シンガポールの生活について、書こうと思って書き出したら、最初から最後まで悪意ある偏見に満ちた文が出来上がってしまった。偏見とはいえ、シンガポール政府発表の数値に基づく、シンガポール市民99.9%は該当する偏見だ。なので全くの嘘ではないw しかも、内容が結局、税金の話で、生活にほとんど触れていない。ごめんごめん、別に隠してるわけじゃないのだが、生活に関心がないから、どうしても内容が・・・。
自分はシンガポールに対する「愛」が無い、と「アジアに対する愛に満ちた後輩」と行動を供にすると改めて思いました。8月9日はシンガポールの独立記念日でしたが、シンガポールにかれこれ、8年も住んでいるのに、独立記念パレードなど、見に行ったこともありません。今年も8月9日は特に用事もなく暇なくせに「パレード見に行きましょう」と言われても、「う~ん、どーせ人混みだし・・・」と消極的。
「せっかく自分が住んでいる国なのだから、高い関心を持って、積極的な生活を」
という彼の主張も、もっともなので、初めてNational Dayのイベントを見に行きました。シティホールの駅は赤い服を着て、ちんたら歩く民に溢れ、私は居るだけで嫌悪感でいっぱいでしたが。国としての権威を示すための軍事パレードは、「俺の会社」、この「の」は所有格の「の」だからね、ロッキードマーチン製のF16がいっぱい飛ぶので、いささか機嫌が良くなりました。シンガポールは国家予算の歳出のうち、3割教育、3割不動産開発、3割が軍事費です。日本の国家予算と比べると鼻毛のような金額、ざっくり5兆円と思ってもらってよいです。なけなしの国家予算の3割を、俺の会社の製品の購入にあてていると思えば(実際には軍事費のうち、F16の購入代金はかなり少ないはずだがw)、シンガポールの納税者の皆さん、俺のためにどうもありがとう、これからも労働と納税にいそしんでくれたまえ。と思える。
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しかしながら、パレードを見学している、赤いTシャツを着たシンガポールの民は、シンガポールの国家予算にはほとんど貢献していない。「シンガポールの世帯収入のメジアン(中央値)は月額7000SGD程度」である。「月収63万円か、けっこう良いじゃん」と思うかもしれないが、これには誤解しやすい単語が2つ含まれていて、1つは、中央値なので、平均値にすれば実は月収はもっと高い。2つ目は、「世帯収入」で、シンガポールは共働きが基本なので、個人収入に直すと、月収は半分の32万円程度になる。またボーナスはダブルペイ、ある月に2倍払う、というのが標準的だから年収=月収×13で、416万円(45,000SGD)ほどとなる。
年収45,000SGDの民の国家貢献、すなわち所得税だが、まず基礎控除が20,000SGD、配偶者控除が2000SGD、子供控除が一人につき4000SGD、給与所得者控除2000SGD、年金控除が8000SGD程度で、独身であっても、課税所得は15,000SGD、子供が二人居れば5,000SGDとなる。なので、独身者のグロス所得税額400SGD、子供二人世帯はなんと100SGD、しかも税額控除で半額なので、
所得税額の中央値は、独身者は200SGDと子供二人世帯は50SGDとなる。所得税率に直すとそれぞれ0.4%と0.11%だ
しかも、所得控除は他にもあり、シンガポール人が対象になりそうなのは、両親控除で、この驚愕の所得税額より、さらに下がる。ふざけてるよなぁ・・・。シンガポール人400万人のうち、高めに見積もって6割が労働しているとして、100ドルの所得税を払っているとしたら、大体、約200億円。国家歳入の5兆円の1%にも満たない。な、コイツら税金納めてないって言っただろ?