ESOP (Employee Stock Ownership Plan)
企業の自社株を社員に配分し、原則社員全員が対称で確定拠出年金の一環。
今日の日経新聞に載ってました。新人向けの新聞読み合わせとしては多少ハイレベルですが、私なりの考察を。
事業会社側から見れば
自社株の取得コストは自社株買いのタイミングで決まる。
一方、社員に毎月時価で売り付ける。
株価が上がった場合は、上記の取引で運用益が上がるので、それを従業員に配分する。
株価が下がった場合は、会社が損失分を補填する。
と書いてあります。
つまり、従業員から見ると、下がった場合は時価で買え、上がった場合は値上がり益が来るので
持株会に毎月参照のAsian Call Optionがついてくるイメージです。
では、新聞記事にあった4社について、どのくらいの従業員還元なのかをエクイティデリバティブの
Valuationの観点から分析してみます。
大同メタル
http://www.daidometal.co.jp/news/photo/20080125120645_0_0_4.pdf
によれば5年分の取得規模とあります。
安く見積もっても大同メタルだったら5年のオプションは、20%くらいのValueはありそうです。
配分がいつ起こるかというと多分退職するまでは、ダメでしょうから、終身雇用を想定するのであれば30年後です。
なので30年÷5年で6回オプション価値を楽しむことが出来るわけです。
また株の最終Asian Fixingから実際のセトルまで25年あるデリバティブですので、Cash SettleかPhysical Settle
かがとても重要です。
Cash settleの場合、素直に金利で割り引けば、約半分になり10%÷5年程度のインセンティブになりましょう。
Physical Settleの場合、Forwardで見積もれば、大体Flatでしょうから20%強÷5年を期待できます。
5年で信託契約が終了し、その時点で残余財産がある場合には、株数に応じて分配とあり
日経の文面にも、退職時に株式受取と書いてあるのでPhysical Settleでしょうが。
これはおいしいですね。
一方、持株会加入率が55%から69%に急上昇した広島ガスはどうなのでしょうか?
http://www.hiroshima-gas.co.jp/com/w_new/index.htm
によれば同じく5年のオプションですが、大同に比べ恒常的にVolatilityが低いのでオプション価値は10-15%程度でしょう。
公共系の割りに配当がそれほど高くないので大丈夫ですが、あまりに高配当の場合、30年後のPhysical Settle
はおいしくない可能性も出てきます。
そして、一番のネックは、株式そのものの流動性です。これは殆ど売れないに等しい。
10000株(約250万円相当)売るのにそれなりに苦労しますよ。
オプション価値、Physical Settle、売却時のMarket Impactを考えると多少疑問です。
日本駐車場開発
http://www.n-p-d.co.jp/ir/pdf/20070907_shinkabu.pdf
によれば、ストライク1円の無償割り当てなので、退職金の株式化で、これといったオプショナリティはありません。
American Forwardのようにも受け取れるので落ち日の前に行使すべきといったところでしょうか。
計画中の住友不動産
http://www.sumitomo-rd.co.jp/ir/pdf/080207_2.pdf
これは買い付け期間が十数年分と書いてありますので、10年で見積もってオプション価値が大体30%とします。
大同の場合と違い、10年サイクルですと30年の在職期間中3回転しかできないので、トータル30%÷10年となります。
仮に15年だとさらに悪く大体36%÷15年くらいのイメージでしょうか。
というわけでESOP対象の従業員の皆さん、退職金の計算はエクイティ・デリバティブとしてどうぞ。
持株会の割引買付価格と比較したい場合は、オプション価格を年数で割った値で同じ尺度になります。
例えば大同メタルのESOPの場合20-25%なので5年で割って4-5%の割引と等価です。
ESOP Valuation (従業員の視点から)
一族家における投資教育 ~最終章エクイティ・デリバティブ
日経ノックイン債
1year 75% Knock-In Coupon=5.x%程度のありがちなストラクチャー
16,000円台で初めて、Knock-In 12,000円で、ギリでKnock-Inをかわしました。
日経ダイナミックラチェットファンド
日経リンクで6ヶ月で10%以上やられることは無いというファンドデリバティブです。
日経に6Month 90%のPutロールがついていると思えば良いわけです。
