君が代は世界でも珍しい非戦闘的な国歌
日の丸はかつての軍国主義の象徴であり、君が代は天皇の御世を指すとかいって拒否する人たちもまだ教育現場にはいる。君が代は他の国の国家に比べて、リズムといい、テンポといい戦いの前にふさわしい歌ではない。「さざれ石の巌となりて苔のむすまで」という箇所は自然の悠久の時間と国の悠久の歴史がうまくシンボライズされていて、いかにも日本的でわたしは好きだ。そこには、自然と調和し共生することの重要性と歴史の連続性が凝縮されている。「君が代」が天皇制を連想させるという人がいるが、この君は日本国の象徴としての天皇である。日本では、天皇を縦糸にして歴史という長大なタペストリーが織られてきたのは事実だ。ほんの一時期を言挙げして、どんな意味があるのか。素直に読んで、この歌詞のどこに軍国主義の思想が感じられるのか。
アメリカ国歌には「星の輝く旗は、まだはためいているか?」と問いかける一節があるのをご存じだろうか。独立後の1812年に起きた米英戦争の際、激しい攻撃を受けながらも砦に星条旗がはためく光景を歌ったものだ。戦意を高揚させる国歌は世界にはいくつもある。独立なり、権利なりを勝ちとった歴史を反映させようとするからだ。フランスの国歌「ラ・マルセイエーズ」は、はじめから終りまで「暴君の血に染まった旗が、われらに向かってかかげられている」「やつらがあなた方の息子や妻を殺しにくる」と激しい言葉が並び、最後は「進め!進め!汚れた血が我らの田畑を染めるまで!」というフレーズでしめくくられている。
ハハハ・・・、これ良いね。
自分が帰属する場所とは、自らの国おいて他にはない。自らが帰属する国が紡いできた歴史や伝統、また文化に誇りをもちたいと思うのは本来ごく自然の感情なのである。私はパスポートの例をあげて、「わたしたちは、国歌を離れて無国籍には存在できない」と述べた。しかしそれは旅行の便宜上のことばかりではない。そこに横たわっている本質的なテーマとは自分たちがいったい何者なのか、というアイデンティティの確認に他ならない。外国に住んでいたり、少し長く旅行したことのある人ならわかるだろうが、ただ外国語がうまいというだけでは外国人は深く打ち解けたり、心を開いてくれることはしないものだ。心の底からかれらとコミュニケーションをとろうと思ったら、自らのアイデンティティを確認しておかなければならない。なぜなら、かれらは「あなたの大切にしている文化とは何か」「あなたが誇りに思うことは何か」「あなたは何に帰属していて、何者なのか」-そうした問いをつぎつぎに投げかけてくるはずだからだ。初めて出会う外国人に「あなたはどちらから来ましたか」と聞かれて、「地球市民です」と答えて信用されるだろうか。「自由人です」と答えて会話がはずむだろうか。かれらはその人間の正体、つまり帰属する国を聞いているのであり、もっといえばその人間の背負っている歴史と伝統と文化について尋ねているのである。
そうなのだ・・・ここに書いてあることはとても重要だ。アイデンティティの確立、帰国子女やシンガポール人のようにアイデンティティが希薄な人たちを見ると気の毒に思うことがある。日本を信じられないという親御さんの気持ちもわかるがね・・・、最低限、自らの言語を持つ国に帰属させてあげた方がいいと思う。その意味ではアメリカも・・・駄目だがな。では中国か? アイデンティティの確立とは、中国語を話せるようになることではなく、中華思想バリバリの中国人になるということだ。そういうとちょっと嫌だろう? でもハンパモンはもっと可哀そうだぜ。
“行使できない権利”集団的自衛権
我が国自衛隊は専守防衛を基本にしている。他国から日本に対してミサイルが一発打ち込まれた時、二発目の飛来を避ける、あるいは阻止するためには、日本ではなく、米軍の戦闘機がそのミサイル基地を攻撃することになる。それは米国の若者が日本を守るために命をかけるということになる。だが、条約に規定されているからといって、自動的にそうなるのだと構えてはならない。なぜなら命をかける兵士、兵士の家族、兵士を送り出すアメリカ国民が、そのことに納得していかなければならないからだ。現在の政府の憲法解釈では、米軍は集団的自衛権を行使して日本を防衛するが、日本は集団的自衛権を行使することはできない。日本は1956年に国連に加盟したが、その国連憲章51条には、「国連加盟国には個別的かつ集団的自衛権がある」ことが明記されている。今の日本国憲法は、この国連憲章ができた後に作られた。日本も自然権としての集団的自衛権を有していると考えるのは当然であろう。権利を有していれば行使できると考える国際社会の通念の中で、権利はあるが行使できない、とする論理が、はたしていつまで通用するのだろうか。
【民族意識系】
2011.08.17: 実録アヘン戦争 1/4 ~時代的背景
2011.05.09: 日本改造計画1/5 ~民の振る舞い
2011.03.25: ガンダム1年戦争 ~戦後処理 4/4
2010.09.09: ローマ人の物語 ローマは一日して成らず
2010.08.02: 日本帰国 最終幕 どうでも良い細かい気付き
2009.08.20: インド旅行 招かれざる観光客
2009.08.14: インド独立史 ~東インド会社時代
2009.05.04: 民族浄化を裁く 旧ユーゴ戦犯法廷の現場から
2009.02.04: 新たなる発見@日本
3 Responses to 美しい国へ 2/3 ~平和な国家(国歌)
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まさしく君が代は戦闘的な歌ではないですね。
平和を愛する農耕民族の同志タイでさえも国歌は軍歌というのが驚きです。
2012.06.21|第二次タイ攻略 4/15 ソンクランと国歌斉唱
http://www.ichizoku.net/2012/06/Thai-national-anthem.html
平和を愛する農耕民族の同志タイでさえも国歌は軍歌というのが驚きです。
2012.06.21|第二次タイ攻略 4/15 ソンクランと国歌斉唱
http://www.ichizoku.net/2012/06/Thai-national-anthem.html