お寺めぐり、2軒目。横取りネーさんが、「5000年前の寺がある」と言っていて、5000年前の建造物が残っていたらそれは歴史を揺るがす大ショック。嘘をつくなと信用していなかったのだが、それは彼女の日本語の語彙力の問題で正しくは、「5000年前の遺跡がある」である。Ban Chiang Archaeologicalと英語表記されるウドンタニの地区で、5000年前、紀元前3600年と思われる遺跡が、1973年頃見つかったのである。1990年代には世界遺産登録されたようであるが、エジプト、メソポタミア、インダス、中国と並び称する古さであり、私は今日の今日まで知らなかった、東南アジアで最古と思われる遺跡である。当時の人骨、背は思ったより普通の高さの成人のもの、そして陶器などがそのまま残っている。
さらに驚愕なのが、隣にある博物館に、
石仮面こそ無いものの、石仮面の軌跡、綺麗な穴の開いた頭蓋骨が展示されている! 何のために穴を開けたのかはわからないが、呪術的な意味があったのだろう、と推測で書かれている。アステカ文明の石仮面が東南アジアにまで分布していたとは・・・、ジョジョにも載っていなかった驚愕の事実を私は発見してしまった。ちなみにタイ人は30バーツの入場料だが、外国人は150バーツとなる。入り口はタイ人として通過したが、第二関門で、博物館のネーさんが「おい、コイツ、タイ人じゃないだろ、120THB払いな」と言われてしまった。横取りネーさんも、相当に現地人離れしているように思えるが、私はもっと外国人に見えるようである。最初に鉄器が発見され、層を掘り進んでいくと、青銅器、石器と次々に発見されたという、遺跡発掘の過程や、王様の遺跡見学(遺跡発掘のための予算をつけた)ことなどが書かれている。
横取りネーさんの一族
ウドンタニ潜伏3日目ともなると横取りネーさんの一族の全容が見えてくる。お父様は退役軍人、現在も何やらよくわからない仕事をしており、家を空けることが多いようだ。おそらく退役軍人利権関係の仕事をしているのだろう。農民ではなく現金収入がありそうな感じが、冷房は無いが、冷蔵庫があるあたりから推測される。横取りネーさんはベトナム人とのハーフ、と言っていたが、お母様は明らかなタイ人で、確かにお父様はタイ人らしからぬ、高い鼻をしているが、ベトナム人が軍人のはずは無いので、また横取りネーさんの語彙力の問題で、おそらくベトナム人とのクォーターといったところだろう。しかし、横取りネーさんの子供9歳の男の子が居るのだが、これもまた似ていない。横取りネーさんは誰にもあまり似ていないので、ふと整形疑惑が頭をよぎる。
リビングに張ってある写真を観察していると、タイ家庭にありがちな再婚家庭ではないとは言い切れないが、かなり長い間ご両親は夫婦のようである。また、横取りネーさんが現在より10kg太っていた時期もあるという写真もあった。確かにちょっと丸いが、やせぎすな現在よりは良いだろう。横取りネーさんは、身長170cmで男顔、存在感のある鼻が整形・LB疑惑を第一印象で抱く人も多かろうが、若かりし頃の写真も見る限り、整形疑惑は晴れている。9年に及ぶ長い夜の商売で昼夜逆転生活をしていて日光に当たっていないので、おみずという職業柄、今はすっかり肌が白くなっている。かつまた息子さんの年齢とおみず歴が一致しているので、結婚期間はゼロのやり逃げ妊娠事件だったのだろう。未だにトラウマで、「タイ人馬鹿男は嫌いだ。」と言っている。
もう一人、12歳くらいの少年が同居しているが、これは横取りネーさん曰く、「お兄さん(親戚という意味で横取りネーさんは一人っ子だ)の子供でオカマーなのよ。」という風変わりな少年だ。本当は横取りネーさんの子供なのか? お兄さんの息子というのなら、なぜ夜、お兄さんの家に帰らずにこの家に寝泊りしているのだ? オカマだから勘当された? お兄さんとはお父様の兄弟の息子、つまり従兄弟にあたるわけだが、歩いて3分のところに住んでいて、2歳の息子と4歳の娘がいる。8歳くらいの男の子も居たので、「何人子供居るの?」と聞いたら、「2人、2歳と4歳」と言うので、8歳くらいの男の子は兄弟の子供で預かっているようだ。お兄さんは40歳の割りに子供が小さいので、お兄さんの前妻との子供なのかもしれない。この子は違う意見が2つあるので、真実の所在はわからない。
横取りネーさんの息子9歳も、顔は似てないし、全然なついてないし、本当に子供なのかどうかも疑問だ。私の土下座飲みは大人に対しては当然だが、子供にもやる。9歳の男の子ならゲームが好きなのは確実で、iphone付属の低次元ゲームで遊んでいたので、もうちょっとちゃんとしたゲームをやれ、とエミュのグラディウスを披露しやらせてみた。「まだちょっと恥ずかしいみたい」と横取りネーさんが言う。人見知りをされているようだ。またご近所に出かけた時も、池に向かってポチャポチャと石を投げていたので、ここで余計な父性を爆発させ、「男なら波きりだっ!」と言わんばかりに、波きりをやってみせるが、池までの角度が急なことと池が狭すぎてなかなかうまく披露できなかった。私の存在感と気迫に気をされているのか、息子はかなり遠慮している。たまに帰ってきたお母さんと遊びたいだろう。いつも横取りネーさんが迷い無く私の隣に座っている状況は苦しかろうと思い、「よぉ、ぼーず、ここ座れや、俺はそっちでかまわん」とこの私が気を使ったほどだ。
横取りネーさんは、近所の道には詳しいが、何かと言えば「暑い、日に焼ける」と不平不満を言い、冷房の付いた都会暮らしに染まりきっている。私のようにシンガポールでファーストフードに浸かってない分だけは健康だが、横取りネーさんがここに住み続けることは難しいだろう。ウドンタニ人でもなければ、育ての母でもない横取りネーさんは少し軽い気がする。かつてこの私を怒らせた女が「私の夢はお母さんになること」と言っていたが、その気持ちがわからないでもない。いくら実の母とはいえ、産みの親だけだと、お母さんの迫力は無い。とはいえ私も、他人事ならかまわないが、配偶者にお母さんをやられるとイライラするので、横取りネーさんのような軽い感じが良いのだろう。
横取りネーさんの従兄弟にあたる「おにいさん」の役割はドライバーで、私と一緒に行動する群れの中で唯一の成人男性である。松本仁志によく似ているので仁志にーやんと名付けよう。仁志にーやんもまた農民ではなく、冷房・TVのパラボラアンテナの取り付けとメンテナンスの仕事をしており、普通の給与所得者である。機械に強く、車やバイクが大好きな典型的なエンジニア男である。仁志にーやんは英語が一番堪能である。
【本当にあった?怖い話】
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2012.11.22|北京・ハルビンに行ってきました 12/13 ~731部隊遺跡
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2011.11.04: 「少年A」 この子を生んで 2/2~子供の怖さ
2011.09.12: シグルイ 山口貴由1/2 ~駿河城御前試合
2011.07.21: 死刑囚 最後の一時間 1/2 ~死刑の実態
2010.12.20: 快楽殺人の心理
2010.04.26: あなたの知らない精子競争 ~精子の数の決定要因
2010.03.19: 実在上のヤンデレとその発生起源 ヤンデレの研究
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2009.10.16: 華麗なる投資一族 明るい家族計画
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