国民の豊かさを示す指標として、よく使うのは、平均所得と一人当たりGNIですが、データがとりやすいという理由だけで、一人当たりGDPを使っても、桁は変わらんだろうということで、それで計算してみましょう。
世界で見た場合、一人当たりGDPは9,000USDです。
で先日、年収80万円=10,000USD以下の人を貧困層として定義してみようということでした。既に50%を越える人が貧困層だということは確定です。
一人当たりGDPが10,000USD以下の国の人口を数えて近似してもいいのですが、分布も若干は考慮したいので、上位10%の所得占有率を使って、上位10%と下位90%の一人当たりGDPを計算してみました。中国も上位10%は14,505USDあるので、貧困層ではない、下位90%は3,257USDなので、中国の90%、12億人が貧困層と、かなりいい加減な近似をしています。
ちなみにこの計算ですと、インドは全員貧困層になるわけですが、確かにあの町を歩くと、ほぼ全員貧困層に見えるので、感覚的にはしっくり来ます。アメリカには貧困層が居ないことになってしまい、この辺りが、ちょっといい加減すぎる推定なのですが・・・
要は・・・80%が貧困層に相当しそうだということが推測できます。
ですから、例の所得による分類というのは、常識的には以下のようになります。
日本の一人当たりGDPは・・・42,783ドルもある!! 日本の下位90%は37,221ドルです。平均とほとんど差がありません。ちなみに下位90%が日本より高い国はカナダ38,586ドルだけです。オーストラリアやルクセンなどもおそらく高いのですが、人口が少ないので、今回は無視しています。
絶対的な数値のレベルから見ると、日本には貧困層はいない。路上生活者の方がいらっしゃるので、収入は10,000ドルに満たないと定義上は貧困層ですからゼロというのは間違いです。ただ、いない推定としているこのモデルは、直感的に納得できます。麻薬や武器を売っている子供や、寒空の下裸足で物乞いをする幼児、舗装されていない土埃舞う道路に赤ちゃんが置いてあったりする風景を日本で見ることは難しいです。本当の貧困で犠牲になるのは力のない子供です。
ではもう少し身近な例で、こういうことがありました。フィリピン・パブにて・・・
ピーナが私の手を取って言いました。
ピーナ「見てよ、苦労の無い手。彼は働いたことがない!」
わたし「いや、毎日働いてるよ。ではお前の手を見せてみろ。」
ピーナ「私の手は・・・」
と言って恥ずかしそうに手を隠しました。おそらくフィリピンの奥地の農村で小さい頃から農作業を手伝わなければならない環境に育ったのでしょう。現代の日本で、手に苦労が表れている若い女性・・・発見するのはとても難しいと思います。
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