旧ソ連では、中央集権的な計画化経済のもとで小売価格は原則として全て国が定めた公定価格であった。食料品や家賃は非常に安価に、教育や医療は原則として無料、衣料品や耐久消費財は極めて高価に定められていた。社会主義の下で、富の分配の平等が公には掲げられていた。そして人々は、その理想は実は偽りで、共産党幹部をはじめとする一握りの特権グループに権力と富が集中する一方、働いても働かなくても同じ、という悪平等が支配していることを知り尽くしながらも「親方赤旗」の下での安逸の日々を送ってきた。