次の日、またYuちゃんが電話してくる。「今夜も遊んでくださーい」 えー、連荘かよー、と思いつつも暇だったので了承。Golden Mileで待ち合わせして、またタイ飯。Yuちゃん、パンケーキちゃんに加えて、オイルちゃんが参戦した。オイルちゃんは顔も化粧も服装も真面目な感じで、話を聞いていると、バンコクではやはりカタギの衆で、イベントの企画やスタッフをしているようだ。日本語の勉強の仕方も非常に熱心だし、なかなか感心である。タバコを吸いに外に出た時、Yuちゃんは目ざとく4面の仏像を見つけ、線香を添えて、お祈りを始める。4本ずつ、4か所に供えよと言うので、そのように。Golden Mileで働くいかにもお水な感じの子も普通にお祈りしているところが、日本との感覚の違いで面白い。みんなもお祈りするのか? と聞いたら、すると言っていた。内容はかなり「あれ欲しい」といった世俗的なお祈りではあったが・・・。女のブッダ(ブッキム?)と言っているのだが、何を意味しているのかはわからなかった。まだディスコには早すぎる時間、ここでゆっくり時間でもつぶすべぇ、とビールやジュースを各々に飲んでいたが、4人もいるせいか、余るだろうと思っていたタイ料理は、お新香感覚で全員でつまむので、残りもわずかになってきた。
さて、2回も同じディスコに行ったので、今日は別のところにしようと、タンジョンパガーのタイディスコを目指す。迷う。どこにあったか記憶が定かでない。Eu Tong Sen Street沿いにあったはずだったのだが、もう少しチャイナタウン寄りのPeoples Park Complexだったか・・・。店の名前も覚えてねーし、見つからないのでまたクラークキーへ・・・。China Townの旧正月のイルミネーションの観光案内できたから時間の浪費は許してくれと願いつつ。
Liang Courtの手前のディスコストリートへ・・・。Yuちゃんとはここを通ってNanaディスコまで行ったので、知っているはずなのだが、他の二人は「おー、いいねー」と早速はしゃぎだして、写真をパシャパシャ。たしかにあの通りは賑やかだ。女3人だと特に目立ちはしないのだが、その集団に私という異物が混在していると、ハーレム感たっぷりなのか、人目がほとんど気にならない、いや人目に気付かない私でもわかるくらい目線が飛んでくるのが、ハーレムナイトの醍醐味だ。
これだけディスコがあると、私に選べるはずもなく、「どこにするんだ?」 と聞くと、パンケーキちゃんが「Hollywoodがあるはずだっ!」というので、そこにしてみた。ほぅ、このディスコストリート、住所はRiver Valley Roadになるのか。3FのGrand Hollywoodに潜入した。店内、多少男とローカルが多いような気がしたが、「ここでいいか? 気に入らなかったら出るぞ?」と聞くとここで良いというのでシーバス・リーガル一本230ドル。多少高いが、土地柄しょうがねぇだろ、と妥協した。「ミックスは水とソーダとコーラ、全部持ってきて~」。最初に店員さんが作ってくれたんだが、酒の量が少ない。全員がウイスキーをドボドボ足して作り直し。Yuちゃんが「エキゾさんはロックだ。この人はビールあんまり飲まないけど、ウイスキーは強いよ。」と言い、あまり激しいペースで飲むなと合図を送ってくる。
しばらくして、ショーとダンスが始まるが、オイルちゃんが、「んだよブスだな」と暴言を吐き始める。「あれセクシーだけど、恰好だけ。全然可愛くないし、鼻はシリコンだっ!」と攻撃の手を緩めない。女は女に厳しいねぇと思っていると、Yuちゃんも機嫌が悪い。「やっぱNanaで飲み直さない?」とわがままを言いだす。「Nanaはエキゾさんにたまたま連れて行ってもらったところだけど、あそこは楽しい。ここは駄目だ。」という。私はダンスと音楽の質を語ることはできないが、確かに客層がこころなしかダサい。前に居たポリアングループなど6人男ばかりで、ビールのタワーをちびちびやっていて、会話や踊りがはずんでいる様子もなく、非常に暗い雰囲気だ。4人で飲むとテーブルの上も慌ただしい。氷やミックスがかなりなスピードで交換される。わがまま3人娘のご機嫌をとりつつ、シーバスを瞬殺して、Hollywoodを後にした。
