http://www.guardian.co.uk/business/2008/jan/25/banking.france
フランス大手銀行、ソシエテ・ジェネラルがトレーディングで約7-8000億円の損失を出したということは色々なところで書かれていますが、比較的詳細について書かれていたので元の記事は、かなり長いですが少しつまんでみました。
ただ、取り上げておいて言うのもなんですが、デリバティブ的にはこの事件は面白くありません。
先物をデリバティブって言わないで欲しい。(先物はデリバティブです。私が間違ってます。)
・トレーディング戦略の失敗ではなく、一人のトレーダーが起こした詐欺事件であること。
・損した商品は、先物と株であること。(超シンプル)
・システム的に取引を隠したところが、この事件の原因であること。
金曜日には怪しいポジションがあると会社側はわかっていたようなので、1日で見つけたとしたら
その時のマーケットは、EURO STOXX 50が18日(-1.75%)と21日(-7.59%)の下落で約9.3%。
ポジションはこの記事によれば、
先物2bil EUR(3000億円)、個別株1bil EUR(1500億円)、合計40bil EUR相当
と書いてある気がするが、
27日付会社発表にはメインはDAX20bil EURとユーロストック50 30bil EURと書いてある。
日経には全体8兆、DAXだけで損失の半分と書いてある。
どちらにしても、先物でやられたって話ですね。
推測するに、彼はDelta Oneトレーダー(先物・株などあまり計算する必要が無い商品担当)なので、あれだけエキゾチックの強い銀行の銀行内での地位は相当低かったのでしょう。
動機は、報酬ではなく、なんらかの記録を残したかったのではないかとのこと。
そして、この記事もこのように締めくくられています。
Financial markets are ruthless and a forced seller has always been easy prey.
前回も言ってますけどね。見てください、ユーロストック指数。彼らがポジション解消に3日かかったそうですが、売り終わった水曜日。3577.99で直近最安値で引けています。
また底で売った例を一つ追加。Limitが無い世界なら、彼は天才だったかもしれないっすけどね。
Delta One、Index&Large Cap、かつLongとかって幼稚なポジション取るヤツに叡智があるとは思えないが。