Sep 3 2009 マドフ受刑囚も「仰天」、SECの詐欺事件見抜く能力不足-報告書
【記者:David Scheer】
9月2日(ブルームバーグ):米証券取引委員会(SEC)はバーナード・マドフ受刑囚によ
る650億ドル(約6兆円)の詐欺を16年間にもわたって幾度も見逃してきたとする内部報
告書が2日、公表された。SECが任命した調査員は経験不足で、「信じ難い」説明を受
け入れていたと指摘している。
SECのデービッド・コッツ監察官は同報告書の概要で、ファンドマネジャー1人や「著名な
ヘッジファンド運用者」とマドフ受刑囚の事業を調査した会社を含む複数の対象から少なく
とも6件の警告を受けたにもかかわらず、「徹底した、監督能力のある」調査に結び付けるこ
とができなかったと記した。さらに、詐欺を見破れたであろうトレーディング記録をSEC調査員
がチェックできなかったことに受刑囚自身が「仰天した」と同監察官に語ったことも明らかにした。
コッツ監察官は「多くの信頼性のある詳細な申し立てがあったにもかかわらず、SECは一度
も適切にチェックすることもマドフ受刑囚のトレーディングを調査することもなく、ねずみ講まがい
の取引が実施されていると判断する基本的で必要な措置も取らなかった」と指摘した。
同報告書は、数十年にもわたった詐欺を見抜けなかったSECの調査能力に関するものと
してはこれまでで最も包括的な内容で、規制当局の徹底見直しを進める議員から注目され
そうだ。
SECのシャピロ委員長は発表文で、「見逃した事実は引き続き遺憾に思うが、市場規制
や投資家保護のあり方を多くの意味で改革するきっかけになった」と語り、執行や調査に関わ
る部門を総点検し、寄せられる情報の扱いも改善させていると説明。「SECはやり方や手順
を見直し、欠陥に対処し、学んだ教訓を実行している」と述べた。
原題:SEC Never Did ‘Competent’ Madoff Probe, Report Finds

くぅーー受刑囚の立場で、馬鹿にしやがって・・・。おっおし! 対策しちゃる。

Sep 4 2009 第2のマドフ事件を防げ-米SEC、「詐欺調査官養成大学」設置も
【記者:Joshua Gallu、Dawn Kopecki】
9月3日(ブルームバーグ):米証券取引委員会(SEC)のシャピロ委員長は3日、市場
取引の不正行為を見抜くスタッフを育成・訓練するため「詐欺調査官養成大学」を創設
する可能性があることを明らかにした。SECがバーナード・マドフ受刑囚による650億ドル
(約6兆円)規模の詐欺行為を食い止められなかったことが背景にある。
シャピロ委員長はワシントンで開かれた米商品先物取引委員会(CFTC)との合同会議で、
「詐欺調査官養成大学の構想は素晴らしい」と指摘。詐欺調査の訓練でCFTCと協力す
ることは「特に有益だろう」との見解を示した。
コロンビア大学のジョン・コフィー教授(証券法)の提案に応えてシャピロ委員長は、マドフ受
刑囚が16年余りにわたってSECの調査を免れていたことを教訓として、詐欺行為を見抜く
ため既に300人以上の調査官を訓練していることを明らかにした。SECのデービッド・コッツ
監察官は2日、調査官の能力や経験の不足がマドフ受刑囚の詐欺行為を見逃すことにつ
ながったとする9カ月間に及ぶ調査の報告書を発表した。
SECがマドフ受刑囚の詐欺行為に気付かなかったことを受け、米議員や投資家から批判
が強まり、SECは監視部門の見直しを図っている。SEC法務執行局のロバート・クザミ局長
は先月、資産運用や仕組み金融商品、地方債、国外汚職行為、市場取引不正行為に
それぞれ重点を置く5つの特別部門を設置する計画を発表した。
原題:SEC May Send Staff to ‘Fraud College’ to Detect Future Madoffs

ちゅーかさ。実際難しそうだから全体的に禁止にしちゃわね?

