ドイツ政策の4つの道 (国家が生き残るための条件)
1.フランスの手本に従って、出生の増加を人工的に制限し、それでもって人口過剰に対処することができた。
2.国土開発、土地の収益力は一定限度まで引き上げることができる。しかしただ一定の限度までであり、無限にということではない。一定の期間人々は、かくして我が国土の利用度を増すことによって、飢餓の危険なく、ドイツ民族の増加の困難を防ぐことができるであろう。しかし生活上の要求は一般に住民数よりも急速に増加するという事実が、これに対立する。衣食に関する人間の要求は、年々大きくなり、今日でもおよそ100年前の我々の祖先の要求とは比べようも無いほどの状態になっている。だから生産の増加が人口の増大のすべての前提を果たした、と考えるのは誤りである。他の人種がこの地上の大きな面積にしがみついているときに、もしある民族が国土開発にとどまっているならば、ある時期になると他の民族がたえず増加し続けるのに、自己制限することを余儀なくされるだろう。遺憾ながら、総じて最善の国民が、唯一の新の文化的人種、、あらゆる人種の進歩の担い手だけがその平和主義に幻惑されて、新しい土地獲得を断念し、「国土」開発で満足することを決意しているが、しかし劣等な諸国民が、この世界の巨大な生活圏を確保することを知っているからこれは次のような結果に導くであろう。
文化的には劣っているが、生来より残忍な民族は、最も大きな生活圏を持っているためにその位置でなお無限に増加を続けることができるのに、文化的には優れているが英慮勝ちな人種がその制限された土地のためにいつかはその人口増加を制限せねばならないのである。そこでなお遠い将来のことではあるが、ただ2つの可能性だけが残る。世界は我が近代民主主義の観念にしたがって、すべての決定が数の上でより強い人種のために有利な結果に終わるか、あるいは世界は自然的な力の秩序の法則によって支配され、その場合、残虐な意思を持つ民族がかつことになり、自制する国民が敗れるかである、しかしこの世界がいつかこのうえも無く激しい人類の生存の闘争にされされるだろうことは、誰人も疑うことができない。最後には自己保存欲だけが、永遠に勝利を閉める。永遠の闘争において人類は大きくなった、永遠の平和において人類は破滅するのだ。
3.過剰な幾百万人を毎年移住させるために新しい土地を手に入れ、そして自給の原則でずっと国民を養っていく
4.外国の需要に応じて商工業を起こし、その売上高によって生活をまかなっていくか ← 日本、いまここ
今日ヨーロッパ諸国の多くは、ピラミッドを逆さにしたに等しい。そのヨーロッパの底面は、植民地、外国貿易等におけるほかの重荷に対して笑うべきほど小さい。ヨーロッパに尖端があり、全世界に基底があるといってもよい。規定をなお自己の大陸に持ち、そしてただ尖端のみが他の土地に触れているアメリカ合衆国とは違うのである。それゆえにこそ、この国は未曾有の国内的な力を持ち、ヨーロッパの植民地国家がたいてい脆弱なのである。イギリスもまた例外ではない。人々は大英帝国を見る場合、そもそもアングロサクソン系の世界そのものを見ることを簡単に忘れる。イギリスの地位は一人でアメリカ合衆国と言語上、文化上で共同しているためにそれでなくてさえ他のヨーロッパの国々とも比較されえないのである。それゆえドイツにとって健全な領土拡大政策を実施する唯一の可能性は、ヨーロッパ自体の中で新しい土地を獲得することだけにあった。
人々がヨーロッパで土地と領土を欲するならば、その際は大体においてロシアの犠牲でのみ行われえた。ヨーロッパには唯一つの同盟国があった。すなわちイギリスである。イギリスと結んでのみ、背面を保護されて、新しいゲルマンの行軍をはじめることができたのである。イギリスの好意を得るためには、だがどんな犠牲でも大きすぎることがあってはならなかった。植民地と海上勢力を断念し、そしてイギリス工業に対して競争をさしひかえるべきだった。この意味でイギリスがわかりがよかったならばその時期があったのだ。ドイツが時刻の人口増加のために何かある打開策を探さねばならず、そしてイギリスと結んでそれをヨーロッパに求めるか、あるいはイギリスと結ばずに世界に求めるかを、イギリス人は非常によく理解していたのだからである。
総督が、不毛の大地ヨーロッパを憂いておる。地中海に海岸線を持つ西ヨーロッパはともかくも東ヨーロッパは悲惨だな。ウクライナやカザフでは小麦が取れるらしいが、米や野菜が豊富に取れるとは思えないな。ロシアの犠牲とは、ヨーロッパをロシア東部やカザフまで含めて定義し、EU圏とロシア圏の勢力争い、つまりドイツより東にどこまで侵攻できるかということを言っている。
国際連合統計局の分類
東ヨーロッパ:ウクライナ、スロバキア、チェコ、ハンガリー、ブルガリア、ベラルーシ、ポーランド、モルドバ、ルーマニア、ロシア
