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古代オリンピックは、最高位に立つゼウスにこそ捧げられた祭典であった。その名も、ゼウスの神殿があるオリュンポス山に因んでいる。
違う・・・。オリンピックの名は、オリュンポス山ではなく、ゼウスの聖地オリュンピアだ!
やはりタイトルからしてチャラチャラしている感じはあったのだが、要はこういうクオリティで、浅く広く書かれている本だということがわかる。
「大人用の本だが、このように少し勘違いをして書かれている本もあるということだ。軽く読んでみるかね?」 父は、本を片手に微笑んだ。息子は本を手に取り、「このくらいの漢字なら読める。絵が多いし、一つ一つの話が短いね。」とオタク親子は、内容の希薄さに怪訝そうな顔をしている。
北欧神話
原典は「古エッダ」と「新エッダ」の2種類が残されていて、「古エッダ」とは9世紀から12世紀の間に作られた、古歌謡29篇を中心に構成され、長い間にわたって集められたものであるから特定の作者がいない。「新エッダ」とは別名「散文エッダ」といい、13世紀アイスランドの歴史家で政治家でもあったスノッリ・ストゥルルソン(1179~1241)が詩人たちのためにゲルマン神話解説書として編纂したものである。
ユミル ~北欧神話の創世記
古エッダには世界の始まりには大地もなければ天もなく、ただギンヌンガガプがあるばかりであった。ギンヌンガガプとは火の領域と寒冷の領域の間に存在している大きく口を開けている空虚のことである。ユミルはギンヌンガガプにある氷の塊が溶けた水滴から生まれたとされている。ユミルの脇の汗から次々と巨人族が生まれ、すべての霜の巨人族の祖先となる。いっぽう、牝牛アウズフムラが塩辛い霜の石を舐め、人の形になるとそれは最初の神ブーリとなった。ブーリは息子ボルをもうけ、そのボルが巨人族の女との間に生んだが、オーディン、ヴィリ、ヴェーの産兄弟である。ユミルは巨人族を増やし暴虐をほしいままにしていたが、オーディンを筆頭とする3兄弟は、そのことが疎ましくなり、ユミル殺しを決行する。ユミルが死ぬと血が大洪水となり、ほとんどの霜の巨人族は溺れ死ぬがユミルの孫のベルゲルミルとその妻だけは助かりのちに巨人族の復興を果たすことになる。またオーディンたちはユミルの死体をギンヌンガガプに捨てたがそうするとユミルの肉は大地に、骨は山に血は川や湖や海に、脳は雲に、頭蓋骨は空に、そして睫は人間の世界ミズガルズになったという。
インド神話
数千に及ぶ神の名前があり、それらのうちのある神とある紙が同一の神であるとされることもある。またそうではなく、違う神であるという異説もある。このような混沌こそがインド神話の最大の特徴なのである。そもそもインドは紀元前3000年ごろ、インダス文明が栄えた地であった。そこには独自の信仰があり、神々がいたが、現在それらの神々は当時の姿では残っていない。紀元前2000年ごろから中央アジアより進行してきたアーリア人によってインダス文明は滅ぼされたからである。このアーリア人の子孫が現代のインド人なのだが、彼らが進行していたのが天空神ディアウスやインドラ神などの神々であった。それらの存在は紀元前1500年~1200年ごろに成立した聖典「リグ・ヴェーダ」に書き記されている。天空神ディアウスはその正確も名前の語源もギリシア神話のゼウスと同一であるという説があるのは興味深い。
紀元前900-700年ごろ司祭階級であるバラモンが支配力を強め、古ウパニシャッド文献が編まれ、宇宙創造した最高神とされたのがブラフマーであった。紀元前500年ごろから仏教やジャイナ教などの宗教がインドに発生する。インドの2大叙事詩と呼ばれているのが「マハーバーラタ」と「ラーマーヤナ」だ。その中で重要視されたのがヴィシュヌとシヴァである。ここまで眺めてきたすべての神々を包括する形で紀元前2世紀からヒンドゥー教が形成されインド神話は完成を見る。
ハヌマーン 風の神ヴァーユの息子であり、サルの王スグリーヴァの使いである猿神ハヌマーンは並外れた俊敏さと空を飛び、姿や大きさを変える能力を持っている。ハヌマーンの物語は叙事詩「ラーマーヤナ」で知ることができる。このハヌマーンの神話が中国に伝わって、孫悟空の活躍する「西遊記」が生まれた。

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東 ゆみこ

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