有森隆、また買っちゃった。書いている人も同じ、ネタも同じなんだから前進ないだろと思っているのにまた買ってしまった。
第一章 ヤミ金の帝王 梶原進
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主要ストーリーは、知ってるね? 常識として省略しますが、サブストーリーを・・・
名簿屋は東京・目黒区の広告代理業を表看板にしているアルフデータ。広島県警は、2003年アルフデータ会長や役員ら3人を出資法違反(高金利)幇助の疑いで逮捕した。約320のヤミ金業者に、約6万人の多重債務名簿を一人当たり約70円で販売、年間5億円の売り上げを上げていたという。多重債務者の名簿はパソコンで管理されており、勧誘に乗りやすい多重債務者ばかりをリストアップするなど、工夫を凝らして名簿の利用価値を高めていた。顧客情報を管理するコンピューターソフトを開発した「アキバ先生」が2003年に逮捕されたのだ。逮捕されたのは水城憲二容疑者で、ヤミ金融の店舗を統括する「センター」ごとに5,6台ずつ、総数で150台になんなんとするパソコンで水城が作成したソフトがフル回転していたという。警察に通報する恐れのある客には「K」、弁護士がついていて無理を重ねれば苦情が寄せらせそうな客には「B」という符号までつけられた、すぐれものだ。水城はソフト開発だけでなく各センター、各店舗のパソコンの修理を一手に引き受け、約2年半の間に8200万円の報酬を得ていたという。
黒いIT Engineerですな。
闇の献金 亀井静香代議士へ
『サンデー毎日』はこう書く。
亀井氏の資金管理団体「亀井静香後援会」の政治資金収支報告書には1999年から01年までの3年間、95年から96年の2年間に10万ずつ献金の記載がある。献金者の「梶山進」とは、指定暴力団山口組五菱会(静岡市)傘下のヤミ金融グループを統括していたとして8月11日、出資法違反容疑で逮捕された「ヤミ金の帝王」梶山進容疑者(53)のことだ。公表された報告書によれば亀井氏は5年間で計50万円、梶山容疑者から政治献金を受けていたのだ。そのころ亀井氏は何をしていたか。99年と00年の時点では亀井氏は政調会長として自民党の政策決定の責任者だった。今のところ亀井氏と「帝王」を結ぶ直接の利害は浮かんではいない。だが通常、政治献金する側にとって、何らかの見返りを期待するのは当然だろう。梶山容疑者はいったい、亀井氏に何を期待したのだろうか。
かめちゃん、可愛い名前だけど警察関係だからねぇ。くわばらくわばら・・・
1973年に貸金業規制法が施行され、金利の上限が73%に引き下げられた。さらに1986年に54.75%、1991年に40.004%になった。第二次は1990年代の商工ローンによる借金地獄だ。「肝臓1個300万円で売れ、目ん玉1個売れ」の恫喝取り立てで、全国に名を轟かせた日栄(現ロプロ)問題で商工ローンが社会問題化した。これがきっかけけで出資法が改正され、上限金利は現行の29.2%に引き下げられた。
いやー、なつかしいね。私もお金の話になるとちょっと怖くなるもんだから、「日栄エキゾ」と呼ばれていたことがあったなぁ…
「すいませんじゃなくてよ、俺が聞いてるのは、いつ返すんだ? ってこと。それだけ」。ニコッ
五菱会会長の高木康男容疑者は、梶山容疑者からヤミ金融の収益で購入した合計5000万円の割引金融債を分割して受け取った疑いがもたれている。割引金融債は典型的なマネーロンダリングの手段だ。
無記名式割引金融債、一族家でも私が子供の頃に大変にお世話になった金融商品ワリコー。この他に私が子供のころに心打たれた革命的金融商品を上げておこう。
6M into 10yearsのAmerican Swaption付 郵便定期貯金 
マル優廃止と供に出現した節税商品、預金型保険 一時払い養老
証券会社口座内で保有できる貯蓄型ファンド 中国ファンドこと 中期国債ファンド(チュウコクファンドと読みます)
税金対策の相談役は警察OB
コンサルタント会社、日本リスクコントロール社長、寺尾文孝、警視庁OB、1963-67年まで警察に籍を置いている。警視庁の第一機動隊員だった。名前が突如、スキャンダルがらみで登場するのはイトマン事件の導火線となった雅叙園観光、日本ドリーム観光の兄弟会社のお家騒動でだ。リスクコントロール者は「最高顧問」に元東京高検検事長の則定衛を担ぎ出したのをはじめ、元検察・警察の高級官僚のそうそうたるメンバーを揃えた。寺尾はここ数年、大型経済事件の裏でたびたびその名前が取りざたされてきた。クレイフィッシュの「株券搾取事件」や投資ジャーナルの残党による投資詐欺「エンジェルファンド事件」、安室奈美恵が所属する「ライジングプロ脱税事件」にも関わっている。東京地検がケイ・ワンの脱税事件に本腰を入れたのは、検察の大物OBが脱税の指南とはいわないまでも相談に乗っていたことを問題視したからだと言われる。
金融無法地帯 和歌山 射殺された副頭取
紀州の阪和銀行、ヤクザに預金を食いちぎられ、オーナー一族の30年間にわたる対立抗争で内部崩壊していった銀行である。戦後初の業務停止命令が下されたのは1996年11月21日、この日だけで15700の口座から250億円の預金が引き出された。阪和銀行の不良債権が公表額の4倍の1900億円に達し、貸し出していた資金の43%が回収不能に陥っていた。しかも280円の債務超過という惨憺たる内容だった。だが、倒産の本当に理由は別にあった。副頭取の小山友三郎が白昼堂々射殺され、内部関与説が出た。しかもその犯人が未だに捕まらない。捜査関係者は今でも銀行内部のある人物が捜査の本線だと言っている。こんな銀行を存続させたら次に何が起こるか分かったものではない。
あおぞら銀行 本間忠世はなぜ死んだか
米国経済雑誌フォーブス2001年1月8日号に本間の自殺に関して「闇から闇へ」と題する興味深い記事が掲載されている。
間接的な状況証拠を積み上げると、ヤクザが本間の部屋を訪れ、ピストルで脅して遺書を書かせ、鎮静剤を打ち、絞め殺して首つり自殺のように見せかけたのだというのである。ホテルの部屋は首つりができない構造になっており、死体は壁に寄り掛かるように倒れていた。女性週刊誌の女性セブンによるとタレントの森久美子が本間の隣の部屋に宿泊していて、インターネットで当時の模様を語っていたという。森は「叫び声やうめき声がうるさくて、ホテルに苦情を言った」のだという。しかし、女性セブンのその号が発行された時には森のホームページは閉鎖されていた。森のマネージャーはこの件に関するインタビューは断っているという。
結構、面白くない? Bookoffでなら、買う価値あるなーと思って、いつも買っちゃうんだ。

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