個人投資家としてオプションを取引するのは初めてという、”ど素人エキゾ”です。こんばんは。日本では市場関係で働いていると、先物やオプションなどのデリバティブ取引が禁じられているという、驚きあきれる日本の法律の名残で、日本を出てからも個人では、取引していなかったのです。
オプションの取引の意義(オプション取引を個人で行っていなかったもう一つの理由)
株もしくは先物のLong/Shortでは表現しきれない複雑な相場観を自分が持っている場合、オプション取引にインセンティブが生じる。
逆に言えば、オプションをやるからには、先物で代替できるようなエクスポージャーは意味がないのである。アベノミクスだかなんだかわからないが、今から上がる、あるいは今は調子に乗りすぎて高いという相場観ならば、先物の買いか売りで良いだろう。一方、「暴落はいつ起こるかわからないが、まだ起きそうも無い感じがしていて、株を買うのに絶好のタイミングとはとても言えない。」、言い換えると、「ショートで向かったら踏まれそうだし、ロングを新たに積み増すのも嫌だ」という相場観の場合、先物のLong/Shortのポジションは取ることができない。しかし、オプションはあらゆる相場観を表現可能なので、この相場観をオプションで構築すればよいのである。去年までは株に強気、Delta LongでOKと言い続けてきたが、今年も引き続きLongで行くものの、余った現金を株に再投資はしたくないレベルにまで上がってきている。このように考えるならば、オプション取引の絶好の出番なのである。
オプション口座開設 3日
本人確認、住所証明、投資経験等のお決まりのコース。投資経験の箇所で、株の取引年数10年以上、取引回数/年を1~10回と入力したら、取引回数が100回未満で経験不足!!と表示が出る。株道20年超の俺に対して失礼なw
オプション口座に向けて資金送金 10日以上
送金先登録、ある程度まとまった金額を第三者に送金する場合、送金リミット金額を上げるために、送金先を登録しなければならない。この手続きが私の銀行は、お手紙なのでお手紙が着くまで数日、お手紙が着いてから送金先登録を行うまで3営業日、送金してオプション口座に届くまで2営業日と気の遠くなるような日数がかかるのである。
リアルタイム・フィードの購入 0日
なんと個人向けとプロ向けでフィードの値段が違うのである。日本の個人投資家用証券会社において、リアルタイムフィードを金を出して買うようなことはあるのだろうか? どちらにしても当ブログ読者諸君(私も含め)は、プロ向けの値段(1500円/月)しか知らないだろうが、大証の個人向けリアルタイムは驚愕の200円/月である。
オプションの個人投資家に問いたいのだが、ここまで済んだ時点で取引始められるかね? 先物代わりにコール買いのみとか、プット買いのみというシンプルなポジションの場合は不要だろうが、私はオプション取引の意義で説明したように、そのような単純なポジションをオプションで取ることはない。カレンダーやスプレッドなどのコンビネーションを複数用いる場合、リスク=Greekが見えないと、さすがに怖い。その際、私はどうも業者の出しているImplied VolatilityやGreekが信用できない、かつまた、気に入らなくても仕様なので変更できないことから、こだわりの職人芸で自ら計算したいのである。
リアルタイム・フィード、Excel DDEのAPI
取引業者が無料のAPIを提供してくれていたのでそれを使ってみる。ディスカウント・ブローカーだけあってサービスが悪く、APIの仕様について質問してもヘルプデスクは答えられないというお粗末さだ。APIに求められている機能は実に単純、APIにおける、デリバティブの固有ID(ティッカーコード)のネーミングルール(アンダーライング、行使価格、限月、取引所などを指定する)、それからフィード項目のネーミングルール(Last、Ask Price、Ask Volume、Volumeなど)の2種類の規定に尽きる。日本語と英語の2ヶ国語で質問しても、要領を得ない意味のない回答ばかりで、まったく役に立たないのが逆に笑える。ヘルプデスクがこのような状態なので、多少面倒ではあったが、力技でマクロ処理を実行する。
【金融工学理論の実践】
2012.10.24 アメリカン・オプションをモンテカルロするのが難しい理由 2/5 ~Treeとモンテカルロの基本構造
2012.05.21|Calender Spreadのススメ3 ~期待通りの期待値曲面
2011.03.10: 史上最大のボロ儲け ~ポールソンという男 1/6
2011.01.31: 最強ヘッジファンド LTCMの興亡 ~崩壊への序章
2010.10.25: 三田氏を斬る ~金融工学の理解と解釈
2010.09.15: 株メール Q7.株価のマルコフ性
2010.07.01: 数学を使わないデリバティブ講座 ~リスク中立
2010.01.25: 50% Knock-In PutのPremiumって実現できるの?@最終章 LVの要請
2009.11.10: 為替オプションの基本勝ちパターン? プッ
2008.10.13: 株と通貨の相関
2008.01.21: 悲しい時は、中立測度変換
2007.12.26: Global Basket Correlation
ついに始まりましたか!
このシリーズは凄く楽しみです。
1/2はおさわり程度。2/2はキテると思います。ついてこれる人がどれほどいるかわかりませんが。
最近デリバティブ関連の記事が少なく寂しく思っておりましたが、また楽しみにしております。
(ちなみに、前回のドキュメンの話も面白かったです。)
デリバティブ記事を期待されている方には申し訳ないと思っています。今日もデリバティブの記事は書いていたので、後にアップしますが、「ソニーの新株予約権社債のリパッケージについて、ブルームバーグや闇株新聞の表現が適切でない。」
とかいう、デリバティブの正しい理解と布教活動を基にした説教臭い記事でして、私としては新しい発見や成長があったわけではないんですよね。デリバの記事は力作であればあるほど、誰もコメントできないようなオタク記事になってしまう傾向がございまして・・・
http://www.ichizoku.net/2013/03/coco-bonds.html
とかシャネルの画像まで引っ張ってきて、お洒落ジョークをかましてみたつもりのに、シーン・・・。理解できる人間が限定的過ぎて、下手にコメントすると特定されるからコメントできないという事情もあるのは承知しているのですがね。
数値で言うとアジア夜遊び系の記事のアクセス数が圧倒的なので、ついつい力が入ってしまうのですが、ブログを商売で書いているわけではないので、昔からご愛読いただいているヘビーユーザの方の意見は尊重するつもりです。
今後ともよろしくお願いいたします。 インドネシアのすんごいところから アジア一国一愛人構想実行中のエキゾより