今日は・・・万里の長城です。けっこう歩くことになりそうなので、昨日は手を抜いたのです。朝、既に足が痛い・・・。おっさん、体弱いな、クソー。
まずは地下鉄2号線で西直門に向います。そこから汽車です。その前に腹ごしらえ。小龍包(ただし、いわゆる小龍包ではなく北京風のミニ肉マン)5元で7-8個入っている(ただし量としては1人前弱)のですが、うまーい!　適当に入った店なのですが、気に入りました。
さて、汽車の切符を買うために並びます。列が全然進まない。なんとまだ切符を売っていないのだという。売り始めたら列はまたたくまに短くなりすぐに買えました。私たちが並んでいた列は万里の長城行きの汽車S2乗車券売り場なので、行き先を言わず、人数だけ言うとチケットをくれるというルールのようです。この辺りもレイちゃんなしではかなり戸惑う状況ですが、我が軍は最強です。1時間近くの距離ですが、驚愕の6元!　安いっ!　割安すぎる!
汽車の先頭には胡錦濤の目指した政治、「和階」と書かれている。(正式には階は中国の漢字)。「和階」という言葉は若者の間で流行しており、これを書いてネットに画像などをアップすると中国政府に削除されることから、「抹消される」＝和階するぞ　というような隠語・ネット用語として使われているようだ。日本語で言うところの「友愛するぞ」＝「殺すぞ」、みたいなものです。中国からの読者もゼロではないので、中国政府に抹消され、中国のアク禁サイトになりたくないので、日本式の漢字なら大丈夫だとは思うのですが・・・
パンダグラフが付いていないことから、確かに汽車と呼べそうなのですが、D51のように煙がモクモクということもなく、汽車の動きはきわめて滑らかで安定的で、冷房も効いており、乗り心地は”電車”と変わりません。動力は電気のように思えるのですが、どうやって動いているのか分かりませんでした。レイちゃんがはっきりと「汽車」というのが、また中国人の渋さで、妙なところ正確。日本人だったら絶対に電車に乗ると言ってしまう。
駅から万里の長城の入口まで歩いて15-20分ほどでしょうか。綺麗に道路が舗装され、ケンタッキーからサブウェイまである普通の町並みです。歩きながら一服しての開口一番「空気の味が変わった」　私は愛煙家ですが、ウイスキーの水割りの要領で、タバコの空気割りなので、タバコを吸っていると空気の味の変化に敏感になります。本当です。よくあるのは飛行機を降りて吸う最初の一服で、その国の臭いを感じ取るのです。しかし、国内移動でも、たった1時間汽車で走っただけでタバコの味が変わるのです。おそらく北京の空気は汚いのでしょう。シンガポールのような狭い国でも街中で吸うたばこと、ジャングルで吸うたばこは味が変わります。

(きっちりと写真に中国国旗を入れるアングルで撮ってくる辺りがレイちゃんの愛国心の表れです)
万里の長城のチケットは25元です。チケットには、Badaling －　The Great Wall of China　と英語で書いてある。壁じゃねぇから。長城なんだよ!見かけは確かに壁なものを長城と表現するところが中国の正確さと豊かさであり、一方、城でありながらもその規模はあまりにも大きく壁のように見えるガサツさが、また中国の魅力です。

万里の長城＝秦の始皇帝と思っていましたが、起源は春秋時代からのようです。総延長6000kmもあるようで、6000kmのうちの2kmほど歩いておきました。上りはかなりつらく、急な階段なので、時間がかかります。

八達嶺の長城は明の時代に作られた新しいもののようです。世界最大の建造物とよく記述されますが、経済史的に表現するならば、時間と規模を掛け算すれば、世界最大・最古の公共事業と言って良いでしょう。写真・動画では面白くありません。実際自分の足で歩くと、その大きさが身にしみてわかります。キツい・・・。全部歩いたら1年以上かかる建造物ということですよ。作るのにも2000年近くかけて作っているわけですがね。

北京と標高がそんなに激しく異なるとは思えないのですが、何故かとても涼しく、砦の中、つまり日陰にいると、天然の風のクーラーがとても心地よいです。また緑に囲まれた風景が心を和ませ、とても良い気持ちです。ですが行軍の過程がかなり急なので高所恐怖症の人にはお勧めできません。

また八達嶺は観光用に手すりがあったり、裸足でも歩けるように綺麗に舗装されており、伝統・歴史的な古さはあまり感じられないので、そういうのを感じたい人はもっと西の原始的な万里の長城を見た方が良いでしょう。朝から足が痛かった私も体力の限界を感じ、1時間も進軍しないうちに撤退したのが残念です。レイちゃんおっさんでごめんね。
毛沢東の言葉　不到長城非好漢 長城にいたらずは、好漢にあらず

おしっ、長城に至ったので俺も良い男!　ブブー、逆は必ずしも真ならず。ちっ、数学はいつも正しいな。
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