いやいやいや、凄まじい賞賛で・・・。年収1ドルのCEO。アメリカだからどこかに載ってるかと思って10-Kを検索するも
ジョブズ氏の年収までは探せませんでした。でもこんなのありましたよ。
Note 10 – Related Party Transactions and Certain Other Transactions
The Company entered into a Reimbursement Agreement with its CEO, Steve Jobs, for the reimbursement of
expenses incurred by Mr. Jobs in the operation of his private plane when used for Apple business. The Company
recognized a total of approximately $248,000, $4,000 and $871,000 in expenses pursuant to the Reimbursement
あくまでReimburseですが、1milを超える費用請求があるということです。これもねぇ、とらえようによっては献身的
な経営者とも思えるわけですが、「俺は俺の飛行機を会社のために使ったんだから金出せよ」ってことなんで、この合計1mil
が本当に適切かどうか? 10-Kだけから読み取ることはできません。アップルの株価が10ドルまで落ちる時、こういうところ
からいちやもんつけられて、流用だ、背任だで、逮捕までされると思うと、アメリカのCEOは、もはや慈善事業だね。
賞賛の理由はコイツだ。向きが逆になると非難と叱責の嵐。民はうつろ気。
Jan 21 2011 【コラム】ジョブズ氏の功績はエジソンにも匹敵-ジャロスロフスキー
【コラムニスト:Rich Jaroslovsky】
1月21日(ブルームバーグ):米アップルのジョブズ最高経営責任者(CEO)の健康状
態に関するニュースは、同社の携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」やアップル株を買っ
たことのない人にとっても重要な意味を持つはずだ。
ジョブズ氏の最近の病状に関する情報が不足しているため、同氏の不在がアップルにとって
どういう意味を持つかに疑問が集中している。ジョブズ氏の医療休暇中に経営陣はどの程度
まで代役を果たせるのか。世界で最も時価総額の高い会社の一つであるアップルの株価にど
んな影響があるのか。同社の驚異的な成功を持続するのに十分な数の新製品を準備中な
のか-。
これらはすべて妥当な疑問だが、より肝心なポイントを見逃している。ジョブズ氏のことが好き
であれ嫌いであれ、同氏は世界中の消費者の日常生活に誰よりも影響を与えた社会的・歴
史的に重要な人物だという点だ。
奇妙なことだが、アップルの最近の驚異的な成功は、ジョブズ氏の伝説的なイメージや非難
を受けやすい性格もあり、同氏がどれほど重要な影響力を持ち、どれほど長い間影響を与え
てきたかを分かりづらくしてきた。「インク」誌が「この人物は永遠にビジネスを変えてしまった」と宣
言したのは、1981年になってのことだ。
ビジョン
ジョブズ氏が1986年に当時CEOだったジョン・スカリー氏との権力争いに敗れてアップルを
去った時も、同社が崩壊することはなかった。スカリー氏は昨年のインタビューで、ジョブズ氏がい
なくても同社が何年も繁栄できたのは、同氏のビジョンの強さのおかげだと認めた。
スカリー氏はウェブサイト「カルト・オブ・マック」とのインタビューで「私が在任中に成し遂げたすべ
てのことについて、本当に功績を認められるべきはスティーブだ」と述べ、「私の在任中にわれわれ
がしたことは彼の哲学に従うことだけだった」と告白した。
ジョブズ氏が1997年にCEOに就任した当時、アップルはあと数カ月もしくは数週間で倒産
というところまで追い込まれていた。同氏は会社を立て直し、色鮮やかなデスクトップ型パソコン
(PC)「iMac(アイマック)」を販売し、再建の土台を築いていった。
ジョブズ氏の影響力を最も良く理解するには、iPod登場前の10年足らず前の状況を思い出
してみればいい。音楽や映画は店で買ったり借りたりするもので、携帯電話は通話が目的、ネッ
トサーフィンはコンピューターでするものだった。
iPodや、コンテンツ配信サイト「iTunes(アイチューンズ)・ミュージック・ストア」、携帯電話「iP
hone(アイフォーン)」は、驚くほど短期間で、従来の製品だけではなく、携帯電話業界などの巨
大産業やその背後のメディア業界を敗者に追いやってしまった。昨年の「iPad(アイパッド)」の投
入でジョブズ氏はまた、タブレット型コンピューターという新しい製品カテゴリーを紹介するという偉業
を成し遂げている。
厳しい制約
ジョブズ氏が「閉じた」システム(ユーザーはiPhoneの電池を自身で交換することもできない)を
主張し、ユーザー経験を厳しく制約していることは、多くの人を困惑させ、ライバル会社につけい
るすきを与える可能性がある。
ただ、ライバル企業も本音を言えば、自身の手法に対するジョブズ氏の影響力を認めざるを得ない
だろう。
実際のところ、ジョブズ氏と比較するのに本当にふさわしい人物はビル・ゲイツ氏やジャック・ウェルチ
氏ではなく、トーマス・エジソンやヘンリー・フォードらなのかもしれない。スカリー氏は前述のインタビュ
ーで、ジョブズ氏の伝説的な完璧主義で発狂しそうにならなかったかと質問されたが、それに対する
答えはジョブズ氏の人物像完璧に活写したものだった。「多少発狂させられそうになっても、あれほど
常に正しい人間が相手なら一向に構わない」(リッチ・ジャロスロフスキー)
原題:Jobs’s Legacy Puts Him With Edison, Ford: Rich Jaroslovsky (抜粋)