行って来いの相場展開。Holderとしてはホッと一息なのかもしれません。
この相場展開が、VAR-SWAPのValueにどのように影響を与えたのか見てみましょう。
VAR-SWAPとはVarianceのSWAPで以下のような取引となります。
Vega Amount ×100/(2Strike){252×Σ[Ln{P(t)/P(t-1)}^2]/N-Strike^2}
P(t)は毎日毎日の株価の引値です。
1日辺りどのくらい動くとBreak Evenかは{}の中を計算すればよく、
Ln{P(t)/P(t-1)}が毎日同じとすれば、N日分のΣと1/Nがキャンセルするので
252×Ln{P(t)/P(t-1)}^2-Strike^2=0のポイントとなり、Break Even=Strike÷√252となる。
HSCEIの6ヶ月のVAR-SWAPがStrike=40%を500K USD Vega Amount取引できたとしましょう。
Break-Evenは40%/15.87=2.52%となります。
直近のHSCEIの値動きを振り返ると
日付 Index Log Return
2008/01/23 13279.53 10.87%
2008/01/22 11911.91 -12.75%
2008/01/21 13531.45 -7.34%
2008/01/18 14561.32 0.55%
2008/01/17 14481.41 3.27%
この2日はBreak-Evenを大幅に超えるReturnで、他の日が全てBreak-Evenの2.52%で振る舞い
-13%と11%が2日含まれると実際満期でナンボ受けることになるか考えてみましょう。
Vega Amount ×100/(2Strike){252×Σ[Ln{P(t)/P(t-1)}^2]/N-Strike^2}
は長いのでまた{}の中だけ考えると、
252×Σ[Ln{P(t)/P(t-1)}^2]/N-Strike^2
第一項は、6ヶ月契約なのでなので、252とNをまとめて考えれば252/Nは2です。
全てBreakーEvenの場合Σ[Ln{P(t)/P(t-1)}^2]は
2.52%^2×126(252/2です)=0.08
2.52%^2×(126-2)+(-13%)^2+11%^2=0.078745+0.0169+0.0121=0.107745
100/(2*40%)×{252×0.107745/126-0.16}=6.93625
Vega Amountが500Kだから�、おーう!
3.5milも儲かってるじゃないか!
500Kって結構なVegaですけどね。
続いて、もうちょっとエグく個別株
857 HK 世界一のペトロチャイナ君
2008/01/23 11.30 16.10%
2008/01/22 9.62 -16.10%
2008/01/21 11.30 -8.80%
2008/01/18 12.34 -0.32%
おーう!もーうダメだー!何兆円の時価総額が消えたり生まれたりしたのかわからーん!
同じく6ヶ月45%で取引したら、ついでだからこの3日分の値動きを入れると
2.836%^2×(126-3)+(-16%)^2*2+9%^2=0.098928+0.0512+0.0081=0.158228
100/(2*45%)×{252×0.158228/126-0.2025}=11.4
取引額の11倍!
50KのVegaを売っただけで3日で0.5mil飛ばしてしまうと言う�。Implied Volatilityが全く変わらないとしてもね。
今週、あなたは笑いました?泣きました?