AccumulatorとはKnock-Out Forwardの和であり、最も一般的なのは
Strike Price(現値以下、例えばTrade時Spotの90%)で1年間(250営業日)毎日株を買い続ける
ことができる。ただし、一度でもKnock-Out(現値より上、例えば105%)に触れると契約は終了する。
*毎日買える株の数量は1営業日分。またの名をKODA(Knock-Out Daily Accumulator)と呼ぶ。
90%-105%の間で株が推移した場合
90%で株を買い続けることができるので差額が益になる。
現値100%で終われば100%÷90%(買値)で約11%の益となる。
105%以上株が上がった場合
同様に儲かるのだが、契約が途中で終了してしまうので、投資した金額全額分買えない。
例えば契約して3日後に105%まで株価が上がってしまった場合、3日分しか買えないので、
投資金額全体で考えると(105%-90%)/90%×3/250=0.2%しか儲からないことになる。
90%以下に下がった場合
90%で株を買い続けなければならないので差額が損になる。
株のデリバーは通常一か月分に相当する株数を1ヶ月ごとにセトルするので、セトル後はいつでも
好きな時に株を売れる。
また仕組債形式の場合は、投資元本を最初に払い込むが、Accumulatorで最もメジャーなのは
スワップ形式となる。
スワップ形式の場合、証拠金管理の問題は別として、金は一ヶ月ごとにデリバーの株と交換する形で
支払われるのでFull Notional相当のキャッシュは必要ない。
また、Put部分にレバレッジをかけ、Strike Priceを下回ったら2倍の数量を買わなければならない
という形を取ることでStrikeをさらに下げることができる。(当然ハイリスク)
以上が商品性の概略であるが、
Accumulatorアキュムレーター≒I kill you laterアイキルユーレーター
とまで揶揄され投資家に多大な損失を与えたAccumulatorが復活している理由を3つ述べよう。
1.Simpleな株式投資(Target Buy)に近い。
株の爆発的回復が落ち着いてきたこの相場環境を見て投資家はVolatilityを売りたくなってきている。
個別銘柄Vola売りの代表格、通常Put Short(=EBもしくはReverse Convertible)
は1-3ヶ月が主流であるが、Accumulatorは期間が長い分、Strikeが下がる。
2.Exitが容易。
途中のPhysical Settleがあるため、Settleすると同時に株を売っていくと、期間が過ぎると
Equity Exposureが減っていくのでRiskを投資家が自分の意思で減らすことができる。
3.Counter Party Riskが限定的。
リーマンのミニボンドで、リーマンのCredit Riskの説明が無かったとして問題になったことから
販売金融機関が神経を尖らせる中、SWAP形式が主なので、Bond・仕組債形式で発生する
Credit Riskの心配がない。
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