手数料込みで10%程度やられて損切り。99年7月売り出しですが、買った時点で負け確定でしたね。
なんと売り出してから一回も10,300円を付けたことが無いという泥棒ファンド。
手数料込みで考えると、このファンドを買って儲けた人は一人もいないと言うことです。
もちろん、幻の一兆円ファンド、戦略株ファンドには負けますがねぇ。
これも買っちゃったよ。大ヤラレだったですけど。
ファンドは買ってはならぬ。ファンドが増えてきたら株を売れ。
これ実体験上、正しいですね。
ファンドが増えてくる=素人参加者が増えている=高値圏
高配当ファンドとか小型株ファンドが、もてはやされていた2005年頃、一生懸命株売ったものですよ。
ちょっと早すぎて、18000円のピーク時には、あまり売るものがなくなってましたが。
このレベルになってくると、投資教育と言う観点から、学んだものは殆ど無いのでこれで最後にしようと思いますが、
振り返ってみると長い。
全10編に及ぶ実に長い歴史です。一通りやったかなって感じです。
でも、ここからは自力の時代、さらに発展させていこうと思っています。
一族家における投資教育 ~CDO
アンサンブル2 劣後債 円建 3年もの
これ、要はCDOで、当初はどういう商品なのか全く分かっていませんでした。
私なりに解説すると、CDSを集めて、優先劣後構造を入れたものとなりますが、
以下、日銀のレポートを解説のお手本としてリンクしておきます。
http://www.imes.boj.or.jp/japanese/kinyu/2003/kk22-b2-3.pdf
我々の理解は、含まれている会社がつぶれたらやられる。リスクの度合いは、3段階で、それに応じてクーポンが決まる。
「劣後債は、さすがにやばいのではないか?」
「いや、メザニンと劣後のクーポンの差を考えれば、劣後のリスクは取れる。つぶれるかつぶれないかだろ?」
というような議論の末、劣後にしました。
この名前で検索すると、我々だけでなく、事業会社にも、はまっていることが分かりました。
光通信 2億(平成11年 有価証券報告書)
日信工業 2.5億 (平成14年 有価証券報告書)
日本電話施設 3億 (平成13年 有価証券報告書)
ざっと見ただけで3社。満期保有債券で、時価評価して無かったですよ。どこの会社も。
このアンサンブル2が、そうであったかはわかりませんが、最劣後のCDOは、CDSのCorrelationを低く見積もりすぎた
ミスプライスが散見されたらしいです。
事業会社だけでなく、専門家たちも苦労しているようです。
理解はしてなかったとはいえ、結果として、我々は、モデルに基づくミスプライスをついて、勝たせてもらったわけです。
私は専門家ではないのでわかりませんが、CDSがそもそも難しい気がしています。
サブプライム危機で起きている様に、Creditのプロテクションの売り手もまたCreditを持っている。
Cash Bondの買い手の調達金利にもCreditがのっている。
意味不明で挫折しましたが、ゲーデルの不完全性定理によくある、髭剃り屋の髭は誰が剃る?的な感じがし、
クレジットデリバティブは、存在そのものが、自己矛盾に陥っている気がします。
ともあれ、今回の教訓は、モデルによるプライスを過信する無かれ。
これは自己投資よりは、日々の業務に活きていますかな。
一族家における投資教育 ~他社株転換債
ITバブルも頂点の頃、某証券会社で、SONYの他社株転換債が売り出されました。
SONY株のチョコマカした現物株売買(下がったところで買って、ちょっと上がったら売る)で小さな利益を手にし、
いい気になっていた我々は、強気に勝負し、結果は言わずもがな、惨敗でした。
行使価格は記憶の限りで、10,000円程度。償還したときは8,900円。
クーポンは、10000円×100株に対して、17800円。
2.23%=17800/(10000×100)/80%=クーポン受取額/払い込み総額/税引き後
チャートで見る限り、かなりなボラティリティがありそうですが、6M ATMのオプションプレミアムとしては、
「あん?」という感じです。もしかしたらATMでなかったのかもしれません。
今思えば、株のチョコマカ売買は、当時のハイボラ環境下ではかなりな収益性だったので、このプット売り
があまりおいしくないことに気づくべきでした。
相場を読み違ったとして結果・値段は別に気にしていません。
問題なのは、償還がPhysical Settleで、振って来た株の税法上の買値です。
行使価格10,000円なのだから、実質の買値は10,000円なのですが、税法上は償還時の価格の8,900円とされました。
損しているにもかかわらず、キャピタルゲイン課税される。こんな不合理があるでしょうか?
