イヤイヤ、やっぱり物価も高いし、購買力平価で計れば日本は決して豊かではないんだという反論もあるでしょう。
また引用しましょう。大前研一 ロウアーミドルの衝撃より
ロウアーミドルの時代に企業が打つべき手を検討してきたが、最低限求められるのはセンスの良い商品を低価格で提供することである。しかし、日本企業のほとんどはそれに耐えられるだけのコスト構造を築けてはいない。その主な原因は行政による規制、そして日本独自の流通システムにあると考えられる。日本では製造原価の安い海外で生産しても、日本に持ってくる時、商社が入り、国内にもってきてからも流通業者が入り、場合によっては卸が間に入る。これでは消費者が良い製品を安く買うことなどできない。じつはユニクロが急成長した理由もここにある。ユニクロは中国で生産価格1050円のフリースを日本に持ってきて1900円で売り350円儲かる直販の仕組みを構築している。同じものを作っても大手スーパーなら3900円とか4000円で売らなければ利益が出ないだろう。
いやー、良い例ですね。ユニクロですか。私も同意見ですね。商社にお勤めの方、あるいは商社株をお持ちの方、存在意義を教えて欲しいです。
この流通改革だけでなく、本を通して、ボーダレス化・サイバー化で、規制撤廃・道州制と小さな政府をというよくありがちな主張をしています。
国が無駄遣い、生活保護はけしからんとよく言われていますが、本当の競争社会、無駄のない効率的な社会が実現したら、国民の8割は年収80万円以下の貧困層になります。中産階級で踏みとどまれる人はわずかに2500万人です。確かに大前研一さんの言うとおり、年収400万円でも立派なブルジョアジーで、がんばれば車が買えちゃうという、神様のような生活ができます。ボーダレス化とグローバリゼーションにより効率的になり、世界標準に近づいていくとしたら、この日本人には信じらないような貧困層と中産階級の格差は、実は世界で標準的な格差(分布)ですから、今現在はそれよりも格差は遥かに弱いということが先日お伝えしたかったことです。
しかし、忘れてはならないのは、民は、国家や企業の無駄遣い(規制や非効率性)によって、中産階級にとどまることができているということです。ベーシックインカムの導入を議論している人も居るようですが、もう導入済みです。(笑
給料が上がらない、政治が悪いなどと不平を言っている民は改めて、雇用主や国家の所得再配分に感謝したほうが良いのです。その再配分を少し変えるだけで、文句を言っている民の80%が、インドや中国、そして世界標準と同じ「貧困層」になることを忘れてはいけません。私は日本の非効率な分配制度を支持します。世界で稀少な所得分布を、ずっと見続けたいからです。その制度が維持できるのか? それで成長ができるのか? そんなことはわからないし、それを机上で予想し論じることには、興味もありません。その特異な分配制度の根源にある日本人の共和・協調精神は素晴らしいし、独自性があります。その非効率性が独自な競争力になりうるし、ボーダーレス時代の最良の選択肢ということも否定できないと考えているのです。
日本人の偏見はさまざまな分野に浸透している。例えば東京の住宅価格はなぜか東京の東側よりも西側の方が圧倒的に高い。大手町からの所要時間で比較すると西へ15分いくと青山や六本木あたり、もう少し離れても代官山あたりでいずれも超のつく高級地である。ところが東へ15分ならば東陽町とか木場で、地価も家賃も西側の半分どころか1/4になってしまう。首都圏の路線価格表は偏見マップのようなものだ。中央線沿線も高級住宅地と言われているが、あの通勤地獄を見れば「高級」とはお世辞にも言えない。
私も同意見だったのですが、震災後の今となっては液状化がどうのというのは東側が深刻だったのではないかと推測します。また通勤地獄が土地の価値に与える影響は思うより少ない気がします。なぜならば家を買いたがるのは女、つまり奥さんだからです。「だって私はほとんど家にいるんだよ、私の言うことも聞いて」という会話が少なからずあると聞いています。東西の不自然なまでの価格差は、通勤地獄なんて関係ない主婦によって需給が作られている影響が小さくないことの証明でしょう。
日本の消費者は無意味なことにこだわって自分の首を絞めている。たとえば、苺の粒が揃っていなければ買わないなど、味とはまったく別の次元で商品を選択し、結果的に商品の価格を高くしてしまっている。サクランボやメロンを桐の箱に入れて売っているのも日本だけだ。せんべいなども多重包装されている。ゴミ箱に捨てるものにも金を払うという神経も日本ならでは特異現象だ。最近は無農薬野菜がもてはやされているが、出回っている無農薬野菜の多くは、農薬指定されていない他の薬品を使って栽培しているに過ぎない。本当に無農薬で栽培するとスーパーでうられているようなまっすぐなキュウリやトマトは作ることができないからだ。
これ、俺が言ってるんじゃないぞ。大前研一の本の写しだ。コピペして世論にしておいてくれ。
ロウアーミドルの衝撃 大前 研一 講談社 2006-01-26 |
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