インドはルピー高でのインフレ抑制できず、経常赤字などで-フィッチ
6月9日(ブルームバーグ):格付け会社フィッチ・レーティングスによれば、インドでは経常赤字
拡大と海外からの資本流入減少のため、政策当局がインフレ抑制を狙ったルピー高容認という
選択肢が取れなくなっている。
ルピーは2007年に12.3%高と、ここ30年余りで最大の上げとなったが、今年に入りその上昇
分の半分以上を失っている。海外ファンドによるインド株売却や原油価格上昇がルピー下落の要
因だ。インドのインフレ率は、5月24日までの1週間で8.24%と、昨年10月半ばに記録した5年
ぶり低水準3.07%の2倍以上に上昇した。
フィッチのアジア太平洋ソブリン格付け担当責任者、ジェームズ・マコーマック氏は6日にムン
バイで、「われわれの見方では、インフレ率が上がり始めたとき、インド準備銀行には自らの判断
でルピー上昇を容認する選択肢を持っていた」とした上で、「現在は経常収支の状態が良くない
上、資本流入も増加していないことから、その選択肢はなくなっている」と指摘した。
インド中銀によれば、同国の貿易赤字は4月、過去最高の99億ドル(約1兆410億円)に拡大。
また07年10-12月(第4四半期)の経常赤字も54億ドルと、7-9月(第3四半期)の47億ドル
から膨らんだ。
インド証券取引委員会のデータによれば、今年の海外ファンドによるインド株の売り越しは
48億ドルと、過去最高となった07年の買い越し額の4分の1を超えている。
株で見るとひどいですねぇ。直近一ヶ月は全部マイナス10%前後。
年初来で見ると中国とインドがひどい。通貨ではINRだけが売られている。
世界の貿易収支は以前まとめておいたように中国が圧倒的黒字のは明白です。インドだけが赤字。
http://www.ichizoku.net/2008/01/post-32.html
私は貿易黒字は、通貨を買う大きな理由のひとつとして考えていますので、こういう結果になると納得できます。
この中ではブラジルだけがFree-Float。
長期で見て、他がブラジルより劣るのは取引が自由でないからということでも説明がつくのではないでしょうか?
個人的な相場観としては、そろそろオイルベアに転換したいところです。
直接的にオイルポジションを取らずともオイルで苦しんでいるところに投資するという観点は面白いかもしれません。