これでは日本のエクイティ・デリバティブの発展は程遠い。
加えて言うとオプション・ワラントの損益は現在の日本の税制では株と通算不可能。
これでは、税金を申告しなくて大きな問題にならない小額投資家以外はデリバティブに参加しない。
大証が、個別株オプションのマーケットがどうのとか言っています。
目新しさは、外国人投資家を呼込む点にあるらしいですが、私の意見では外国人はメインプレーヤー
になるのは難しいと思います。
きっと盛り上がらずに誰に気付かれることも無く、いつの間にか消えていることでしょう。
税制は国家戦略そのもの。
日本にはエクイティ・デリバティブの発展、ひいては貯蓄から投資へという言葉を実現するような
税制を期待しています。
一族家における投資教育 ~新発CBとIPO
中期国債ファンドから始まりMMF、公社債投信と貯蓄型プロダクトがメインだったものの我々は
株屋とのつながりを徐々に深めていった。
そんな中、担当セールスが持ってきたのが新発のCBである。
銘柄は忘れてしまったが、2つほどやって、そのうち一つは伊藤忠だった。
CB、転換社債、新株予約権付~とか色々呼び名があって複雑ではあるが、
株に転換する権利がついた債券というのが最もシンプルだろう。
その当時、CBは、株屋が新規の客のツカミに使う「必勝プロダクト」だったらしい。
公募価格の100円は明らかにオプションバリューを割安に評価して決められていたため、
上場初日の寄り値は105円超と相場が決まっていた。
そんなことを知らない我々は、マンマと株屋にツカマれたわけであるが、
CBの割り当ての絶対金額が小額だったこともあり、5%では満足しなかった我々は、
その5%の安心をテコに、数十%までは引っ張った上で利食わせてもらった。
利益で考えればねぇ。オプションのガンマを楽しませてもらったわけで。これはよかった。
しかし、ある事件を境に、一般には人気のある新発もの(IPOの株含む)は、一族家において
不合理とも思えるほど嫌われている。
2651 ローソン
このチャートを見て欲しい。公募価格7200円は実は一回も付いたことが無いというウンコIPO。
ダイエーとの資本関係など、気になる面はあったものの、上場初日からストップ安だったように記憶している。
いきなり、損から始まって、「おぃー!そのうち上がるんだろうなぁ!」とか思っているとあれよあれよと
あっという間に半額よ。こうなると、投資家側としては、公募で買ったら最後。何もできない。
確かに初値天井なんだけどよ~。公募初日、損切り成行売りって個人には勇気のいる行動だよ。
上付いても、株屋が決めた値段信じてるだけだから、勝った気しないし、下がって寄っても売り遅れたからとか
納得できる理由があるわけではなく、投資妙味に欠けるということで今でもIPO嫌いは強く根付いている。
Lookback 神なるTrade
今日も下がるねぇー。特に日経。中国Aはこんな相場でも上がってる。上海旅行が楽しみだ。
あー、売っときゃよかったなんてため息が聞こえる中、デリバティブを使った最高の投資法をご紹介します。
最安値で株を買い、最高値で株を売る。
素人はチャートを見て、周期に沿って売買すれば、株は勝てるとかわけのわからんことを言うが
どこが最高値かなんてのは、最高値更新中は”Lookback”しない限り絶対にわからない。
みんなが憧れる最高値売りができるヤツは、これ、すなわち投資の神様。
神様になれる方法。実はあるんですよ。(これセールストークで使えないかな?)
なんでも可能にしちゃうのがデリバティブの素晴らしいところ。Lookback Optionを買って下さい。
よく値段を聞かれるが、一回も実Tradeを見たことありません。
そんなLookBackも良く見ると結構定義が複雑でして、その中でもこんなLookBackの値段を聞かれたら、
顧客、セールスはオーダーを理解してない証拠。ドヅメしてやりましょう。
LookBack Option
1)Floating Strike Call
期間中最安値で株を買えるオプション。
Strike=Min(Stock Price)<-期間中最小値で設定する。
もしStrike=Max(Stock Price)だと常に0、最高値で株を買う権利に価値は無い。
2)Fixed Stike Call
Strikeで買って、最高値で売ったことにできる権利。
Reference Price(Payoffに使用する株価)はMax(Stock Price)
もしReference Price=Min(Stock Price)だと
OTMは常に0。
ITMは、Fixed Strike Lookback Put Spread 現値ーStrikeに帰着。
3)Floating Strike Put
最高値で株を売るオプション
Strike=Max(Stock Price)となる。
もしStrike=Min(Stock Price)だと常に0、最安値で株を売る権利は無価値。
4)Fixed Strike Put
Reference Price=Min(Stock Price)
もしReference Price=Max(Stock Price)
OTMは常に0。
ITMは、Fixed Strike Lookback Call Spread 現値ーStrikeに帰着。
神になってみませんか?
そんな時は、弊社までお電話を。
インテリジェンスをかもし出すモノ言い
謙虚で、もの静かに、置くように話し、それでいて主張があり、穏やかなプッシュが効いている。
話に連続性があり、無矛盾。変な単語(市場の慟哭なんて言わんよな)や造語も使わない。
私の印象では、頭の良い人は、こんな感じで話す。
書いていて、あまりにも自分とは対照的で痛いな。
頭の良い人と話していると感じることがある。
聞き手の頭の中身まで理解しながら、話しているな と。
自分の話し方に知能指数の低さが出るのはあきらめるとして、この点については近づける努力をすべきと自分で思う。
悲しいかな、私はそれがわからなくなる。どこまでが公理で、どこから論じ始めればよいのか?
