「日本のいわゆる政党なるものは私利私欲のために集まった徒党である。主義もなければ理想も無い。外国の政党には歴史がある。人に政党の主義があり、家に政党の歴史がある。祖先はその主義のために血を流し、家はその政党のために浮沈した。日本にはそんな人間もそんな家もそんな歴史もない。日本の政党は、憲法政治の迷走から出来上がった一種のフィクション(虚構)である)」
藩閥論
「藩閥はすでにシャドウ(影)である。実体が無い」
ついでながら小村は日向飫肥藩の出身で薩長人ではない。
「ところがフィクションである政党とシャドウである藩閥とがつかみあいのけんかをつづけているのが日本の政界の現実であり、虚構と影のあらそいだけに日本の運命をどう転ばせてしまうかわからない。将来、日本はこの空ろな2つのあらそいのためにとんでもない淵におちこむだろう」
小村は、藩閥と党閥が国家を滅ぼすということをつねに言った。それだけではない。
「自分は国家だけに属している。いかなる派閥にも属しない」という立場をつねに明言しつづけた。
坂の上の雲二 6~小村寿太郎の政党論
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