ビジネス分野において、なんの問題意識も持たないまま「何か画期的なアイデアを考え、イノベーションを起こせ!」と命じられたらどうなるでしょう。そういうときに起こる現象を、私は「イノベーション エイエイオー方式」と呼んでいます。みんなで拳を振り上げ、エイエイオー!と叫んで気炎を上げる精神論的な手法を揶揄したネーミングですが、そんなやり方でイノベーションが起こることはありえません。ところが現実には「アイデア出しのミーティング」とか「ブレーンストーミング」といった名称を使い、イノベーション エイエイオー方式」の会議がどこでも頻繁に開かれています。
伊賀泰代.生産性
イノベーション エイエイオー方式ワロタ。ただ、これイノベーション要らないね。全部そうだよ。フィンテックエイエイオー、AIエイエイオーw なぜそうなるかというと新テクノロジーに取り組んでますって言いたいだけなんだよ。あるいはAIは一切やってないと言いたくない。だから手段と目的の取違が起こって、AIを導入することが目的になり、何をしてるんだかよくわからないことになる。私が取り組んだ商品開発で唯一失敗したw事例を紹介しよう。
上司「面白い新商品作ってくれよ」
俺「面白いとは?」
上司「儲かるやつ」
俺「客がですか?デスクがですか?」
上司「両方」
俺「無理っすね」
解説しようw 金融商品は、結果的に客が儲かったり損したりすることがあるだけで、客が儲かる商品は作れない。デスクが儲けようと思えば、抜き幅を大きくして客から取るということになる。我々にできることは、「儲かりそうに見えるがオプション価値が大して高くないもの」を考えることだけだ。ただ、これは日本を含むアジアでは受けず、実際に売れる商品は「損しなさそうに見えるがオプション価値が高いもの」だけである。早期償還ノックインというのは、長い期間のノックインの場合、ノックインとバニラの価格の相違が小さい。そして高いクーポンは、株が上がると早期償還条項でノックアウトする効果があるので大して価値がない。そして、客があまり意味がないノックインレベルとクーポンだけ気にするように設計されているある意味完璧な商品なのである。
半導体メーカーのインテルが行った「インテル入ってる(Intel Inside)」の広告は衝撃的でした。これによりインテルは「インテルのCPUさえ入っていれば、どのパソコンでも性能は同じである」と消費者に伝えることに成功しました。これによりその後の消費者は「インテルの部品さえ入っていれば、高価なIBMやNECのパソコンを買わなくても台湾製のパソコンで十分だ」と考え始めたのです。この広告でインテルは「パソコンの部品メーカー」から「事実上のパソコンメーカー」に昇格しました。一方「パソコンの組み立て作業はコモディティビジネスにすぎない」と印象付けられたIBMやNECは、その後いずれもパソコン事業を売却しています。「パラノイアしか生き残れない」といわれ、圧倒的な性能を誇る商品を他社に先駆けて次々と開発してきたインテルは、超一流の技術系企業です。それでもこの画期的な広告戦略がなければ、部品メーカーとパソコンメーカーの地位逆転など起こりえなかったでしょう。
伊賀泰代.生産性
インテルねぇ、懐かしい名前だな。2000年以降はほとんど成長してないと言っていいかもしれないが、この環境下で時価総額170bilを維持しているのはすごい。
アップルの成功物語にもさまざまなビジネスイノベーションがてんこ盛りです。ライバルのウィンドウズやアンドロイド商品が売られる店舗に比べ、圧倒的に洗練されたアップルストアの店舗デザインや、極めてシンプルで洗練されたパッケージングなど、顧客コミュニケーションに並々ならぬ投資をしてアップル商品に高いロイヤリティを持つ顧客を育て上げたのも、マーケティング上のイノベーションです。今では、街でアップルストアを見てもだれも驚かなくなってしまいましたが、私たちはそれを目にするまで、あれほど洗練されたデザインの店で売られる情報機器など、見たことがなかったはずです。
伊賀泰代.生産性
アップルストアの衝撃か。ちきりん俺より年上なのに若いな。アップルの広告といえば…こっちだ。
これ「アップルはコンピューターを民に開放する」という有名な広告。
https://www.youtube.com/watch?v=2zfqw8nhUwA
古すぎ?wイノベーション全く関係ないんだけど好きな広告と言えばPepsi vs Coke adかなんかでYoutubeで無限に出てくるの面白いよね。私が子供のころ、日本でも一瞬放送された…はず。ただその後のバージョンで、モザイクがかけられたりとか、今は放送されたないと思うけど。ライバル企業の製品を出してしまうという衝撃の広告でした。そしてその後、私は大人になってから、ライバル企業の名前が、事業リスクのところにバンバン出てくるアメリカ企業の10-K(有価証券報告書)にも衝撃を受けた。
海外からの皮肉じみたジョークには、「日本人は会議の開始時刻には厳密だが、終了時刻には極めてルーズだ。しかも誰もそのことを悪いと思っていない。開始時刻にルーズなイタリア人と、終了時刻にルーズな日本人には何の違いもない」
伊賀泰代.生産性
ハハハ、海外あるある。会議を仕事に置き換えて、残業問題とかよく聞くね。