻む、ガンコおじいちゃんの集まりとしか思えない。
しかし、デリバティブ解禁にはおじいちゃんたちも理解を示しているようなので、さらに俺も経団連の意見に援護射撃してやろう。日経新聞紙上で議論しているのは、為替の”先物”のことのようであるのだが、株式のデリバティブである先物・先渡にも議決権がないから、株の代わりにGPIFが先物・先渡で持ってくれれば、エコノミーは大きく変わらず、議決権は発生しない。経団連が大好きな物言わぬ株主の出来上がりだ。株主じゃねぇな、巨額なデリバティブ年金ファンドw
100兆を超える金額だと、先物のロールコストもバカにならないから、株の代わりにデリバティブで株式エクスポージャーというのは極論で現実味がないが、アロケーション比率を保つための日々の売買に先物を使うのならば、取引コストは下がるかもしれない。債券にしても株にしても、現物でやるより、先物で調整すれば、手間もスプレッドも狭いだろう。
また、アロケーション比率を固定して、日々、リバランスをする場合、ボラティリティを味方にできる。下がったアセットクラスを買い、上がったものを売るので、規模が大きくても楽な方向の取引だ。あたかもガンマロング的ポジションで、言って来いの相場展開では、Buy&Holdは不変だが、アロケーション比率固定戦略は、動きの分だけプラスとなる。一方で、売買代金がついにトップとなった日経レバ2などのリバランスは、下がったら売り、上がったら買わなければならないので、規模が大きくなればなるほど、厳しい取引(ガンマショート)となる。
2014.02.25 株のBuy&Hold戦略が持つGamma Long性
2014.04.25 素人がハマっている必負法 1/3 ~日経レバ2の行く末

株自主運用、解禁せず、公的年金巡り政府・与党。
2016/02/11 日本経済新聞
 政府・与党は10日、公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の株式自主運用を認めない方針を固めた。株価の急落で慎重な意見が強まった。今国会に提出予定の公的年金改革の関連法案には盛り込まない方針だ。
 現在の法律ではGPIFが株式を直接持てないルールになっている。厚生労働省の社会保障審議会は2015年12月から機動的な運用や手数料の削減を目的に自主運用の解禁を検討してきたが、経団連や連合が「政府機関であるGPIFの株式保有は企業支配につながる」と反対し、結論が出ていなかった。
 政府・与党内では日経平均株価などの指数に連動した運用成績を目指す「パッシブ運用」だけ認めるべきだとの意見もあったが、「株価が大幅に下がるなかで実施する必要があるのか」との意見が強まっており、見送る方向になった。
 厚労省が3月上旬に提出を目指す公的年金改革の関連法案には、GPIFのガバナンス強化とデリバティブ(金融派生商品)の規制緩和などを盛り込む。
 理事長に権限が集中する体制を改め、労使の代表らで構成する経営委員会を設置。円高などによる損失を抑える目的に限ったデリバティブを使えるようにする。

デリバティブ解禁と言っても、議論の中心は、株の話ではなく、為替の話なんだよね。ごめんごめん。しかし、為替の上場先物というのはどういうことなんだろう? CMEのFX Futureでも使うつもりなのだろうか? たぶん、ちょっと株が下がって、円高になって、損した時だけ怒る金主に対して、場当たり的な対応をしただけなのだろうが、あえて、また援護射撃をしよう。
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当座預金に対するマイナス金利導入以降、国債金利も激しく下がったが、ベーシススワップもさらに拡張し、円がダブつき、JPY LIBOR -100ベーシスまで到達している。GPIFの為替のヘッジは方向的に、ドル売り円買いなので、先物でも先渡でもオプションでもスワップでも-100ベーシスがFavorに働く。GPIFは、このベーシススワップも取りに行く方向で、どん欲にデリバティブ解禁を働きかけ…。うん、まぁ、上場ものじゃなくて、店頭でいくらでもできるので、やっぱ言い訳か。
アロケーション比率一定というのは、日経レバ2に比べれば、はるかに素晴らしい運用戦略なんだけど、損したら、やっぱりみんな怒るんだな。上がったら売り、下がったら買うというトレーディングになる点や、ベーシスの実現で為替ヘッジと考えれば、もう少しGPIFに対して寛容になれないものなのかねぇ?
【G7 金利・国債系】
2015.12.21 坂の上の雲四 12~金策
2015.09.29 アメリカ覇権という信仰
2015.07.15 家計の金融資産残高が1700兆円を突破
2015.03.16 仮想通貨革命 ビットコインは始まりにすぎない 7/7~貨幣の非国有化
2014.07.28 続・オプション・トレーディングにおける個人投資家とプロの違い、グリーク(リスク指標)の見方
2014.03.26 人民元売却計画ステージ2 10/16~ユーロマネー、オフショア人民元
2013.08.13 オプションなんて勉強するものじゃないです。まずは債券いっときまひょ
2013.01.29 金融政策の話 2/2 ~預金と規制
2012.07.04|ウォールストリートの歴史 5/8 ~第一次世界大戦
2012.02.27|告白 元大和銀行NY支店2/2 ~トレーディング
2011.10.31: 日本国債CDSが急落
2011.10.03: 日本国債5年CDS 1.3% vs 日本国債5年モノ0.35%
2011.09.09: スイスフランの介入劇
2011.07.07: モルガンS、米インフレ期待めぐるトレーディングで損失
2011.04.18: 米国債券投資戦略のすべて3/3 ~パススルー証券
2010.02.04: 日本最大の投信「グロソブ」4兆円割れ
2009.12.01: 金利系投資からの撤退 
2009.08.05: 金利をSalesに教える
2009.06.17: 暗算でやる金利計算@街頭インタビュー
2009.01.15: 株投資家から見たインフレ連動債TIPS
2008.12.25: さようならUS Strips
2007.12.17: 債券市場参加者の世界観 ~ 儲け=売値ー買値では無い  
2007.12.12: 債券税制 ~これを知った上で買えるか?毎月分配


