東京、ある友人との会食にて、私が「宗教改革に始まり、フランス革命、産業革命、マルクスの資本論、ロマノフ王朝の終わり、この辺りのヨーロッパにおける近代資本主義、民主主義の流れは好きですねぇ。」 続いてルソーの社会契約論だウェーバーのプロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神だと、まくしたてていたら、友人がふと…、

「エキゾさん…、なんでアジア住んでいるんですか?歴史とか思想とか好きならヨーロッパはお薦めですよ。街そのものが歴史ですから。シンガポールなんて何もないじゃないですか。エキゾさんがもし住むなら、私には見えないものが見えるかもしれませんよ。」

この指摘に返す言葉を失ってしまい、「はい、じゃあ、ヨーロッパ進出決定」ということになりました。

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 (岩波文庫) プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 (岩波文庫)
マックス ヴェーバー 大塚 久雄

岩波書店 1989-01-17
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さあて、どこに住もうかなー。ドイツとイギリスは行ったことあるし、プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神に逆らい、あえてのカトリックカントリーが良いなー。バチカンとローマは1時間くらいなので、ローマにしようか、ベタにヨーロッパの頂点パリにしようか…

横浜の自宅にて、母が「ローマとパリで迷ってる? パリ一択で間違いない。私はお前が生まれる前、1ドル360円固定相場制、※持ち出し規制ありの時代からパリで遊んでいるが…、”今現在をもってまだ飽きてない”。ローマ、所詮は二流の都市、南欧のだらしなさが街に現れている。パリは都市として洗練されているし、格が違う。」

※固定相場制時代の持ち出し規制とは、相場が固定されているため、輸出入(円売りドル買い=ドル売り円買い)のアンバランスが生じた場合にレートで調整できないことから、為替の交換に総量規制があった。だから海外に持ち出せる通貨量が制限されており、クレジットカードやインターネットもない時代、日本人が外国に行くと有無を言わさず貧乏旅行を強いられた時代の話である。

固定相場制の時代からヨーロッパで遊んでいる母(ちなみに現在も年に何回かはヨーロッパのどこかで遊んでいる)に強烈にリコメンドされ、またも反論できず。

「友人きっかけでも良いが、たまには親の言うこと聞けよ。ずーーーっと言ってんじゃん。『ヨーロッパは良い』と。ヨーロッパは、まずはパリ。ローマはパリの後で良い。全ての道はローマに通ず…、古いな…。すべての鉄道はパリに通ず!

と言って母がおもむろに取り出したのがヨーロッパの鉄道路線図で、確かに「すべての鉄道はパリに通ず」のごとく、パリを中心にヨーロッパ全土に放射線状に鉄道網が通じているかのように見える。イギリスやロシアまでも視野に入り、地理的な位置づけも確かにヨーロッパの中心にパリはある。

ビザは…、EU圏内は3か月滞在OK。過去6か月のうち、3か月OK。とにかく3か月観光で行けてしまう。香港並みー、マカオ並みーに緩い! アメリカと全然違う!

物価は…、日本に比べると高いが、香港やシンガポールを中心に考えれば、ホテル代や行った人の話を聞く限りでは、ほとんど変わらない。

フランス語か…、メルシーとボンジュールくらいしか知らねーし、今後も覚える気もないが、英語が全く話せない中国人と「孔子の論語」を議論できるスマホ時代。言語の問題は無視する。しかし、例えば有名なシャンゼリゼ通りは、アルファベット表記だと、Avenue des Champs-Élyséesとなり、チャンプスエリーゼーではなく、この文字列でシャンゼリゼと発音するらしい。英語読みしたら確実に通じねーな、こりゃw