三矢研究以来の因縁
小泉総理の父・純也氏は防衛庁長官を務めていた。その当時、1965年2月に国会で「三矢研究」が問題と
なった。これは自衛隊の幕僚がひそかに有事対応の図上研究を行い、その内容に国家総動員的な要素が
含まれていたという事案である。このため「三矢研究」は、国民に太平洋戦争当時の暗い記憶を呼び覚まし
「防衛アレルギー」を醸成することとなった。これ以降、我が国では有事対応や緊急事態法制などに関する
検討はタブー視されることとなった。こうした流れに終止符を打ったのが、防衛庁における有事法制の研究
であった。この研究は1977年、当時の福田赳夫内閣総理大臣の了承の下に開始された。この作業は、法
制の研究であるにもかかわらず、立法準備ではないという前提で行われた。三矢研究の後遺症と言えるが
これが1977年の時点での限界であった。その後、20数年にわたって続けられたこの有事法制の研究は、
政府部内の作業の便宜上、大きく3つの分野に分けられた
。第一分類と称されたのが、自衛隊法や防衛庁
設置法などの防衛庁所管の法令、第二分類が他省庁所管の法令、そして第三分類が国民の避難誘導や
船舶・航空機の運航統制など所管省庁が明確でない法令であった。しかし1990年代半ばに至り、北朝鮮
による核開発危機、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件など、国民の生命、財産に驚異を与えるような事
案が相次いだ。さらに北朝鮮による1998年のテポドン発射事件、1999年の能登半島沖不審船事件などが
発生し、国民の間で危機管理体制整備の必要性が広く認識されるようになった。こうした流れの中で、200
0年に自民・自由・公明の与党三党が合意して、有事法制に関し、「法制化を目指した検討を開始する」よう
政府に要請した。2004年6月、いわゆる国民保護法などの有事関連法がすべて成立し、ここに総理のいう
備えが完成した。
>う~ん、おせぇなぁ。しかもまだまだ不十分だよなぁ。世論の後押しが弱いんじゃ、政治家先生も大変ね。
>どうして国防よりわずかな年金を気にするのか? その民の心理が、俺には分からん。
民主国家でも、発展途上国でも、共産主義国家でも、ひとつの職域で公務員が最も多いのは軍隊。ところ
が、日本では郵便局員
。こんな国家は日本だけだ。三事業で300億円の事務費がかかるような特定の職
域に関する改革が郵政改革。
>笑えます。同時に泣けてきます。
中東とは何か
当時中東地域への石油依存度はEUが22.8%であったのに対し、日本は88.9%であった。誤解を恐れずに単
純化すれば、中東は日本にとってはEUにとってよりも4倍重要であるということだ。中東の国々というのは言
葉は悪いが「不労所得」で生きている国家群であり、指導者の役割というのはその富を国民に分配すること
ということだ。中東の指導者にはサウジの王族、フセインのような軍事独裁者、イランのような宗教指導者、
それにパレスチナ解放機構(PLO)の故アラファト議長と、いろいろなタイプがいるが、成功している指導者に
は共通点がひとつある。それは、こうした「富の分配」を上手に行っている
ということだ。民主主義国では所得
に応じて納税の義務を負うが、これらの国には納税の義務はない
。一方的に富を配分することが重要なの
だ。これは軍人でも同じである。イラクの例を見れば、軍人も公務員だし、愛国心で軍に志願しているのでは
なく、富の分配を受ける上で有利な地位だということで集まってきているのだ。しかし、3月20日の米軍侵攻
の直前は給料が2か月くらい遅配していたとのことだ。だから、米軍が進攻したらほとんどもぬけの殻、軍人
も軍服を捨てて一般人に隠れてしまうということになった。一方、90-91年の湾岸戦争ではイラク軍は奮戦し
たが、これはボーナスの直後だったからである。こうした認識をどれだけ米国が共有しているのか私は大変
不安であった。
臨時国会で第3次小泉内閣発足
通常の総選挙の場合、マスコミ関係者は投票率が高いと野党に有利、低いと与党に有利という感触を持つ
ようだが、この日の私は違った思いを持っていた。「投票率よ、どんどん上がってくれ、上がれば上がるほど
勝てるぞ」。
出足はよかった。前回を大きく上回っている。これであれば最終的に67~68%はいきそうだ。前回の50%台
にとどまることはなさそうだ。昼過ぎにマスコミ関係者に結果予想を聞いてみた。一部の出口調査の状況を
聞いてみると自民党が大きく伸びているとのこと。よし、いけそうだ。その瞬間、頭の中を一つの不安がよぎった。
たぶんダメだと思うけど、もし比例名簿に載っている者が全員当選して、さらにもう一議席来たらどうなる?
「議席は他の政党に割り振られてしまいますね。今までそのようなことはありませんでしたが」
私は確認のため公選法95条の二の条文を彼から取り寄せた。しかし彼も驚いていた。「飯島秘書官はどこ
の選挙区を予想して言っているんだろう。まさか、まさか比例の東京のことでは・・・」
「もう一人、二人増やしておけば良かったか? あの時迷ったんだが。’この不安は、10時間ほど後に現実の
ものとなった。
>ありましたなぁ。小泉チルドレン。懐かしい。
【軍事・軍隊・国防】
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