最近、日本市場では日経レバ2のETFが売買代金トップとなっているようだ。市場としての品位と参加者の質がうかがいしれる状態だが、フォローするならば、デリバティブと株の損益通算ができないという税制も、日経レバ2の流動性を後押しする要因となっているだろう。
規模が大きすぎて、1570の先物売買が市場を左右することもあるらしいが、今回はその話ではなく、
1570のフォワードそのものがいくらで取引されるべきか? という哲学的w な問題に切り込もう
「フハハ。フォワードなのにガンマありそうだな。面白い話題だとは思うが、これを論じたところで理解できるヤツがおらんだろう」 という私に対して
「10人くらいは居るんじゃないですかねぇ? 正解は無いと思うのですが、1570アンダーライングのデリバティブをブックしてみれば、どう管理するかは必ず対処はしなければならない問題です。この話題の供給者はゼロなので、たとえ10人しか理解できる人がいないとしても、需給のバランスは良いはずです」
と説得されたのでw 一筆書いてみることにしよう。
1570アンダーライングのデリバティブを1570アンダーライングとして認識する、すなわち1570でヘッジする場合は、
分配金のみをキャリーコストとして差し引いてフォワードを計算することになろう。ただ、1570は中身が先物で配当が無いので、分配金も存在しないようだ。
しかし、ポジションが大きい場合、これではあまりに不本意すぎる…というのがトレーダー諸君らの悩みどころだろう。
1570アンダーライングのデリバティブを日経225アンダーライングとして認識する、すなわち先物でヘッジする場合について考えていこう。
日経225のキャッシュプライスSに対して、まず考えると
ドリフト項:リスクフリー×2-配当率×2-信託報酬
拡散項:2σ
信託報酬も引いてよいと思う。だが、問題は、既に当ブログでも取り上げている日経レバ2が本質的に持つガンマロング性の評価をドリフト項にどう加えるかである。
2014.04.25 素人がハマっている必負法 1/3 ~日経レバ2の行く末
日経225のボラティリティ、ここではインプライドボラティリティの解釈で良く、それをσとする。運用会社はデイリーでリバランスするので、 簡単なケースとして、ある日+1σ、次の日-1σ動いたときの、引け値で取引したと近似してポジションと損益を実際に計算してみよう。

株価	ポジション
1	2 
1+σ	2+2σ
1	2

1日目の損益は {(1+σ)-1} × 2 = 2σ
2日目の損益は {1-(1+σ)}×(2+2σ)= -2σ-2σ^2 2日間の損益は-2σ^2となるので、1日あたりの損益は-σ^2となる。
では、連騰相場

株価	ポジション
1		2
(1+σ) 	2+2σ
(1+σ)(1+σ)

2日目の損益 {(1+2σ+σ^2)-(1+σ)}×(2+2σ)=(σ+σ^2)×(2+2σ)=2σ+2σ^2+2σ^2+2σ^3=2(σ+2σ^2+σ^3)
次、続落

株価	ポジション
1		2
(1-σ) 	2-2σ
(1-σ)(1-σ)

2日目の損益 {(1-2σ+σ^2)-(1-σ)}×(2-2σ)=(-σ+σ^2)×(2-2σ)=-2σ+2σ^2+2σ^2-2σ^3=-2(σ-2σ^2+σ^3)
連騰と続落の場合の2日分の損益を足せば、8σ^2、一日当たり+4σ^2となり、連騰や続落相場では有利に働く効果がある。
これをn日分、50%-50%でやるのかリスク中立確率でやるのかは諸君らに任せるが、これだけ引けばいいんじゃないの?
連騰相場では1570の持つガンマロング性が、S^2のPower Forwardのごとくに効いてくるので、デルタヘッジをしているトレーダーを悩ませているポイントは、Forward値よりも、このデルタエクスポージャーのブレにあることだろう。書きながら思ったのだが、その観点ではS^2のデリバティブとして処理するのが一番楽かもしれないな。