Nanaに到着。頻繁に来すぎてて、入場は顔パス状態。ここはなんとシーバスが130だというので、また一本。さっきのシーバス飲み過ぎて滅茶苦茶酔っ払っていたが、ビールは飲めそうもないので了承。ポリアン4人組(男3人、ぶさいく1人)のグループの一人が声をかけてくる。「日本人? あー、まー乾杯」みたいな他愛もない会話だが、要は「一人で3人も独占してないで、僕にも分け前くださいよ」と友好反応を試してきているわけだ。酔っ払ってきてるし、眠いからお前ら好きにしろという意味で笑顔で杯を交わす。俺はお前らが俺に気を使いながら、タイっ子をナンパしてる姿見てるだけで楽しいからよぉ。5分もすりゃ気付くと思うけど、英語はあんまり通じないぜぇ、と意地悪な気持ちで高見の見物をしていた。ボトル半分くらい空けたところで酔いで眠さが限界に達したので、撤退した。久々にガツンと飲んだなー。二日酔い? 大丈夫です。
総括
しかし、よく遊んだなー。ハーレムナイト×3。3回は、やり過ぎ感あるが、KTVでチビチビウイスキー飲んで、カラオケ歌うくらいだったら、こういう方が楽しい。悪くない遊びだ。P-Pubのボトルキープ全部抜いて、夜遊びはハーレムナイトに切り替えてしまおう。タイっ子たち、可愛くて良い奴らで、こっちとしては申し分ないのだが、お水のプロとして二流、素人だ。儲けよう、カモろうという姿勢がなく、非常にお人よし、タイというのはそもそも、そういう国民性なのだろうが、その中でもガツガツいかないと競争で勝てないぞ。
余計なことをこちらからアドバイスするつもりは全くないが、まず第一に金の流れを重視することを怠っている。3日間も遊んでいくらの現金収入があった? 1ドルも客からもらっていないという事実を認識すべきだ。「飯もディスコもおごってくれてタダだった」くらいにしか思ってないところが甘い。店と結託して、そのぼったくり店に客を誘導するならまだしも、客の指定した店でおごってもらっても、客は単にマーケットバリューで買い物しただけで、自分に金を落としてくれていないことになる。「客がいくら使ったか」なんてのはどうでも良い! 「自分にいくら入ったのか」だけが問題だ
第二に、私と遊んでいる時点で、客を見る目がない。楽なのかもしれないが、限られたシンガポール滞在時間の中では相手にするだけ時間の無駄。私がお水の立場なら、カモ客の要素は、「見栄っ張り、金にだらしがない、寂しい」、この3点だ。しゃべり方や態度が、客なのに低姿勢なのはおかしい。威張り散らすくらいのヤツがカモだ。恰好も「坊主、サンダル、時計してない、ボロい服」、こういうのはありえない、むしろ自分から身につけてるものを自慢してくるヤツがカモ。電車という移動手段を選択肢に入れていて、「早くて、安い」なんて格好悪いこと言うのもケチな証拠だ。
太客は金を持っていないとなれないが、普段の日銭稼ぎのカモ客は金持ちである必要はない。逆に金にだらしがない貧乏人から、さらにカモるのが戦略的だろう。太客は狙ってとれるほど甘くないし、千差万別だろうから、日銭稼ぎしながら太客の到来を待つしかない。金にだらしがないかどうかの見極めも、店内で起こるちょっとしたことから嗅ぎとれなければプロとしてどうなんだ? まずキャバの中でメモを取るという奇行は明らかに変人だ。メモを取るという几帳面な行為もまた、だらしなさの逆の要素ありでマイナス1ポイントくらいに計算すべきだ。酒の飲み方もよくチェックすればわかる。最後の一杯、常にグラスのウイスキーを一滴残らず飲みほしてから席を立つ。「これ飲まないなら俺飲むぞ」と他人のグラスにまで手をかけるとはケチの権化。逆に、最後の一杯にドボドボとウイスキーをついで、口だけ付けて帰ったならば、これは典型的なカモのポテンシャルだ。
寂しい奴の見極め、これも私なら5分だ。熱心にタイのことを聞く、タイ語を知りたがる、つまりホステスに話させようとする者、これは最悪だ。逆に自分の話をする者、これが寂しいヤツなのだ。普段、誰も自分の言うことを聞いてくれないから、飲み屋で聞いて欲しいと思う。ここに隙がある。高級クラブは別として、いわゆるキャバでは新聞も読んでいないようなホステスでも務まるということは、ホステスが話し客が聞くニーズはない。ホステスに話を聞いて欲しいというのがニーズだ。それから私がお食事に友人を連れてきたのもマイナスと読むべきだ。アポなしで急に呼んでツモれる友人ということは、かなり仲がよく、よく遊んでいる証拠だ。そういう友人がいたら、寂しさが紛れてしまい、自分のところに駆け込んでくれる頻度は少ないと判断すべきだろう。
えー、「私は”無駄遣い”していない」という長い長い言い訳でした。御静聴ありがとうございました。性別の都合上、お水の経験はないし、KTVデビューというくらいだから客としての経験もない私が書いた想像にすぎないのだが、どうかね? 一流のプロお水になる方法として適切かね? 間違っていたらぜひ玄人の読者諸君に教えを乞いたい。コメントよろしく。
【タカリの花道】
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