このブログを継続的に読んでくれている方にとっては株式時価総額、Volatility、Call Optionという単語は説明不要なのだろう。
ただ、アジア通貨の記事に関しては、もの言わぬ読者(Web上で)と直接話した結果、
読者のコンセンサスと私の前提にズレがあることを感じる。
自分が調べて新たに得た知識の他に、前提を揃えるために、何かを補足して書かなければならないがそれがわからない。
例をあげよう。Call Optionをどう説明する?
Max(S-X,0)?株式を一定の金額で買う権利?
よくある説明だが、これでCall Optionわかったら天才だよ。この説明にどこまで意味があるのか私はわからない。
07年12月の当ブログ初めて会った時から好きだったで書いた私が実際に受けた説明だが、
上記二つに加え、GammaとTime Valueまで、その言葉を直接使うことなく伝わってくる。
でもこれ、私も、Call Option知らない人に、日経新聞使ってやってみたのですが、全く伝わらないんだな。
もうちょっとシンプルにしましょうか。
Q.「あなたは会社で何をしているのですか?」
私「デリバティブやってるんですよ。」
Q.「デリバティブって何?」
株式時価総額もVolatilityも知らない人にこれをどう説明するのでしょう?
うまい説明教えてください。
間違ってもキャッシュフローの組み換えとか言わないように!!(当ブログ08年1月ガンマ無き者はデリバティブに非ず)
ちなみに私の失敗例
私「株見ながら、博打を張るんですよ。
例えば、明日日経平均が上がったら私があなたに1円払います。下がったら何も払いません。
これだけだとあなたに負けは無いので、それを45銭であなたに買ってもらうことになるのです。
45銭で売買したら、その博打、勝つか?負けるか?を考えるのが私の仕事です。」
Q.「ふーん。」(何言ってるのか全然わかんねーって顔で)
ここでねぇ、
「下がる確率55%あるなら、そんなんやらずに先物たたき売るわ。」
なんて口答えしてくれる人は、ある程度理解しているのがわかるので次が話しやすいのですけどね。
相手が日本人女性だったら100人に1人もいないだろうなー。
Skewness(歪度) マーケットの非対称性
上がる時と、下がる時、に分けて考えた時、株の動きはどうなっているのか、直近500日のデータを使って検証してみました。
愛する香港は、Indexの2年のHistorical Volatilityが30%を超える狂気のマーケットなわけですが、2年間のReturnも実に高い。上げ下げを考えるのに、この2年のパフォーマンスの差が入ると気持ち悪いので、
Daily Return=ln(S(t)/S(t-1))+ln(S(T)/S(0))/500
と定義し、平均Returnが0となるようにしてから、色々計算してみました。
S(t)はReturnを計算する当日の株価、S(t-1)はReturn計算日の全営業日の株価、S(0)は500営業日前の株価、S(T)は現在の株価。
数値見てよ。楽しいでしょ?と言いたいところですが、それではブログにならなそうなので、少し解説します。
アジアの指数を中心に、大所の指数、時価総額が高い株式を対象としています。
各計算項目ごと最大値は青、最小値は赤、IndexとSingleそして全体と、3つのユニバースで平均値を取り、それぞれ下部に表示しています。
Volatility:年率Volatility (500日、Daily 、Close to Close、250日営業日換算、配当落調整無)
Return :ln(S(T)/S(0))/2
MAX、MIN:一日で最大の上げと下げ。そして、その比率をMAX/MINで表現し、100%以下の場合は下げ幅の方が多いことを意味します。
HSCEI~、Indexが本当に一日で10%動いちゃった。
注目して欲しいのは、真ん中辺りのIndices Averageで、指数が市場全体の動きを表しますが、さらに指数の平均を取り、世界の平均を見ると、上げは6%、下げは7.5%ということで、下げは大きい傾向にあることがわかります。個別株で見ると傾向は薄れるものの、しっかりと存在していることがSingles AverageやAll Averageから読み取ることができます。
Average Returnは全て0になるように定義したので、上げた日と下げた日に分解して計算してみました。
すると下げ相場は、上げ相場よりも大きく動く傾向にあることがわかります。
続いて、上げた日と下げた日を素直に数えてみました。変わらずは上げに入れてみました。
上げた日は下げた日より多い。最近どの相場も上がってるから当然だよ!という批判をかわすためにDaily Returnの定義でこの効果は既に除去してあります。
つまり株式市場で、勝つ確率は50%よりも高いということです。ということから株式投資においてビギナーズラックは必然なのです。典型的なビギナーのパターンですが、自分なりに、小さくない金額で始めるので、毎日激しく動く株に恐怖を覚え、ちょっと儲けたところで売りに走る。
この素人法は、恐ろしいことに、50%以上の確率で儲かるので、マーケットは素人を引き込みやすい性質を持っているということをこのデータは示しています。
上げた日は全体の何%に相当するのかも計算してみました。All Averageの52%の意味は52%で勝てる。カジノのギャンブルではありえない、とても大きな数値です。
