わが子に「お金」をどう教えるか (中公新書ラクレ) 篠上 芳光 中央公論新社 2008-03 |
すごいタイトルの本だと思いませんか?
金と教育。いずれも怠れば国家を揺るがすであろう壮大なテーマ。
その解釈や方法論に正解はないのでしょうが、私なりの考えは持っているので、ちょっと読んでみました。
大人でも人によって答えやとらえ方が違う「金とは何か?」という難しい問いを、
子供に対し、どう伝えるのか? どうやって問いかけ、考えさせるのか?
そこには、「金」というものの本質があるはずで、非常に興味深いです。
そして、あまりにも難しい問題のため、お金=汚いもので、子供がお金の話などすべきではないという考えがあり、
金に対する教育は日本で敬遠されているがゆえ、日本の金融機関の国際競争力の無いのだとも思えます。
さて、そんな期待を持って読んだこの本の感想ですが・・・
言っていることはごもっともだし、非常に謙虚な姿勢で書かれている本なのですが、私としては少し期待はずれでした。
家庭における子供との接し方に主眼があり、要は「子供に過剰な金を持たせてはならない。」と本を通じて
言っているようにしか聞こえませんでした。
ちょっと引用するとこんな感じ。
「お金」の教育というと。「株式投資の仕方」など、いまの世の中ではお金儲けの話ばかりのように思います。
しかし、本当に大切なことは、お金に対してどのように向き合っていけばよいのかというような、お金についての
もっと本質的なこと、大げさに言えば親が考えるお金についての哲学を子供たちに教えることではないかと思います。
うん、そうだね。ごもっとも�。わが子に株式投資をどう教えるかって本じゃないからな。うんうん。
こんな感じの文が続く本です。