つまらないねー。内容はソフトバンクと個人向けサービスが中心。ADSLやIP電話の話がメインなのよ。どこが”知られざる”なんだ? 何が”暗闘”なんだ? という感じ。NTTを主役にいかにエグイ独占体制、その強さについて書いて欲しかったんだけど・・・
ソフトバンクが、NTTのライバル企業だと思っているなら大きな間違いで、NTTのお客さんです。NTTのライバルは莫大な資本力と電線という”線”を握っている東京電力です。一時期、光ファイバーで電力会社が参入したことがあったでしょう?
あれはソフトバンクがやってるADSL参入ってのと全く別次元の話で、電力会社が自前の線というインフラを作ってしまおうというNTTを震撼させた事業です。現在の東電叩きの裏舞台はNTTが金を配っているのではないかと思ってるくらいです。
総務省を恫喝し、行政指導を撤回
ヤフーBB発表から1年半後の2002年12月16日、総務省11階の1101会議室ではソフトバンク孫社長の怒号が飛んでいた。
「日本方式の機器のメーカーはたくさんここに出席されていますけど、我々が採用する北米方式のメーカーは参加を断られました。なぜ総務省はこんな一方的な決め方をするんですか。中立の方を除いて10対2です。そもそも10対2で何をフェアに議論しろというんでしょうか。どう考えてもメンバーの配分がアンフェアです。メンバー構成をフェアにして何か失うものがあるんですか。後ろ指を指されるだけですよ。そんなことにこだわっていたら。」
孫社長が怒りを爆発させたのは、ADSLの干渉問題。ADSLで使う電話戦には音声の通話はもちろん、ISDNの通信などの電気信号が通る。電柱などを通るケーブルの中は何本もの電話線を束ねた形になっており、ある電話線を使った通信が他の電話線の通信に悪影響を与えることがある。中でもソフトバンクが採用した北米方式ADSLには「他社が採用した日本方式のADSLやISDNに大きな影響を与えて、通信速度を低下させるのではないか」という指摘があった。
孫社長は総務省にソフトバンクへの行政指導を撤回させたこともある。国連の下部組織で通信の国際標準を作成するITU(国際電気通信連合)に、ソフトバンクが国内ルールを無視した形で文書を提出したことが発端だった。ITUに提案を出す際は、通信機器メーカーや通信事業者などで構成する総務省の委員会を通すのが慣例になっている。文書の内容は日本向けADSL方式の技術拡張を反対するというものだった。これにはNTTや国内通信機器メーカーが一斉に反発した。総務省はソフトバンクにITUへの提案を取りやめるように指導した。しかしソフトバンクは総務省の指導を無視してITUに文書を提出。総務省は2003年1月17日、ソフトバンクに対する行政指導に踏み切った。事前に総務省の委員会に提案を出すというのは慣例にすぎない。「慣例に従う義務があるのか」と孫社長に正面切って反論されると総務省は弱かった。総務省は「ITU会合で日本政府の正式な承認を受けていない提案であると口頭で説明する」ことを条件に指導を撤回する羽目になった。
露払いにしかならなかった電力会社参入
光ファイバーサービスに参入したのは、各地の電力会社グループだ。2002年3月29日、東京電力がTEPCOひかりを開始、東京電力のやる気は、子会社ではなく東京電力本体が通信事業者としてサービスを開始したことからも分かる。この東京電力自身の通信事業参入に異議を唱えたのが規制を受けてきたNTTグループだ。「東京電力は他社と公正な競争ができるような電力本体ではなく、電力事業と会計を分けた子会社がサービスを提供すべきです。通信はこれほど新規参入が続いているのに電力はほとんど競争が進んでいないでしょう。その独占体質をひきずったまま電力会社本体が通信にまで参入するのは大問題です。それでも東京電力が自ら光ファイバーサービスを提供すると言うのなら、我々NTTへの光ファイバーに対する規制を撤廃すべきです。」
例えばKDDIを使って市外電話をかける場合、NTTの交換機からKDDIのネットワークに入り、相手先のところで再びNTTの交換機につながる。この時にKDDIは発信側の接続とそれぞれについて通話時間分だけ東西NTTに料金を支払わなければいけない。これが「電話通信料」である。接続料の単価をどういう方法で計算するかは総務省が決める。簡単にいえば「運用費を通話料で割った額」である。このため運用費が一定で通話料が減ると、電話接続料はアップする。
NTTドコモの本格的な海外投資は99年12月に香港第一位の携帯電話会社であるハチソンテレフォンカンパニーに資本金の25%に当たる431億円を出資したことでスタートした。その後、オランダのKPNモバイルに4800億円(同15%)、英国のハチソン3G UKに1944億円(20%)、台湾のKGテレコムに589億円(20%)、アメリカのAT&Tワイヤレスになの1兆1000億円(16%)を注ぎ込んだ。そればかりかAT&Tワイヤレスに490億円、ハチソンテレフォンカンパニーに37億円、ハチソン3G UKに378億円の追加投資も実施。総額は実に1兆8949億円にもなった。
欧州主要各国などでiモードが続々と提供されるようになった。しかしボーダフォングループ15社が提供中のVodafone Liveと違って、海外版iモードは大きな課題を抱えている。iモード提供会社間の横の連携が無いのだ。無料のWebサイトは日本から見ることができる。しかし、携帯電話会社が利用料を代行徴収している有料サイトは使えない。そもそもNTTドコモの携帯電話機を外国に持って行っても通話すらできない。
日本の会社の海外M&A案件はどーも・・・
知られざる通信戦争の真実―NTT、ソフトバンクの暗闘 日経コミュニケーション編集 日経BP社 2003-12-12 |
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