ブログ書いてないからって引退したわけじゃないぞ。バリバリ現役だ。じゃ、まず結果から。グラフ1

オレンジがダンシングドラゴン、青がS&P500である。見事な暴落対策になっているだろう?
2008年プラスの男(当時は金融機関に勤めていたためデリバティブではなくJPYで儲けた)、2011年3月、日本市場の東日本大震災の時の再来、俺がまぐれだと思っていたか?

ダンシングドラゴンとは、俺が考案したオプショントレーディング手法である。詳細は、
一族アセットマネジメント採用試験ヒント1/3~手法のまとめ
https://ichizoku.net/derivatives/20150122/listed-options-trading-summary/#more-1810

ポジションの構築の仕方からリスク特性まで、すべて説明してある。少し理解が難しい、その理由は株のBuy&Holdと次元が3つ違うからだ。

株は株価Sの1次元空間上の決断だが、先物は満期Tが加わる2次元、オプションはそれに行使価格X加わる3次元。STRDやFLYなど組み合わせたとしても「オプション戦略」は3次元なのだが、それを動的に取引するとなると実時間tが加わって4次元になる。例えば、1M‐STRDを毎日売り続けるって戦略は、今日のSTRDと明日とでスポットが異なるから実時間tが入る。

※Calender Put Spread(通常のカレンダースプレッドと違う俺のオリジナル、詳細は手法のまとめに書いた)を組み続けて1~2年経つと、ポジションはこのような形になる。グラフ2

しかし、今回の上昇相場は、リーマンショック以来12年も続いたわけであるが、長い上昇相場下でダンシングドラゴンのイントリンシックバリューは右にシフトしていく。このグラフのように現値0%とすれば形を維持するようにポジションメンテナンスしていくということだ。2013年から始めたから7年も待ってしまったぞw

グラフ1とグラフ2を合わせて見ながら解説していこう。グラフ1の損益の推移は大きく3つの期間に分かれる。

Phase 1.組成と維持
ひたすらCalender Put Spreadを組み続け、Deep Out Putをかき集めながら、デルタロング、ガンマショート、ベガロングを維持する。どんどんスポットが上がっていく中でグラフ2の形を維持するということ。

Phase 2.絶望の上場来高値
2019年9月以降S&P500がほぼ一本調子で上がっている。高い…高すぎる。だから、Calender Put Spreadを新たに組むのを止めて、上がるとグラフ2の5%から20%、イントリンシックは平らだが、理論値評価が下がる。だからデルタショート、ガンマショート、ベガロングが4か月くらい続いたわけ。きちんと踏まれてマイナスになっているが、無限にやられないデルタ・ショートなのがわかっているので、放置。

Phase 3.絶好の狩場、コロナ大相場の到来
グラフ2の-10%から-30%の領域に突っ込むのであるが、この領域ではガンマロングのベガロング。グラフ2の水色の線、3%Vegaだから違いが分かりにくいが、コロナ大相場で2yearのImplied Volatilityいくら上がったと思うね? IVが15%から35%、約18-20%の上昇だ、ヒャッハーの世界の到来だ。じゃ、+19Vegaくらい? 違ーう。それ以上だ!www なぜなら、このポジションはVanna ShortのVolga Longなんだ。ATM近くの1y売ってFar Outの3yが蓄積していると近似すれば、大体そうなってるのがわかるね? 下落相場でVega Longが恐ろしいほど膨れ上がり、IV30%超でプットを売りまくれる。俺はこの説明でも伝わると思うのだが、

yokoken・レノ君「それちゃんとシミュレーションしたの?なんか理論的根拠あるの?」
俺「…」
yokoken「じゃ、結局、相場観ってことね、フン」
というアイツの嘲笑が聞こえてきそうだが、見ろ! そうなってんだよ!
レノ君はな、「頭の中で計算してるんですか?すごいですね」
って言ってくれたぞ。有栖川氏のデータ解析能力をもってしても、4次元トレードのシミュレーション・シナリオ作成に無理がありすぎる。脳内補完以外に方法はない。

※有栖川氏:オプションの同志。詳細は、ブログ内検索してください。

前回の震災のトレードの瞬間を見ていた人物がいた。今回も同様に、フェーズ3で複数日にわたってプットを売りまくっていたのだが、そのうちの2日を見ていた人物がいる。

「ポジションはグラフ2の形です、今スポットは-10%くらいのところの位置です。Vanna Short Volga LongなのでVega Longが今日も下がればさらに拡大します。ショートタームのポジションはないのでショートタームのIVの変化は無視してますが、長期のIVは目下30%前後です。今日は寄り付き後、スポットの少し下のJUN21Pを売ります。寄り付きの後の乱れがあれば30分から1時間で決着がつきます。」

