演説は書物より影響が大きい
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書物はどのような手に落ちるかわからないのでに、一定の表現を保持しなければならない。この表現がその読者たるものの精神的水準や本質的性質にぴったり応ずれば応ずるほど、一般にその効果はますます大きいのである。だから大衆を目的として書物ははじめから文体と程度において、より高度の知識層を目的とした著作物とは異なった効果があるようにせねばならない。演説家は書物と同じテーマをかまわずに取り扱うことができる。けれども彼が偉大な天才的な民衆の演説家であるならば、同じ主題や同じ題材を二度と同じ形式で繰り返さないであろう。