何かと思ったら、12日に発行した新株予約権(ワラント)をドイチェが引き受けている。(笑
お手盛り、ポジショントークニュース。アナリストも大変だね。

Sep 14 2011 リソー教育:ドイツ証支援により事業規模を2倍に拡大-収益増強狙う
【記者:日向貴彦】
 9月14日(ブルームバーグ):麻布、開成、武蔵などのいわゆる御三家中学への合格実績を持つ進学塾「TOMAS」で知られるリソー教育は、今後5年間で教室の数を250程度に倍増する計画だ。収益拡大を狙う。同社の岩佐実次会長が明らかにした。
 富裕層を対象に創業以来増収を更新しているリソー教育は、首都圏を中心に教室を拡大することで、生徒数も4万人規模に倍増させる。また、現在M&A(企業の合併・買収)に着手しているほか、海外進出も検討している。同社はドイツ証券に自己株式を引き受けてもらい42億円を調達する。教室向け物件確保をはじめビジネス拡大などに使う。
 リソー教育は1985年に創業。TOMAS、伸芽会、名門会などのブランド名で、個別指導を主に首都圏で展開している、麻布、開成、武蔵、女子学院、慶應義塾中等部などの難関中学に11年は904人の合格者を出している(前年同期比720人)。授業料は年間で100万円と日本で最も高い。
 岩佐会長(62)はブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、「首都圏を中心にさらにビジネスを拡大していくほか、海外にも進出する方針だ」と述べ、「共存・共栄できるところがあれば、積極的にM&Aを行っていく」との考えを明らかにした。
 少子化社会において、同社は創業以来26年間増収を更新している11年2月期の収益は188億円、前年の173億円から増加した。株価も東日本大震災以来、17%程度上昇している。

このニュースの2日前にドイチェが引き受けていたファイナンスの概要
riso-warrant.jpg
今回は素人向けに解説しよう。この発行している新株予約権は、当初価格だとか取締役会決議が・・・というところは見なくてよろしい。「下限行使価格 5070円と終値の93%に修正」のところだけ理解すればよい
1.株価の終値が5460円になれば、
その93%の5077円でリソー教育は新株をすりドイチェに渡すということである。
ドイチェは5077円払って、時価5460円の株を手に入れるので、その値段で売れれば、383円、全体で約2億円の儲けとなる。
一方、リソー教育は5077円の払い込みがあるので、資金調達の額は42億円と書いてあるが、30億円程度でもかまわないと思っているということがわかるファイナンスなのである。この30億円という金額はリソー教育のバランスシートを見る限りかなり巨額であり、現在ある借金のほとんど全てを返済してしまうほどの規模である。一方で、株の時価総額は200億円程度あるので、30-40億のファイナンスはそれほど大きなわけではない。かつまた、単純な株によるファイナンスではなく、下限価格が現在の4500円-4700円よりも上に設定されているので、既存株主を大きく傷つけるわけではない。
2.株価の終値が後1年間、5460円よりもずっと低い場合、
取締役会は行使価格修正もできず、ドイチェは新株予約権の行使はできない。
ということになり、ドイチェが2億円も儲けてけしからんということではない。株が上がらないと、ドイチェは何もできない。だが失うものはなんと300万円。別にどうでもいいね。おそらくヘッジもしてない。
ヘッジとは、ドイチェの立場に立って考えた時、株が上がれば2億の儲け、上がらないと300万円の損ということは、その収益を平らにするためには、株を空売れば、それが平準化される。300万円の損失を回避するためにわざわざ借株をして、しかも儲けの一部を小さく確定させるようなことはおそらくしないであろう。
とすれば何をするか? アナリストに、わめかせたと・・・。こりゃ別に追加コストかからんしなぁ。
【アナリストの実力と株価予想】
2010.08.09: 株メール Q1.企業業績以外で株価が上がる理由
2010.03.10: オプション取引に警戒感
2009.12.02: 金融犯罪に手を染めた元米ミス・ティーンの転落人生
2009.09.23: デリオタおじさん
2009.09.15: OptionのNewsはどうしてこうも気色悪い書き方なのか
2009.01.21: アナリストの前で言っちゃいけないこと
2008.12.26: 将来の株価をVolatilityで予想ってお洒落
2008.07.21: GS オプション株価予想の結果
2008.07.01: すばらしきAnalyst様
2008.06.03: VND ドンドン売られる
2007.12.18: 株式市場の将来の方向性