GPIFデリバティブ解禁かお悩み中? 1/2 一般向け解釈

新聞記者がGPIFの真意を理解できているのか?というのは極めて疑問ではあるが、新聞経由の情報で、将来のGPIFのデリバティブ運用を想像してみよう。GPIFが記者に対して、行間を読むという難解な言い方をせず、包み隠さず方針を述べたとしても、記者が理解できたレベルで曲解されたものが記事になるという性質上、ソースが揺らいでいるゆえに私の想像も揺らぐことになるのだが、その変化を記事とともに追っていくことにしよう。
毎日、「GPIFのデリバティブ解禁」の記事が載っているので、順に追っていこう。

GPIF、損失回避に規制の壁(風速計)
2016/02/08 日本経済新聞
 「じくじたる思いだ」。公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の水野弘道・最高投資責任者は1月28日の社会保障審議会で漏らした。GPIFは2015年7~9月期に7・9兆円の損失を出した。運用成績は市場平均とほぼ同じだが、価格変動リスクを避けるデリバティブ(金融派生商品)が使えれば、損失を少なくできたという思いが強い。
 今のGPIFは円高で運用資産に損失が出ないように為替ヘッジ(差損回避)をしようとしても、市場参加者の多い市場デリバティブが使えない規制の「壁」がある。店頭デリバティブは使えるものの、相対取引なのでGPIFの投資行動が市場に伝わりやすく、為替相場に影響を及ぼす可能性がある。
 社保審ではGPIFのガバナンス強化と運用規制の緩和を議論し、デリバティブの活用拡大も検討されている。ガバナンスは合議制の導入で大筋合意したものの、運用規制は年初からの相場の変調もあり、慎重な意見が複数の委員から出ている状況だ。
 調整が難航しているのは、GPIFの株式自主運用の解禁などハードルの高い施策があるため。ただリスクにおびえるあまりに、損失を回避するための方策も導入できなくなるようなら、皮肉と言わざるを得ない。(O)

> 市場参加者の多い市場デリバティブが使えない規制の「壁」がある。店頭デリバティブは使える
市場デリバティブってなんだよ、上場デリバティブだろ? Listedを市場って訳すか? と思っていたら、厚生省の説明で、
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000111870.pdf
5ページ目に、市場デリバティブ(上場デリバティブ)という表現がある。取引所だけが市場(=Market)ではないので、上場と表現するようにして欲しいものだ。口うるさい頑固おやじはまた嫌なものを発見w
厚生省同じ5ページに
為替先物取引(※1)
※1 市場デリバティブ取引を除く
コラァー!
日経新聞は先物と先渡の区別もついてないのか! 銀行の説明のせい? とか思っていたのだが、「厚生省、お前もか」
2009.03.26 中国人民元先物?
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日本の役所のウェブ(いつも見ているのは日銀や財務省だが)って、しっかりしててレベル高いなぁ…、と思っていたのだが、ここだけはいただけないな。英語で言ったらFutureとForwardでね、Forwardに対する先渡って日本語までちゃんとあるの。物書きなら、そのくらいの表現の多彩さは持っていなさい。


日本仏教史 4/4~外来思想は日本に根付くか?