アメリカ中央情報局(CIA)の分類
東ヨーロッパ(東欧):ウクライナ、エストニア、ベラルーシ、モルドバ、ラトビア、リトアニア、
南東ヨーロッパ(南東欧):アルバニア、クロアチア、コソボ、セルビア、ブルガリア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、マケドニア、モンテネグロ、ルーマニア、
あら・・・東欧言うたら、ポーランド、オーストリア、チェコ、スロバキア、ハンガリー、ブルガリア、ルーマニアだと思ってたけど、俺の勝手な勘違いだったようで。旧ロシア圏が東欧なのか・・・
国家と経済 (ここ日本人には重要部分)
全民衆に「経済的制覇」というナンセンスなことを実際政治の方策として、その反面「世界平和」の維持を政治の目標として全民衆に提示し、おまけに理解させることについては、我々すべての政治思想が一般に不健全であったことにかなり深い原因があった。国家は特定の経済観や経済的発展とはまったく無関係である。国家は経済的課題を実行するために、ある一定の制限された生活圏に経済的な契約者をまとめたものではなく、種の発展維持をいっそう可能ならしめ、摂理によって規定された自己存在の目標を達成するための心理的、精神的に同一な生物の共同社会組織である。国家の目的と意義はこれであって他の何者でもない。そのさい経済はこの目標を達成するためにまさしく必要な補助手段の一つに過ぎない。経済は、国家の原因でもなければ目的でもない。国家それ自体は前提条件として領土的境界を持つことを決して必要としないということは、これによってのみ明らかにされる。これは自ら種族同胞の扶養を確保しようとし、自己の労働によって生存競争を戦い抜く覚悟がある民族によってのみ必要とされる。雄バチのように他の人類の中に忍び込むことができ、あらゆる口実をもうけて人類を自己のために働かせるような民族は、独自の一定の境界を持った生活圏なしでも国家を形成することができる。このことは第一に、その寄生性のためにとりわけ今日、正直な全人類が悩んでいる民族、すなわちユダヤ民族に当てはまるのである。
ユダヤ国家は地域的に一度も境界にあったことが無く、地域の上では普遍的で際限無く、ただ人種の集合という点に制限があっただけである。それゆえこの民族はいつもまた国家の中に一つの国家を形成していた。この国家を「宗教」として航海させ、かくしてアーリア人種が宗教上の宗派と認める心構えの寛大さによって自己を安全なものにしてきたことは、まだ見たことの無い最も天才的なトリックに属する。というのは事実上モーゼの宗教は、ユダヤ人種保存の教説に他ならないからである。それゆえこの宗教は、一般にユダヤ人種保存のためにだけ問題になりうる社会学的、政治的な、同様に、経済的な知識分野をほとんどすべて包括しているのである。
人間が共同社会を形成した最初の動機は、種の保存の衝動である。しかしながら、それと同時に国家は民族的な有機体であって、経済的組織ではない。種の保存と維持は、各人の献身に進んでおもむく覚悟を前提としているからである。種の保存を確保するために個人の存在の献身が必要だということになる。
国家を形成したりあるいはまた国家を維持するだけの力とは現実になんであるか、と問うならばそれを2,3の言葉に要約しうる。すなわち全体のために個人を犠牲にする能力と意思である、と。この徳が経済となんら関係ないことは、次の簡単な認識から推定できる。人間は商売のために死ぬものではなく、ただ理想のために死ぬものだということである。イギリス人が民衆の心を認識する上で心理的に優れていることは彼らが戦う場合に与える動機付けを知ること以上によく示してくれるものはない。我々がパンのために戦っているのに、イギリスは「自由」のために、それも自国民のためでなく、そうだ、小国の国民のために戦ったのだ。
【戦争論・兵法】
2013.02.13 巨いなる企て 4/4 ~伏見の政治と軍事
2012.08.01|マキアヴェッリと君主論2/4 ~性悪説的君主論
2012.05.16|攻撃計画 ブッシュのイラク戦争1/2~準備
2011.07.28: 後藤田正晴と12人の総理たち1/2 ~天安門事件
2011.02.03: 賭博と国家と男と女 ~人は利己的に協調する
2010.12.16: 自作 近未来小説 我が競争 ~第三次世界大戦の勝者と人類の進化
2009.12.16: 孫子・戦略・クラウゼヴィッツ―その活用の方程式
2009.10.23: 核拡散―軍縮の風は起こせるか
2009.05.04: 民族浄化を裁く 旧ユーゴ戦犯法廷の現場から
2009.02.24: 孫子の兵法
2009.01.06: ユーゴスラヴィア現代史 ~Titoという男
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