激しくマーケットが動いた日に限定して、同様に、上がった日の平均、下がった日の平均、上がった日の数、下がった日の数。
2σの意は、Volatility/Sqrt(250)で一日辺りのVolatilityになりますので、その2倍が2σです。
UP-DOWNの平均のRatioは96%にとどまる。体感よりも少ないです。対象は中国が多めだからバブルバイアスの影響も否めないところです。
2σ以上動いた日で、上げた日、下げた日をカウントすると、非対称性が、かなり顕著に出ています。それに加え、2σから外れるのは正規分布的に4.56%。22.8日分に相当するので、UPとDOWNを足すと明らかなFat Tailが観測できます。
計算してて、恐ろしくなりますね。株式市場は50%以上の勝率で、小さな喜びを与え、誘い込み、下がった時に全てを奪い取り、去った後には何も残らない。
ガンマ無き者はデリバティブに非ず
債券の利落ちについて議論していた時に、私の同期のL君がジュニアに言いました。
L君「デリバティブのプライシングにおいて、Cash Flowを見落とすというのは、起こりえない。
デリバティブの本質はCash Flowの組み換えなのだから。」
私 「ちょっと待って。それはいかにもFixed Income(FI)の発言だね。
デリバティブの本質は、この株をいくらで買いたいか?ということにある。
Cash Flowの組み換え?ガンマ無き者はデリバティブに非ず。」
と間違ったことを言いながら、思わず割って入った。
L君「FIフロアにおいて、ガンマという言葉はほとんど聞かれることは無い。
全てのキャッシュフローを書き出し、それを割り引く。
それが基本であり、デリバティブはそこから始まっている。」
私 「確かにデリバティブという概念を確立したのはFIの人かもしれない。ISDAなども極めて
FI中心の発想で作られているが、FIデリバティブがデリバティブの中心と思うなよ。」
とジュニアに語りかけつつ、もう止まらない。
「俺が思うに、エクイティ・デリバティブの歴史はFIよりも古い。
例えば、伝説の相場師ジェシー・リバモア。
欲望と幻想の市場―伝説の投機王リバモア エドウィン ルフェーブル Edwin Lef`evre 林 康史 東洋経済新報社 1999-04 |
彼が活躍したのは、場外馬券上ならぬ、場外株式取引所。
株式市場から流れてくるテープを読みながら、証拠金を預けて、上げ下げに張る。
外れれば、証拠金は召し上げで、当たれば差額をもらえる。
これは、Knock-Out Optionに他ならない完全なOTCデリバティブ取引で、ヤクザが仕切っていたか、金融機関が仕切っていたかが違うだけだ。
株式市場が存在と供に、それを元に博打をハル奴は必ず居たはずだ。記録こそ残ってないかもしれないが、エクイティデリバティブの歴史はFIよりも古いはずなのだよ。
これはキャッシュフローの交換か?将来の株価に賭ける博打こそがデリバティブの原点よ。」
と猛烈ラッシュ。思わずジェシー・リバモア出しちゃったよ。
L君の名誉のために言っておくと、彼は割引率、スワップ、クロスカレンシースワップ、キャップ・フロアー、スワップションという流れで、基礎からキチンと理解している人です。いきなり超エキゾチックをわけもわからずボタンを押してプライスしていたわけでもなければ、ガンマという概念がわかっていない人でもありません。
優秀だし、尊敬できる。ただね、たま~に、FI的発想が出たりすると思わず噛み付いちゃうわ。
ソシエテ・ジェネラルの大損
http://www.guardian.co.uk/business/2008/jan/25/banking.france
フランス大手銀行、ソシエテ・ジェネラルがトレーディングで約7-8000億円の損失を出したということは色々なところで書かれていますが、比較的詳細について書かれていたので元の記事は、かなり長いですが少しつまんでみました。
ただ、取り上げておいて言うのもなんですが、デリバティブ的にはこの事件は面白くありません。
先物をデリバティブって言わないで欲しい。(先物はデリバティブです。私が間違ってます。)
・トレーディング戦略の失敗ではなく、一人のトレーダーが起こした詐欺事件であること。
・損した商品は、先物と株であること。(超シンプル)
・システム的に取引を隠したところが、この事件の原因であること。
金曜日には怪しいポジションがあると会社側はわかっていたようなので、1日で見つけたとしたら
その時のマーケットは、EURO STOXX 50が18日(-1.75%)と21日(-7.59%)の下落で約9.3%。
ポジションはこの記事によれば、
先物2bil EUR(3000億円)、個別株1bil EUR(1500億円)、合計40bil EUR相当
と書いてある気がするが、
27日付会社発表にはメインはDAX20bil EURとユーロストック50 30bil EURと書いてある。
日経には全体8兆、DAXだけで損失の半分と書いてある。
どちらにしても、先物でやられたって話ですね。
推測するに、彼はDelta Oneトレーダー(先物・株などあまり計算する必要が無い商品担当)なので、あれだけエキゾチックの強い銀行の銀行内での地位は相当低かったのでしょう。
動機は、報酬ではなく、なんらかの記録を残したかったのではないかとのこと。
そして、この記事もこのように締めくくられています。
Financial markets are ruthless and a forced seller has always been easy prey.