日本人の宗教意識-統計に見る奇妙な結果
1988年の日本の諸宗教の信者数である。
神道系 111,791,562
仏教系  93,109,006
キリスト教系 1,422,858
諸教 11,377,217
計 217,700,643
(文化庁「宗教年鑑」平成元年版による)
だがよく見ると、この数字はどこかおかしい。信者数の統計を見ると、2億を越している。そこでもう一つ別の統計を見ていただきたい。これは世論調査から出された数値である。
                日本 アメリカ
信仰を持っている人    33% 93%
信仰を持っていない人  65% 7%
(NHK「日本人の宗教意識」 日本放送出版協会1984)
信仰を持っている日本人は1/3にすぎず、アメリカと比べてみるとまさに無信仰の国と言ってよいほどである。
どうしてこのような奇妙な結果が出るのであろうか。どうやら最大の問題は信者数における神道系の数字にありそうだということは推測できる。神道系のうち、8639万人は神社本庁の信者ということになっているから、これは戦前の国家神道以来の氏神-氏子関係が持ち越されているのではないだろうか。本人の知らないうちに信者に組み込まれているとすれば、いささか恐ろしい気もする。仏教の場合、信者数の統計では9000万を超え、総人口の8割に迫る信者数を持ちながら自覚的な信者は27%にしか達しないところをみるとやはりその食い違いが気になる。信者数の統計には檀那寺と檀家の関係が持ち込まれていると思われる。
そもそも日本の仏教というのは学問的にはなかなか扱いにくい領域です。まず何よりも非常に多面的であり、かつ現代でも生きた宗教ということがあります。例えば、インドの仏教を考えてみますと、確かに仏教発祥の地であり、数多くの仏典もインド起源ですから、仏教の研究をする場合、つねにインドの仏教をおさえておかなければなりません。私たちの研究室では、日本の仏教の研究を専攻する人でも、まずインドのサンスクリット語の習得が義務付けられています
> インド哲学、俗に言う「印哲学科」か…。人気のない学科ということで名前だけは聞いたことがあったのだが、なかなか面白そうな学科じゃないか。
数理研究を進めていていつも行き当たるのは、日本の仏教は数理面の研究だけではごく一部しか解明できないという実態です。葬式仏教と言われるような仏教の実態、あるいは民衆の中に溶け込んだ様々な行事や風習などは、数理的な説明があったとしても建前にすぎず、むしろ日本人の生活習俗が仏教の形を取って現れたという面も少なくありません。例えば、古代の仏教の実態を知るのには、南都六宗の学問仏教も重要ですが、それはしょせん一部のエリート層の営みであり、大多数の民衆とは無関係です。民衆の間で信じられていた仏教の実態は、例えば「日本霊異記」などを読んだほうがよほど生き生きと描かれています。それゆえ、日本の仏教の実態を明らかにするためには、数理や歴史資料のみならず、文学やさらに仏像などの美術の分野も不可欠になります。


