10人の社員で10億円の利益を上げる企業のひとり当たりの利益は1億円。同額の利益を5人で達成する会社があれば、ひとり当たりの利益は2億円となり、後者の労働生産性は2倍となります。計算式の分子には売上げにや付加価値額、分母には資金や時間、労働者数など、様々な数字が入りますが、いずれの場合も生産性は「成果」÷「投入資源」という割り算で計算されます。

「アメリカのテクノロジー企業は収益は産んだけど雇用は産まなかった」 まー、よく聞く台詞だが、大体がそもそもアップルやグーグルの従業員数も知らずに言っている下らん批判だ。ただ、確かにGMより従業員数は少ない。ただ、ここではかなりわかりやすく伊賀さんが例示してくれているが、先進国企業=給料が高い、そのためには? 

企業名 従業員数 時価総額
AAPL 116,000人、756B
GM 225,000人、53B

という状態だとしたら、GMの社員に高い給料出せるわけねーじゃん。トランプさんが製造業に圧力かけて「雇用をアメリカに取り戻す」と言ってるじゃないか! という論調もよく聞くが、ラストベルトの票に対する気遣いにすぎず、アメリカ経済にとっての重要性は薄い。製造業が雇用が多い? 雇用という観点だけで言うならば、アメリカで一番従業員数が多いのはウォールマート。何人いると思うね? 230万人。GMの10倍です。新興企業でありながら実質上の物流でもあるアマゾンだって34万人。認めたくないかもしれないけど、アメリカで起きたことは数十年遅れで日本で起きるのよ? 将来の自分、あるいは自分の子供は、イオンかセブンイレブンで働くことを覚悟したほうが良いぞw

「では(生産性を上げるためには)投入資源を減らせばいいのだな」という話になるのが2番目の問題です。そこで採用される方法の大半が、昼休みにオフィスの電気を消すとか、コピーの枚数を制限するといったコスト削減策だからです。

それって生産性の向上? と思わず目が点になってしまうような事例ですね。私が出す事例は生産性の向上ではなく、震災後の4月に日本に行った時に、ほとんどすべてのオフィスで電気を消している自粛ムード。新人歓迎会は不謹慎! なんか意味あんの? と首をかしげてしまいました。

一方、海外に目を転じると、非製造業分野でも多くの事例が見つかります。たとえば、米国のクレジットカード会社や消費者ローンを提供する企業は、賃金の安いインドに特別な語学学校を作り、インド訛りのない英語を話すインド人を大量に育成しました。そして彼らを雇用することで、コールセンターをインドに移管してしまったのです。米国在住の消費者は、催促の電話がまさかインドかからかかってきてるとは思ってもみないし、その英語が、インド訛りの矯正スクールで習得されたものだとも想像していないでしょう。

この事例は知らなかったが伊賀さんらしい無難な事例と言い方だ。俺は関係ないのでもっと過激な発言をするがw、製造業が後進国に工場を作るのは、安い土地と従業員だけではなく、公害の輸出(環境規制が緩い国は対策しなくていいからコストが安い)という面もある。米国企業がやってることはそんなレベルだけではなく、例えば、戦場の輸出と軍事の民営化。あまりにもアコギなのでしょっちゅう名前が変わっているが民間軍事企業ブラックウォーター、
ブラックウォーターUSA

詳細については 「戦争請負会社 P.W. シンガー」に詳しい。

戦争請負会社 戦争請負会社
P.W. シンガー Peter Warren Singer

NHK出版 2004-12-22
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2017/12/02 追記

P・W・シンガーの戦争請負会社は、今読んでいる本で、MPRI(LLL傘下)やBRI(ハリバートン傘下)について書かれているが、ブラックウォーターについては書かれていない。参考文献を間違えてた。正しくは、

ブラックウォーター――世界最強の傭兵企業 ブラックウォーター――世界最強の傭兵企業
ジェレミー・スケイヒル 益岡 賢

作品社 2014-08-02
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だ。どちらの本も面白いので読んで損はないだろう。

追記、終わり。

その歴史的背景と必然性については、リンカーン暗殺と反ピンカートン法などもググってみれば、また面白い。

ピンカートン探偵社

アイゼンハワーの「軍産複合体の脅威」演説の前からずっと潜在的にアメリカに存在している問題の一つだな。マイケル・ムーアの映画ボウリングフォーコロンバインなども「アメリカの戦争と暴力の歴史」に触れていて、娯楽として見ても面白いと思う。

ボウリング・フォー・コロンバイン

このように日本語で本は出てるわ、Wikiでの解説もあるわ、映画まであるほどだ。

インドの語学学校まで作るグローバルアービトラージによるコスト削減の例として俺があげたいのは、「収益は、差が生み出す」。その究極のコスト削減、貧困と格差の輸入ともいえる事例は、ブラッドダイヤモンドについてWikiもあるし

ブラッド・ダイヤモンド

本もあるし、「テロ・マネー アルカイダの資金ネットワークを追って ダグラス・ファラー」

https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532164818/globalcollabo-22/

ディカプリオ主演の同タイトルの映画まである。(それは見たことがない)

また別に

喰い尽くされるアフリカ 欧米の資源略奪システムを中国が乗っ取る日 トム・バージェス

喰い尽くされるアフリカ 欧米の資源略奪システムを中国が乗っ取る日 喰い尽くされるアフリカ 欧米の資源略奪システムを中国が乗っ取る日
トム・バージェス 山田 美明

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武器と資源のバーター取引、武器輸出規制がある日本企業ではここまでできないので、徹底的な生産性の向上wに関してはどうしても米国企業が例に上がってしまうのだが、多くが日本語ソースで、Wiki、本、映画などで簡単にアクセスできてしまう。また別に、生産性の向上ってよりも究極の節税対策なのだが、皆さんもご存知の米国一流企業はまともに法人税も払ってない。これは株主利益最大化の企業努力であり、その言い訳としての代表格が「知財」。端的に言ってしまうと、スターバックスとしては「うちはコーヒー豆を輸入してるのではなく、「知財」を輸入していて原価が高いんでイギリスでは利益が上がっておらず法人税は払えません!」 というものだw ハンバーガーを売っているのではなく、マクドナルドを売っているのだ! というのと同じ発想。

徹底した「生産性の向上」、本来、俺の言葉で言うと合理化なのだが、それを日本企業がまともに米国企業と競争するのは不可能だ。ブーン・ピケンズが指摘した、トヨタと小糸製作所の明確な資本関係もないのに不透明な「系列企業」という関係により、トヨタが不当に小糸製作所の利益を収奪している! という主張を退けた過去の歴史があるが、こういった「資本主義と法治国家としてまともじゃない方向性が日本の強み」として活かしていくしかない。ファイアーウォールソフトのチェックポイントというイスラエル企業が米国では軍事機密として輸出規制をしていた暗号化技術を輸出することでグローバルスタンダードを勝ち得たという事例を見習うことが重要だ。

これを下品な話ととらえないでほしいのだが、中国がポルノ規制をしているのだから、ポルノ規制がほとんどない日本は、ポルノを中国に輸出してしまえばいいんだ。アダルトビデオの不法コピーとインターネット配信は、あえて目をつぶって、AV女優と会えるイベントなどを、AKB48のような握手券方式を拡張させ、金額に上限なしでオークションすればそれなりのビジネス規模になることは間違いない。俺がやってるオンラインゲームで世界ランキング上位に行くためには月額数百万円単位の課金が必要で、ランキング上位者は、中東のオイルマネーと中国だぜ。ゲームに月額数百万円課金するバカが中国に居るんだから、ポルノでそれを取りに行けばいいんだよ。