前回も言ってますけどね。見てください、ユーロストック指数。彼らがポジション解消に3日かかったそうですが、売り終わった水曜日。3577.99で直近最安値で引けています。
また底で売った例を一つ追加。Limitが無い世界なら、彼は天才だったかもしれないっすけどね。
Delta One、Index&Large Cap、かつLongとかって幼稚なポジション取るヤツに叡智があるとは思えないが。
恐るべしJump DiffusionとVAR-SWAP
行って来いの相場展開。Holderとしてはホッと一息なのかもしれません。
この相場展開が、VAR-SWAPのValueにどのように影響を与えたのか見てみましょう。
VAR-SWAPとはVarianceのSWAPで以下のような取引となります。
Vega Amount ×100/(2Strike){252×Σ[Ln{P(t)/P(t-1)}^2]/N-Strike^2}
P(t)は毎日毎日の株価の引値です。
1日辺りどのくらい動くとBreak Evenかは{}の中を計算すればよく、
Ln{P(t)/P(t-1)}が毎日同じとすれば、N日分のΣと1/Nがキャンセルするので
252×Ln{P(t)/P(t-1)}^2-Strike^2=0のポイントとなり、Break Even=Strike÷√252となる。
HSCEIの6ヶ月のVAR-SWAPがStrike=40%を500K USD Vega Amount取引できたとしましょう。
Break-Evenは40%/15.87=2.52%となります。
直近のHSCEIの値動きを振り返ると
日付 Index Log Return
2008/01/23 13279.53 10.87%
2008/01/22 11911.91 -12.75%
2008/01/21 13531.45 -7.34%
2008/01/18 14561.32 0.55%
2008/01/17 14481.41 3.27%
この2日はBreak-Evenを大幅に超えるReturnで、他の日が全てBreak-Evenの2.52%で振る舞い
-13%と11%が2日含まれると実際満期でナンボ受けることになるか考えてみましょう。
Vega Amount ×100/(2Strike){252×Σ[Ln{P(t)/P(t-1)}^2]/N-Strike^2}
は長いのでまた{}の中だけ考えると、
252×Σ[Ln{P(t)/P(t-1)}^2]/N-Strike^2
第一項は、6ヶ月契約なのでなので、252とNをまとめて考えれば252/Nは2です。
全てBreakーEvenの場合Σ[Ln{P(t)/P(t-1)}^2]は
2.52%^2×126(252/2です)=0.08
2.52%^2×(126-2)+(-13%)^2+11%^2=0.078745+0.0169+0.0121=0.107745
100/(2*40%)×{252×0.107745/126-0.16}=6.93625
Vega Amountが500Kだから�、おーう!
3.5milも儲かってるじゃないか!
500Kって結構なVegaですけどね。
続いて、もうちょっとエグく個別株
857 HK 世界一のペトロチャイナ君
2008/01/23 11.30 16.10%
2008/01/22 9.62 -16.10%
2008/01/21 11.30 -8.80%
2008/01/18 12.34 -0.32%
おーう!もーうダメだー!何兆円の時価総額が消えたり生まれたりしたのかわからーん!
同じく6ヶ月45%で取引したら、ついでだからこの3日分の値動きを入れると
2.836%^2×(126-3)+(-16%)^2*2+9%^2=0.098928+0.0512+0.0081=0.158228
100/(2*45%)×{252×0.158228/126-0.2025}=11.4
取引額の11倍!
50KのVegaを売っただけで3日で0.5mil飛ばしてしまうと言う�。Implied Volatilityが全く変わらないとしてもね。
今週、あなたは笑いました?泣きました?
Worst Option ~香港より愛を込めて
私が始めてWorst Optionに出会ったのは2004年。
もちろん理論上定義できるが、そんなバカなオプションは誰もやらないだろうと思っていた。
3銘柄の2年のPut、計算結果に思わず目を疑った。こんなバリューあるのか?