日本仏教史 3/4~檀家制度ができた歴史的背景

仏教の真理観
仏教思想の大きな特徴は縁起にあると言われる。縁起というのはあらゆる現象世界の事物は種々の原因や条件が寄り集まって成立しているということで、それゆえにこそ一切万物は変転極まりない、これが無常といわれることである。このように万物が変化し、演技によって成立しているということは、裏から言えば、外に依らずして自存し、永遠に存在するようなものは何もないということである。したがって、縁起の原理は実体が存在しない、無実体であるということに他ならない。またインド哲学の用語では、このような実体はアートマン(我)といわれるので、縁起の原理はアートマン否定ということになり、これはアナートマン(無我)の原理ともいわれる。大乗仏教で主張される空(シューニヤター)も基本的には同じ原理を言っているものである。さて、このような縁起・無実体の原理に立つならば、この現象世界を離れて何か真実の世界があるという考え方は否定される。このことは西洋の哲学と比べると明白である。実体主義の最も典型的な例はプラトンのイデア論に見られる。イデア論によれば、我々が見ている現象の世界はイデアの真実の世界の影のようなものであり、イデアの世界は感覚ではとらえられないものとされる。神を完全な存在としてこの世界を不完全な存在とみるキリスト教の哲学や、またブラフマンを絶対と見る。ヴェーダーンタの哲学も同様に実体主義の立場にたつということができる。これに対して、仏教では現象世界以外の世界を認めない。しかし、現象世界の自体の中に実体が存在すると見る唯物主義とも異なっている。
中国の北方に興り、ヨーロッパにまで攻め込んだ蒙古が、最初に国書を送って日本に迫ってきたのは文永5年(1268)。思想史上でもこの事件は大きな転換点を形作る。第一に、歴史始まって以来の国難はいや応なく国家意識を高め、また日本の神々への関心を高める。神道がはじめて本格的に理論化され、思想界に登場するのはこの頃から建武の中興を経て、南北朝にかけての時代である。それに対応して仏教界でもいち早く日蓮の国家思想が見られ、さらに熊野信仰と結びついた一遍の念仏などが見られる。
第二に、元の興隆と南宋の滅亡(1279)により、中国への留学はもちろん、大陸の新しい動向に左右されることもなくなった点が挙げられる。前代には最も土着的と思われる親鸞でさえ、宋の仏教界の動きに大きな関心を寄せていたが、この時代にはそれは不要であり、不可能にもなって、いや応なく独自の道を探ることになる。
第三に、前代には比較的安定した社会を背景に宗教の問題に沈潜し、思索を深めることができたが、社会の激動に伴い、現実への関心や社会的活動が強くなってきている。日蓮の国家諌暁や折伏活動、一遍の遊行、叡尊・忍性の救済活動などいずれもこうした動向と見ることができる。


日本仏教史 2/4~仏教の発展

どうして膨大な仏典ができたか
仏教がキリスト教などと違う一つの点は、その聖典の分量が膨大だというところにある。キリスト教では、旧約・新約聖書を合わせるとかなりの量になるとはいえ、一冊に収まる程度の量である。ところが仏教では、今日広く普及している「大正新修大蔵経」によると、B5判の分厚い本に三段組みでぎっしり漢文が組まれて全100巻にのぼる。もっともこのなかには中国や日本で書かれた注釈書などまで入っているが、いわゆる経典だけ取り出しても21冊になる。これでは専門家でさえ十分に読みこなしきれない。どうしてこんなにたくさんの経典ができることになったのであろうか。
伝説によると、仏典の編纂作業はブッダの滅後、直ちに開始されたという。十大弟子の一人魔訶迦葉(マハーカーシャパ)は、
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弟子の一人の比丘がブッダが亡くなってこれで自由になれると喜んでいるのを見て、これではブッダの教えは滅んでしまうと危機感を抱き、ブッダの教えを正しく伝えようと決心した。そこで仏弟子たちに呼びかけ、500人の長老たちが集まって、マガダ国の首都王舎城(ラージャグリハ)で集会を開き、ブッダの教えやブッダが定めた戒律を確認したという。ブッダ自身の用いた言語はマガダ地方の方言であるマガダ語であったと考えられるが、初期の仏教では言語を無理に統一しようとせず、各地の方言を自由に用いたようである。そのなかでとくにのちにパーリ語とよばれるようになる言語のものがスリランカに伝えられて、今日に至るまで東南アジアの仏教の聖典とされている。他方、中国に伝えられた原始経典は、聖典を意味するアーガマの音写で阿含経典とよばれたが、小乗経典として低く見られ、近代にいたるまで十分に研究されることが無かった。


日本仏教史 1/4~日本における仏教

日本仏教というのはいささか問題のある言葉で、かつて皇国史観のもとで、「日本」においてこそ「仏教」は最高の円熟に達するとされ、その独自性が「日本仏教」という言い方で表現されたことがある。いわば「日本」と「仏教」とのおめでたい調和ともいうべきものであるが、そんな経緯があるから、どうもこの言葉には抵抗がある。だが、ともかく僕にとっては、おめでたい調和ではなく、むしろ「日本」と「仏教」との相互の居心地の悪さ、どこかしっくりしないところがおもしろいのだ。大体、仏教というのはおかしな宗教で、発生地のインドでは滅びて消えているし、中国や韓国でも滅びはしないまでも、ある時代以降、積極的な思想史的な意味を失ってしまう。キリスト教だって発生地のユダヤ人社会で滅びたではないかと言われるかもしれないが、もともとユダヤ人社会でもそれほど多数を占めたり、大きな影響を残したわけではなかったであろう。ところが仏教はインドでは古代の一代期、思想・宗教界の主流ともいうべき強大な力を誇り、インド最大の哲学者シャンカラ
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でさえ「仮面の仏教徒」といわれるような大きな影響を残している。それがほとんど完全に消えてしまっているのはなぜだろう。中国だって、中世の仏教の全盛期から近世に下ると、仏教にひいきする目から見れば目を覆いたくなるものがある。日本の場合、仏教はかなり強力に生き残ってはいるが、近世以後、思想界の主流としての力は持ちえなかった。もちろん、チベットや東南アジアのように仏教の定着した地域もあるのだから一概には言えないが、どうも仏教には定着しにくい一面があるような気がする。例えば、「空」という発想にはどうにも落ち着きの悪さがある。「空」は「有」として安定することへの絶えざる否定であるから、定着することをはじめから拒否している。