と現在のポジション状況とマーケット状況、そして今日の取引について説明しているのであるが、トレーディングフロアの会話? ならなんで複数日の2日だけなんだ? しかもシンガポール時間の21:00、NYは21:30からだ。俺は金融機関に勤めてない。トレーディング@キャバクラ、という人生初体験してしまった。コンピューター画面見つめてる自分の姿は、オタクそのものなので、女性の前に晒したくはなかったのだが、利確してるくせに、おごってもらっちゃいましたw 異様な会話と、95%が数字で埋め尽くされていて日本語が一切ないコンピュータースクリーンにキャバ嬢も目が点になっていましたね。

1年を20日で暮らす良い男、甘いな、12年を7日で決める良い男だ。

後日談だが、有栖川氏が2004年から現在に至るまでの16年間のS&P500とオプションのデータを取得し、シミュレーションしたところ、1M Straddleを売り続けてマイナスになる瞬間は2008年と2020年の2回しかない。その瞬間、安易なポジティブキャリー創生をおこなっているプロから私への所得移転が起こるのだ。「12年を7日で決める良い男」というのは決して大げさな表現ではない。2020年はNY市場のSoQに暴落の底が近かったこともあり、2008年よりも被害が大きく、この16年の結果、1M STRDの期待値はマイナスにまで食らいこんでいる。シミュレーションシナリオをうまく組めば、2回の暴落効果を分散して評価し、ATM Optionの期待値をゼロと導けると予想するが、私はそこまで深追いしない。S&P500のオプションほど洗練された市場であっても、売り続ければ、ほとんど勝てるというのが驚きだ。多少のプラスマイナスはあるのだが、ATMでも2008年と2020年で一気に持っていかれる、それがオプションの価格なのだ。

みんなの関心は、昇竜拳のごとく、クリスタルカップのヒシアマゾンのごとく、暴落するS&P500を一気にまくるPhase3.「絶好の狩場、コロナ大相場の到来」 に集中することだろう。その期間だけに注目するのならばVIX Longや先物Shortの方がはるかに効率が良いし、収益率も高い。わかりやすさのためにPhaseを分けたのだが、そんなものはマーケットに存在しない結果論で、切り離せないからオプションに値段がついているのだ。仮にVIX Longを7年も続けてみろ、ほとんどゼロになってしまう。VIXのETFの価格推移がその証明の後押しをしてくれるだろう。だから、グラフ1の、小さな下落ではS&P500以上にやられてしまうが、S&P500に劣後しながらも上昇に追従していくPhase1のダンシングドラゴンの動きが本当の価値だということに気づくはずだ。

さて、では二番底が訪れたらどうなるか、3月に全部売りきってしまったので、今すぐ大暴落が来たら現在時点のダンシングドラゴンにはほとんど何の変化もない。次の大暴落まで、また2年弱かけて再構築、そして、ずっとロールして維持し続ける。

最後に後味が良くなるように、コロナ大相場の後悔の念を述べようと思う。暴落が起これば、ダンシングドラゴンはポジションスクエアに近づく。現金で株を買う絶好の機会となる。3月の頭くらいから、諸君らプロとは違う、経験がほとんどない素人たちが、「下がっているから株価買おうかなー?何が良いのかな?」と相談を受けていた。私が出した個別株投資の4つの条件。

1.日本ではなくアメリカの会社
2.あなたでも知ってる会社
3.Buy & Never Sell
4.CEOの名前を知らない会社 (注:彼らのレベルだとジェフベゾスもイーロンマスクもポニーマーも知らない可能性が高いw)

私は開口一番、「S&P500」と答えたのだ。しかし、なにせ日経新聞も旧約聖書も読まないような素人だ。「S&P500?NYダウ?何それ?」と返ってくるような連中だ。代替案として、誰でもわかる個別株、「4つの条件に当てはまる具体的な会社は、P&G,ウォルマート、マクドナルド、コカ・コーラ、ディズニー」と言ったところ、「ディズニー?150ドルから90ドルに下がってる?それなら買ってみても良いかも」とバカ女たちが言い出した。直接私が話しただけではない。「一緒に聞いていた奥さんがディズニーなら良いかも」って買う気満々になってるなどという報告もある。バカ女が買いたがる銘柄という悪印象に加え、あの押しつけがましい道徳観がそもそも嫌いだ。奇麗な英語でスラングなし、子供に見せても影響ない無難な内容。俺が好きなのはアンチCSR、不道徳ファンド、タバコ、酒、武器だ。ギャンブルも心情的に加えたいが収益性が今一つだw

このような個人的感情により、ディズニー78ドルを見つめていて、「安いね、買ったら?」とまでリアルタイムでアドバイスしていたにもかかわらず、ディズニーに対する嫌悪感で自身が動かなかったことを後悔している。2000年前半のLVMHを買わなかったことに対する後悔の繰り返しだ。Wikipediaの集合知に学べ! バカ女は、ビジネスモデルとかバリュエーションとか知らないから! それがディズニーの強さ。投資とかリスクプレミアムの世界ではなく、ディズニーに対する宗教的信仰心を侮ってはならぬ。