グリーンシューオプションとは、
売り出しの際、引き受け証券会社が、オーバーアロットメントで売った株を募集価格で買い戻すことができる権利。
また東証より引用すれば、
http://www.tse.or.jp/glossary/gloss_k/ku_greenop.html
オーバーアロットメントにより主幹事証券会社が投資家に販売した株券を借入先へ返却するに当たっての
株券の調達方法の1つです。 販売後の市場価格が募集価格よりも高く推移している場合、主幹事証券会社
は市場で株券を調達すると割高になってしまいますので、そのような場合、募集価格で株券を調達できる
コールオプションを権利行使し、募集価格で株券を調達した上で借入先の株主に株券を返却することと
なりますが、この募集価格で株券を調達できるコールオプションのことをグリーンシューオプションと言います。
行使価格=募集価格、満期=追加売り出し期間、株数=オーバーアロットメント×15%
(上限なだけでそれより少ない場合もある)とすれば、Call Optionになる。
一方、このグリーンシューオプションの時価ですが、Risk Neutral Valuationが適切かどうか甚だ疑問です。
ストックオプションの時価評価をどうすべきか? というのも同様の問題です。
売り出し期間中に、Call Optionの転売や、株によるデルタヘッジは、コンプラ的に極めて難しい。
ストックオプションの場合は、従業員・役員はInsiderなので、Delta Hedgeは難しく、オプションとしての転
売もできません

単純に考えて、ボテっとHoldしているだけのオプションの価値は、株価-行使価格以外の何者でもないわけ
でVolatilityがどうのとかまったく関係ないのは素人目にも明らかです。少し理論ぽく話すのであれば、
モデルの想定として、Complete Market(市場完備性)が大きく崩れているという指摘がありましょう。
直感的に考えても、この強い制約条件がある以上、世の中にあるCall OptionとGreen Shoeが同じである
とする方が不自然なのではないでしょうか?
Optionの仕入れ値はタダ(もちろん売り出しの際の手数料はOption Valueが差し引かれていると考えも
あろうが)だとすると利益供与になっちゃうぞ。
オプションと名がつけば、なんでもRisk Neutral Valuationという風潮はいかがなものかと思います。
時価の無い有価証券ならぬ、時価の無いオプションとして評価してはいかがでしょうか?
どうしても時価評価したいのであれば、Intrinsic Valueで良いではないかと思います。
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