変な記事、所得税と消費税、どちら選ぶ?(風)

まず日経新聞の記事原文だが…、

所得税と消費税、どちら選ぶ?(風)
2016/02/02
 「所得税と消費税、どちらを選ぶ?」。行動経済学の分野で、こんなテーマの経済実験が進んでいる。実験に取り組むのは大阪大学大学院の黒川博文氏(日本学術振興会特別研究員)らだ。
 阪大生105人を5つの所得グループ(1600円から4500円まで5段階)に分け、所得のすべてを消費に使うと設定。被験者は所得税率と消費税率の組み合わせに対し、好みの税を選ぶ。
 実験結果は「所得税20%、消費税25%」の組み合わせでは所得税を選ぶ人が多く、「所得税20%、消費税22%」でも所得税を選ぶ人が多かった。
 所得1600円の人は所得税額がいずれも320円。消費税額は税率25%で320円。1280円の商品を購入し、25%(320円)を納税して1600円を使い切る計算だ。同様に税率22%では消費税額は約289円。消費税額が所得税額以下なのに所得税を選ぶ人が多かったことになる。
 一方、消費税の計算方法を尋ねると、正しく理解していた人はわずか約2割だった。黒川氏は「所得税が好まれたのは消費税額の誤計算。見た目の税率の大小で判断していることを示唆している」という。
 経済社会では見かけの数字に惑わされる例がほかにもある。例えば所得控除と税額控除。岩本康志・東大教授は「所得控除は税額控除より金額のケタが大きいが、必ずしも効果が大きいわけではない」と指摘。そのうえで「所得控除は税率の高い人の減税額が大きくなる。高所得者には恩恵が大きいが、低所得者には恩恵が小さい」と話す。
 見かけに惑わされず、実態に即した行動や政策判断が大切だといえる。(経済解説部 福士譲)

何言ってんだこれ? 変な記事だと思わなかった? 俺はネットの日経新聞記事だから、紙の日経新聞オリジナルには、ちゃんと載っていたのかねぇ?
所得が1600円?
所得のすべてを消費に使うと設定? だったら、消費税も所得税もクソもねぇだろが
あまりにも変な記事だったので、「黒川博文 所得税と消費税、どちらを選ぶ?」でぐぐってみると…、
所得税と消費税の好みに対する選択実験
http://www.abef.jp/event/2015/pdf_abst/E2.pdf
というオリジナルがすぐに出てくる。思った通り、オリジナル論文は、筋が通っていてわかりやすい


シャープ「液晶敗戦の教訓」 3/3~仕組まれた価格破壊

イオンが売り出した「5万円テレビ」の衝撃
「32インチが5万円以下!」 シャープの亀山工場が稼働する前の2009年2月、流通大手のイオンが15000台限定で32インチの薄型液晶テレビを売り出した。イオンの5万円テレビは「ダイナコネクティブ」という東京のベンチャー企業がつくった。同社は大学卒業後に韓国から来日した金鳳浩氏が、2002年に立ち上げた会社で、従業員数25人のファブレス企業だった。「ファブレス」とは、製品の企画設計や開発は行うが、製品製造のための自社工場を持たない企業を言う。電機業界では1990年代に分業化が始まり、自社では生産設備を持たないファブレス企業や、ファブレスとは逆に他社から半導体チップの製造の受託生産を専門に手がける「ファウンドリ」と呼ばれる企業が次々に誕生した。また「EMS」(electronics manufacturing service)と呼ばれる企業では、家電製品を組み立てる受託生産を幅広く展開している。
「モジュール」は「すり合わせ」の対極概念
5万円テレビの事例では、液晶パネル、光学部材、バックライトについても標準的な仕様で大量に生産された汎用部品を用いる。テレビの映りを左右する中核部品にも汎用部品を用いる。信号処理基盤やテレビチューナも、異なる会社の汎用部品を力技で組み合わせる。大企業ではな考えられない設計だ。大企業の場合は、「専用部品」を用いて、一体の基板として、自社で設計・生産するのが普通だ。これは、テレビの画質の良さや組み立てやすさを追求するためである。汎用部品はモジュールである。モジュールを寄せ集めるとシステムができ、微調整は必要ない。「すり合わせ」は相手の状況を読みながら微調整を繰り返す方法だが、モジュールを使ってものづくりをする場合は、すり合わせはまったく必要ない。つまり、モジュールとすり合わせは対極の概念である。