Sep 4 2009 米当局のデリバティブ規制:インサイダー取引などの監視強化に重点
【記者:Dawn Kopecki、Joshua Gallu】
9月3日(ブルームバーグ):米証券取引委員会(SEC)と米商品先物取引委員会(CFTC)
の委員長らは3日、デリバティブ(金融派生商品)市場に対する監督機能を調整する取り組みの
一環として、証拠金の要件やインサイダー取引関連の規則、新規金融商品の認可方法の変更
に重点を置く方針を示した。
CFTCのゲンスラー委員長はワシントンで開催されたSECとCFTCの合同会議で、両当局が監
督機能のすき間を埋め、「規制の違いを利用した裁定取引」を可能にしている重複規則をなくす
とともに、同種の金融商品や企業、市場に対する一貫性のある監督体制を目指すことを明らかに
した。
ゲンスラー委員長は「CFTCとSECがまず担当分野をチェックし、米国民や市場にとって何が最
善策かを考えることが重要だ」と述べた。
SECとCFTCはこの日、2回目の公聴会を開き、重複していたり、監督体制のすき間を作り出
したりしている両当局のデリバティブ市場規制の一部を統合、または協調する方策を検討した。
原題:SEC, CFTC May Sharpen Rules on Market Manipulation
(Update2)(抜粋)

あっ、アメさんがなんかやってるよ。おっおし! 俺も俺も。

Sep 4 2009 金融庁:外銀に立ち入り検査ポイント事前説明-監督に新手法
【記者:河元 伸吾、フィンバー・フリン】
 9月4日(ブルームバーグ):金融庁は外国銀行の経営状態を把握する秋以降の立ち入
り検査で、重要ポイントを決め事前に銀行側に説明する新手法を導入する。関連資料も
初めて英語で提示する。日本で営業する銀行として法令順守体制の徹底や、不備の早
期改善を促し、世界的な金融危機で揺らいだ外国銀行の検査・監督を強化する狙いだ。
検査の重要ポイントは①支店長や日本代表者の責任範囲②クロスボーダー取引の管理
③収益計上の措置④流動性リスクへの対応⑤内部監査の徹底-とする方向。9月30日
に決定し、国際銀行協会加盟の米JPモルガン・チェース銀行やドイツ銀行などの担当者を
集めて説明する予定。日本に進出している外銀は約60行ある。
 検査局総務課の屋敷利紀室長は、「立ち入り検査で指摘される前に銀行自身が不備
を把握し、改善できるようになる」と指摘した。実際の立ち入り検査では、支店長や日本代
表者が日本で行っているビジネス全体を網羅したリスクを把握できているかなどをチェックし、
監督に生かす。重大な不備があれば行政処分を行う。
今回の措置は、外銀が拠点とする国との慣習や言語の違いで検査の趣旨が正確に伝わ
らず、法令対応が十分にできないような事態を避けるために実施する。屋敷室長は「検査
の透明性を高めるもので、新たな規制を設けるものではない」としている。立入り検査直前
にも邦銀に対してしているのと同様に検証項目を通知する。
金融危機の再発防止をめぐっては、複雑化する金融商品やリスク管理体制見直しなど
が国際的に進められている。金融庁も各国当局と歩調を合わせ、検査・監督の強化方針
を打ち出しており、2009年度の検査方針で「経営管理では経営陣のリーダーシップが決
定的に重要」と位置づけた。同庁では外銀代表者を邦銀の頭取と同格に扱っている。
金融庁は08年度(08年7月-09年6月)にはソシエテ・ジェネラル銀行東京支店や
クレディ・スイス銀行東京支店の外国銀行など合計20機関に立ち入りを実施した。6月に
はマネーロンダリング(資金洗浄)対策の管理体制に不備があったシティバンク銀行に対し、
一部業務停止命令などをだした。

ところでさ・・・デリバティブって何かお前知ってる?
【Global Tax Arbitrage関連記事】
2009.09.09: 世界の金融センターの候補地を選ぶ際の指針
2009.07.22: タイ旅行 農業と宗教vs金融と資本主義
2009.07.20: タイ旅行 国土がある、通貨がある、言語がある
2009.07.15: 無差別な世界に思える国際都市
2008.11.10: あなたもやってる?疑わしい取引
2008.11.07: Tax Havenと相性のよいもの
2008.11.06: Tax Haven諸国の国としての特徴
2008.10.23: Tax Haven的観点による香港とシンガポールの違い