3つもあればどれかは下がるか…とも思えるが、あまりにも凄まじいValueとGreekはVanillaに帰着させて連想するといういつもの手法が通じなかった。
なんでも香港の投資家がWorst Putを売りたがっているという。
彼らの基本的な考えは、日本のVolatilityは高い、またここから日本は持ち直すだろう。その過程においては全ての株が上がる。75%StrikeのWorst Fwdと95%のDigitalを買う、というのが具体的に上がって来たDerivative投資戦略。
これすなわち、25%割引で株を買い、あまったプレミアムでDigital Callを買い年率30-40%のハイパフォーマンスを楽しむというなかなか小粋な投資。結果として2004-5年のJapan Recoveryで日経平均が10000-11000円をうろうろしていた間も凄まじいReturnを上げた。最近の新聞記事に見られる日本離れとは全く逆の状況で当時は日本株がとてもアツく、日本国内に弱気論が渦巻く中、海外の誰もが経済回復を信じていた時代だった。
日経225の100%Strike 60%KI Putを売ってわずかなPremiumで満足している投資家達よ。ツメの垢をせんじて飲め。
この投資家の叡智に惚れ、香港に対して興味を持ち、好きになった。このオプションとの出会いが、きっかけで香港に居るといっても過言ではない。
Global Basket Correlation
1.営業日問題
2つのペア、例えばトヨタとホンダなら、上場している市場が同じなので、特に問題はありません。
yokokenさんのWebのようにGoogleとトヨタの場合はどうでしょうか?
流石に彼はその問題をわかっているせいか、Toyota(ADR)を使っているので、同じニューヨーク
市場なので営業日計算の煩雑さを考える必要がありません。
ただ、東京に上場しているトヨタとGoogleを比べた場合、2つは、営業日が違います。
Date Stock A Stock B
12/24 100 100
12/25 101 X’masで休場
12/26 100 102
この場合、2つの方法が存在します。
Stock Bの25日の株価を100として計算。
25日はサンプルとして扱わず、26日のStock AのReturnを26日株価/24日株価で計算。
トレーディング感覚にあうのは後者です。なぜならばStock Bは25日に100でトレードできないから
です。またCorrelationは、ペアに対して存在するので、2つの株価が同時に存在しない25日は
サンプルから外すことに違和感がありません。
2.影響度合(主導権)問題
個別企業同士のCorrelationは、影響を見るのは難しいかもしれませんが、Indexの場合状況が
変わります。例えば、日経とS&P500の相関を計算するケースを考えましょう。
上記のように営業日を考慮しながら計算したとしてももう一つ考える必要があるのです。
日本における朝の行動を思い出しましょう。
ニューヨークダウがいくら上がったのか?って気にしていませんか?
一日は、東京から始まって、アメリカで終わるのです。
アメリカが上がったら日本も上がるというのは、正確には
昨日のアメリカが上がったら、今日の日本も上がるということになります。
それを反映させるためには、同じ日のログリターンの変わりに、アメリカの株価の列を一日ずらし
て計算すると面白いほど相関が変わります。
この違いはアメリカには日本は全く影響を与えていないと言う悲しい事実を示すものですが�
(ご参考)
3.Correlation(相関)の計算の仕方
(1)統計学上の定義
http://www.sci.kumamoto-u.ac.jp/~ohwaki/fluctequation/correlcoef/correlcoef-1.html#correlcoef
(2)株式市場における計算方法
株式の相関を計算するときには、通常、株のログリターンln(S(i+1)/S(i))をペアで入力します。
株の観測という点で、トレードする頻度や期間に応じて以下の2つを決定しなければなりません。
周期 Daily、Weekly、Monthly と 期間 20Days,250Days、52Weeks
ちなみにWeekly計算は、簡単に上記の営業日問題を回避することが出来ます。
Weeklyの株価の定義ってのは人によって違うかもしれないので注意が必要です。
Weeklyって何曜日の株価ですか?
採用した曜日、例えば金曜が休みだったときは、いつの株価を入れるか?(木曜or月曜?)
満期繰上特約付円定期預金
これも昔話ですが、とある先輩からの質問
満期繰上特約付円定期預金、これすごい儲かりそうなんだけど裏教えてくれや~。
3年または5年満期の仕組預金、期間延長特約付 金利1.0%
とか書いてあるわけだな。
”とある先輩” 財務諸表レッスンの題材で、早とちりして、キャッシュリッチ会社発見!
といった人ですが、色々聞いてくるので、話をしていて、面白いんですよ。
答え
5年で年率1%台のリターンで満足なら日本国債でも買ったらいかがでしょう?
日本政府が元本保証してるし、預金保険機構よりも安全?
これが答えなのですが、さすがにウラの仕組の解説になっていないので。
先輩は自分で3年または5年が選べると思っていたようなのですが、違います。
銀行が選べるのです。通常の5年定期よりも若干高い金利は、その権利の値段です。
その価値は以下の例で簡単に説明できます。
5年定期が1%、特約条項付が1.2%とし、3年後に金利がまた0金利に下がった場合
特約条項付仕組預金は、3年で償還します。5年間で見たとしても2年間は0金利なので
1.2%×3年+0%×2年=3.6% にしかなりません。
一方、5年定期にしておけば、その後、どのような金利になろうが
1%×5年で5.0%はもらえるのです。
金利のVolatilityの売りなので、金利低下時には3年定期になってしまうことへの対価です。
金利0、配当0(0Drift) ATM Call のDELTAは50%? 50%超? 50%未満?