シャープ「液晶敗戦の教訓」 2/3~亀山工場と堺工場

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新竹サイエンスパーク(新竹市東区)は、台湾のシリコンバレーとも言うべきハイテク企業の集積地である。パーク内には、国立研究所である工業技術研究院(ITRI)や、交通大学や精華大学などをはじめ、半導体の前工程だけを受託する世界最大のファウンドリ事業を展開する台湾積体電路製造(TMSC)、世界有数の液晶メーカーである友達光電(AUO)等がある。もちろん、日本のハイテク企業、アメリカのハイテク企業も、ここに台湾での拠点を持っている。広さは約8平方キロメートルでここに約400社があるので、シリコンバレーよりも面積当たりの企業の密度が高い。またITRIか海外に行ってITRIに戻ったり、ITRIから民間企業に移動するといった人の流動性も、シリコンバレーより高い。そのため、この章でテーマとしてきた技術流出も起きやすい環境にあると言える。ITRI出身で、パーク内を案内してもらった技術者はこう言った。
ここでは情報の秘密保持は不可能です。すぐに漏れます


シャープ「液晶敗戦の教訓」 1/3~すり合わせ不要のモジュール化

ものづくりには、個別企業の経営戦略、経営者の経営判断とともに、その国の経済を形成する各種産業の比重や仕組や関係、つまり「産業構造」の変化が大きく影響する。産業構造からみた、日本のものづくりの強みは、よく言われているように「すり合わせ」にある。すり合わせとは、企業間でお互いに技術を共有して相手の状況を読みながら微調整を繰り返す方法だ。日本企業は、このすり合わせにより、高度・高品質な技術を取り込んだ製品を市場に次々に投入して、事業を拡大してきた。そして、それによって、数多くの成功体験が蓄積された。
ところが、このやり方が時代に合わなくなった。本書中で詳しく述べるが、「すり合わせ」をしなくても完成品がつくれる「モジュール化」の時代が到来したのに、日本の電機産業はその対応に遅れてしまった。国内ですり合わせをやりすぎて国内市場に過剰適応してしまった結果、ものづくりが「ガラパゴス化」してしまった。「良い製品を作れば売れる」という時代は終わった。技術をとことん追求し、それを過度に崇拝するだけでは、グローバル競争に勝てない。結果的に、日本市場だけを相手にして、グローバル市場を目指す韓国、台湾、中国などの企業に勝てなくなってしまった。つまり、一言で言うと、「急速な産業構造の変化に日本企業は対応できなかった」ということが、日本の「ものづくり崩壊」の原因である。
モジュール化により日本勢の優位は崩れた
米国グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」と、スマホの基本機能を満たす1個の半導体、液晶パネルを組み合わせれば、スマートフォンはできあがる。アンドロイドはグーグルによって主に携帯情報端末向けに開発されたOSである。ライセンスフリーといって、だれでも自由に使用できる。このためアンドロイド搭載機種は、2014年、世界シェアの85%に達して圧倒的な勝利を収め、いまや世界標準となっている。基幹部品のような一つのまとまりを、経営学では「モジュール」と呼んでいる。こうしたモジュールを組み合わせれば、スマホなどの機器は誰でも生産できる。いま世界のものづくりはモジュール化へと大きく変化した。
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そこで多くの人が疑問を抱くのは、「シャオミのスマホは安かろう悪かろうではないのか?」ということだ。しかし、そうではない。優秀なエンジニアたちが、深い技術知識を基に、自ら必要な最先端部品を調達している。シャオミは、アップル、サムスンより規模が小さいため、部品量も少なくてよく、小回りが利き最先端部品を調達できている。また驚くべきことに、主要部品をすべて公開している。顧客に情報公開することにより、最先端部品を使用していることをわかってもらい、顧客に安心感と他社より価格が安いことをアピールしている。サムスンと同等の仕様でサムスンの半値という、コストパフォーマンスの高さを誇っている。古い体質の企業は、こうした情報を企業秘密として扱うので、シャオミのやり方についていけない。