四季報に載っている現金と実際の現金に相違がある。
と言ってきた人がいましたので、これまたネタにしましょう。私はデリバティブのプロであって、株や会計の専門家ではないのですが、アジア放浪記はいいかげんにしろ!という声もヘビーユーザーからいただいていることもあり・・・。ただ一方で、この程度は常識なので、常識とはWikipediaにも載ってるレベルだと、あえて書く必要もないとも思うのです。私が想定してる読者は、金融機関でプロとしてトレーディングしている人、なわけですが、コメントを下さる人は個人の方も多いように思えます。またこの報告をしてくれた人も個人投資家(ただし富裕層w)です。
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一方で、ウィキどころか、“金で買えるあらゆる本”にも載っていないこと=つまり本来ならば価値があること、について書くとオタクすぎてシーンと静まり返ってしまうのですよね。デリバティブの専門書に載っていること=せいぜい価値としては5000円程度の知識=勉強すること です。専門書にも載ってないこと=経験すること、必要なこと であって学者さんのごとく勉強することではありません。デリバティブを勉強するのは大学で、マーケットにおいては、デリバティブを使ってくださいw 静まり返る系記事の代表格である新株予約権系の記事ですが、新株予約権は、日経225のIVのBehaviorの100倍以上、株価に影響あるものですからねっ! だからデリバティブ・プレイヤーだけでなく、株のトレーダーにも関与する非常に重要な話なのです。


どういう読者にターゲットを絞るのか、明らかに迷いがあるところですが、チキリンが私が言いたいこととほぼ同じことを、明確に述べています。
2013-06-25 「見世物としての論争」に興味がもてません
私の専門であるエキゾチック・デリバティブや新株予約権によるファイナンス、もしくは上場オプションであってもアービトラージやマーケットメイクといった視点は、小額個人の話ではなく、大きな資本力をもった取引主体で有効な話です。一方、インターネットは、マスのものなので、「秒速でX億稼ぐ」みたいなキャッチフレーズで、数多ある安易な欲を刈り取るのに向いているツールなのです。だから私にとってブログは商売としては使い物にならないので、知らない人と公開討論する場としてとらえています。もちろん、チキリンが書いている、「知識としての蓄積性」もかなり重要視しています。
ちょっと小言っぽいですが、要はデリバティブについてでも株についてでも、何かきっかけがないと、かなり書きにくいのです。今回の例がわかりやすいのですが、現金同等物と現金の違いなんてのは、株の世界において改めて言及することではありません。そこでブログというのは民主性と双方向性が面白いところで、何か一言でもコメントがあると、どういうことをどのように書けば良いのかという方向付けになります。 そして対象読者は、コメントしてくれたあなた! どうですか? 民主的ブログ運営でしょ?
コメントがないとどうなるか? デリバティブにおける普遍的な事実をたんたんと書くこと、これは既に立派にまとまった教科書(ジョン・ハル)っちゅーもんが、あるんですよw ポチしなくても大丈夫。会社の片隅にホコリかぶって置いてあるでしょ?

フィナンシャルエンジニアリング―デリバティブ取引とリスク管理の総体系
フィナンシャルエンジニアリング―デリバティブ取引とリスク管理の総体系 ジョン ハル John C. Hull

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さて、話がかなりそれてしまいましたが、四季報に記載されている現金、これは正確には現金同等物と書かれているはずです。一方で彼が実際の現金と呼んでいるのは、貸借対照表上の現金です。四季報に載っている貸借対照表の情報は、総資産や株主持分や有利子負債などで、現金はありません。(あっ、載ってますね、現金同等物がw)
四季報に載っている現金=現金同等物=キャッシュフロー計算書:=現金もしくは3ヶ月以内の定期預金
実際の現金と呼ばれている現金=現金=貸借対照表の流動資産:=現金もしくは1年以内の定期預金
と定義が違います。あっ、終わっちゃった・・・。教科書的な説明はねっ! ここからはバリュー投資家としての主観を書いていきましょう。
私は3つの財務諸表(損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書)のなかで、アホ会計士でもその価値を確認できる現金に根ざした財務である、キャッシュフロー計算書を、重視する傾向があります。そのキャッシュフロー計算書、日本のバリュー株を見ている人は、よく分かると思いますが、バリュー株=キャッシュ・リッチ=やる気無い系、派手な事業拡張などするつもりもないような会社が多いわけですが、そのような会社でも投資キャッシュフローが増えることがあります。定期預金のロールで、大量の投資CFのマイナス、何に投資したのかな? よく見ると定期預金しました。 あるいは逆に、大量の投資CFのプラス、まさか工場売って会社を解散する気か? よく見ると定期預金が満期を迎えました。初歩の初歩ですが、適当なスクリーニング(四季報の現金同等物、あるいはキャッシュフロー計算書や貸借対照表の数値)だけだと、本当のキャッシュ・リッチを見逃してしまうかもしれません、という点は注意です。実際、キャッシュ・リッチは、現金同等物も大きいので、見逃さないと思うのですが、キャッシュ・リッチの程度を勘違いしてしまうので、財務諸表はよく読んだほうが後々納得できると思います。
PBR0.5、自己資本比率80%越えのバリュー株にありがちなのは、やる気無い系企業=上場の理由が資金調達でない企業 です。資金調達する必要も無いのに上場? という不健全なことが、日本では起きているわけですが、その理由は相続対策=相続税です。これを相続上場と呼んでいます。相続上場という言葉のオリジナルは、吉永康樹のCFO Newsという会計士先生のブログです。相続上場系企業は優良企業なので、まず倒産することはありませんが、レインズ法によるMBOには要注意ですw レインズ法とは、私の造語で、下方修正を乱発して、株価を十分に下げてから、MBO(下方修正の嵐で株価の絶対水準が低い上でのプレミアム)して、上場廃止にする手法を取られるとお手上げです。これは株主軽視の好ましくない行為ですが、たちの悪いことに取り締まる法律がありません。レインズ=牛角だけでなく、例はたくさんあるので、ナルミヤ法でもOKですよw
【個別株日本株】
2014.06.24 日本市場のライツイシューの歴史(2014年5月時点) 2/2
2014.05.02 日本全土落下傘計画 東北編 3/4~石巻の産業
2012.08.15 ソントン食品(2898)MBOで非公開化1株1,000円
2011.12.13|今年最も読まれたニュース 1/2 国内編
2011.08.02: プロ向け市場「TOKYO AIM」一号案件 上場後値段つかず
2011.05.16: 東京電力の平均給与は電力10社中9位
2010.04.12: 日本の軍需産業
2009.10.29: 9651 キャッシュリッチカンパニーのキャッシュフロー計算書
2009.01.16: 財務諸表と金のありか
2008.09.11: その他有価証券の分析@9748
2008.05.31: カツラ会社の経営陣の退陣
2008.03.25: 一族家における投資教育 ~株式 動く時価、見える時価
2007.12.25: 9955 安いな、出動じゃ
2007.12.06: 財務諸表基本レッスン 売掛金と買掛金