幾何ブラウン的にはDeltaはN(d1)で、d1の中身がσ√t/2が残るからとも言えるのですがね。
それではただ単に本の内容を覚えているに過ぎない。
私がDerivativeの経験者として、求める答えは、直感的解法。
Zero Driftだから、将来の株価の期待値は現値に等しい。Volatilityを無視すれば、つまり、
Volatility->0にすると、絶対ATMの上にいるから、ATM越えの確率はピッタ50%でDeltaは
1×確率50%で50%と言える。
一方、逆の想定を考える。
Call Optionの最大値は株に等しい。(Volatility->∞ならPremiumはSに近づく)
ゆえに、ボラが高ければ高いほど、株になるわけで、株は当然Delta1だから1に近づく。
Volatitlityが非負である以上、Deltaは0.5から1の間に居そうなので50%超。
これがマーケット的にスマートな説明だと思う。
ちぃと理論的なので、私にとってはベストではないがこんな風にも答えられる。
Volatility無限大と同じような効果で、長~いオプション見てると株価が幾何ブラウンという
想定が直感的に相当キモいんだがあえてそれを考える。
幾何ブラウンを想定して、100年後の株価はどういう分布になっているか?
長くすればするほど、モンテカルロで発生させたほとんど全ての株価は0近辺に張り付き、
一点だけアホみたいに成長しているというようになるだろう。
0Driftだと期待値100%、そして、Volatilityを100年間維持するためには上と下にかなり触れて
なければならない。下は0で抑えられてるから、平均から外れた異常値は上で取るしかない
ので、一点だけ上にぶっ飛ばし、ほとんどが下に集中することでVarianceを保つ。
これは究極の状態だが、Volatilityが高い、あるいは、期間が長い状況下では下に居る確率
が99%になる。だから確率は50%ではなく、下に居る確率が高いからATM Strikeは50%を
超えるともいえる。
初めて会った時から好きだった
デリバティブ、これこそ私が一番自信のある分野なのですが、
世に広く知られているわけではないので、少し遠慮気味に始めてみました。
私が出会ったいくつかの面白い問題を投稿していくつもりです。
金融関係者は面接の時に使ってみて下さい。問題はシンプルですが
答え方次第で、デリバティブをどの程度理解しているか簡単に見抜けます。
「私は、確率微分方程式は使わずにデリバティブを説明できる。」
というとみんな「ホントかよ?」って顔をします。
多少の数学は使いますが、これからそれを実践して見せます。
今日は、初めなので問題には触れず、私とデリバティブの出会いを紹介します。
日本で証券会社に入社すると証券販売員としての外務員資格を取らされます。
1種と2種があり、2種は、株や債券などに対する資格です。
1種は、先物・オプション取引などいわゆるリスクの高い商品についての資格�
と仰々しく書いてあり、なんだかとても怪しげな存在でした。
なんだ? 先物・オプションって? 小豆・とうもろこしとかかな?
って思っていたのです。
入社して数ヶ月目、支店研修中、「先物・オプションってなんですか?」
って聞いてみました。そこで、先輩社員がおもむろに日経新聞を取り出し、
「オプション・ワラントは、俺の得意なやつだ。バブルの時はよくやった。」
見ると、日経の マーケット総合欄の下の方に、株価指数先物・オプションとある。
「コールは、株が上がったら儲かんだよ。例えばこれな。」
コール 行使価格 16500 終値 30 のところを指差してる。
「月の第2週金曜に日経が17000円になったとしたら、17000引く16500で
500円貰えんだよ。30円が500円だぞ。今日経が15500円だろ?
株が10%しか上がらなくても、オプションは10倍以上になるんだ。
レバレッジが効いてて面白いだろ?」
次は プット 行使価格 14500 終値 70 のところを指差しながら
「プットはその逆な。10%下がったら14000円だろ?14500-14000で、また
500円貰えるわけ。70円が500円ね。儲かるだろ~?
でもな、コールもプットも、もし第2週金曜までに上がらない(下がらない)と
紙くずなのよ。つまり0円な。紙くずなるか?10倍か? すげーリスクあんだろ。」
これを聞いて、�惚れた。一瞬で惚れた。
「あっ!これだ」って思った。
そして、7年近く経った今でも、デリバティブを愛している。
この言葉に、一点の揺らぎも無い。
おそらくこれから書くであろうデリバティブの内容はデリバティブ業務従事者
意外には理解できない内容かもしれないが、それでもあえて書きたい。
読んでもらえば、私のデリバティブに対する思いが本気であることが
わかってもらえると信じている。
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