P65 制度信用と一般信用
この辺も素人は読んだ方が良いな。
最近でこそ、オンライン証券が一般信用に対応しているのかもしれないが
素人の発言で「空売りしてます」って・・・、あんたできないだろ? と突っ込みたくなる。
P82 ガンマトレーディング
オプションポジションに対してダイナミックヘッジを行っていった場合のトレーディング損益は
オプションポジションを取った時のインプライド・ボラティリティとその後の実現ボラティリティ
の関係で決まると説明しました。
ヘッジ後損益=リヘッジによる売買益-受け払いオプションプレミアム
で決まるということです。
デルタ計算に採用するボラティリティは事後的に得られる実現ボラティリティでなければ、すなわち
実現ボラティリティを正確に予測できなければヘッジ後の損益に影響を及ぼします。また、正確に
予測できなければ、ヘッジ間隔・株価の方向性も損益に影響を与えます。どうでしょうか、トレーダ
ーの皆さんそんな怖い話知らなかったほうがよかったでしょうか?
既に私も50% Knock-In PutのPremiumって実現できるの?@理想的な世界にてで同じ事に触れている。
実現益はで記述するのではなく、離散型なので
と書いた方が後の文章との整合性が取れるであろう。
よってGamma Tradingの収益は、
1.オプション取引値
で書かれているが、これは無理にVolatilityを使って表現する必要はなく、
単なるオプションプレミアム×ポジションで良い。
2.リバランスの仕方
分割Δがそれを意味している。実際には株価変動も、リバランスのタイミングも連続ではなく、離散的に発生する。
例えば、株価が+1%、+5%、-3%、+1%というタイミングでリバランスしたとしたら、その4点の現物リバランス取引の和というだ
けのことである。そのリバランスのタイミングは個人で勝手に決めてよいため、一般的に分割Δと記述しているに過ぎない。
3.Deltaの定義
リバランスと言っても、デルタニュートラルを基準に行うわけで何がニュートラルかはdf/dSの意味でのデルタの定義に依存する。
その要素で代表的なものをいくつか挙げる。
(3-1)主観的に決めたHedge Volatility。
上記文章でも触れられていることだが、未知なるRealized Volatility、オプション取引してからオプション満期までのVolatility
は、オプション取引時点では将来のことであり、事前に知ることはできない。それを勝手に予測して決めうち、BSに入力し、
そのdf/dSの意味でのデルタをニュートラルに保つと決めたなら、その入力したσをHedge Volatilityと呼ぶ。
(3-2)市場特性を読むSticky DeltaなのかSticky Strikeなのか?という相場観
教科書に載っているΔの定義=BSで計算されるΔ は株価が幾何ブラウン運動であることを想定している。
一方で、株価が動いた時、Volatilityが変動するという非幾何ブラウン運動を想定するならば、Volatility σ は株価Sの関数
かもしれない。
となり、の分だけ教科書のΔとずれることになる。
(3-3)時間的不連続性
24時間の先物取引が実現している現在は、日経225のオプションにおいては不可避なOver Night Jumpというのを強く意識
する必要性は薄れてきている。しかし、人間には睡眠が必要な以上、時間的不連続性を意識する必要がある。
特に上場している短いオプション、満期まで数日のオプションを抱えることもあろう。
その時、Tomorrow Deltaはどのように意識するのか?
明日のデルタが、今日のデルタと大きく違うとしたら、今日はどんなポジションで終わらせたいと思うかね?
この全てが損益に影響する。これはVanillaの話だがな。
【非幾何ブラウン運動系関連記事】
2010.04.06: VIX Option Trader
2010.01.18: 50% Knock-In PutのPremiumって実現できるの?@幾何ブラウンへの近似有効性
2009.09.29: Black-Scholesは間違っている
2009.06.23: Marketの振る舞いO/NとIntraday
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2008.12.26: 将来の株価をVolatilityで予想ってお洒落
2008.02.01: Skewness(歪度) マーケットの非対称性
2008.01.24: 恐るべしJump DiffusionとVAR-SWAP
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