種子バンクで管理される種子は、証券取引所で先物として売買されることになった。
上場条件は、一定の手数料、年間最低24回のPhysical Settleができれば、どんな種子でも登録可能であった。
法案可決初年度は、手数料はかなり高額であったが500万種の先物が上場され、国庫は大いに潤った。
初年度は、500万種の先物のうち、実際に商いがあったのは、百万種であったが、実質は上場者自身が
自分で約定を作る循環売買がほとんど
であり、先物間の価格差はほとんど見られず何のための先物化か!
という反政府デモが各地で起こっていた。
ところが、優秀な子孫を残したいという母性本能を発揮させた一部の女性たちが、無能な男の種のために、
上場費用を稼ぐより、優秀な種を買った方が安いというアービトラージ
を始めた。
マスコミの後押しもあり、現在では先物はわずかに100種。優勢の法則重視国策がようやく効果を発揮し始めた。
ちなみに、その年の流行語大賞は、「私の子は、タクヤの子よ」であった。
種子は冷凍保存ができ、一回の採取で1000-10000枚の先物に相当するPhysical Settleに対応できるため
最低年間24回のSettle条件など実質意味を持たなかった。
売り手のSettleは本人しかできないわけであるが、供給量以上の建て玉がある場合は、比例配分方式で
決まってしまい、外れた場合、自動的に次の満期の先物に変換できるものの、本人死亡の場合は、
先物価格は0に収斂し、保証金は投資家には戻ってこないという仕組であった。
若年層に最も人気のあったタクヤ種子先物は、投機的取引を呼び込み、一時、1枚、数千万円まで買われた
が購買層の経済力というファンダメンタルを反映し、数百万円台で取引されている。
一方、2030年物の購買層は、自分の娘のためにという年配世代だったことから、タクヤ種子先物は
ゆるやかなコンタンゴを描いている。
一方、一部セレブの間で流行した高額取引のケンザブロウ種子先物は、本体高齢のため、期近は数千万円
であったが2020年物は1万円を切るという激しいバックワーデーションがついた。
種子バンクの経営は実に順調だった。100種の種子先物で交配を繰り返した結果、新たな価値観が生まれた。
それはインブリードである。
100種の種子から生まれる子供たちは多様性が無く、顔もなんとなく似ているため、親心としては圧倒的な
能力を求めるようになった。
その差別化をはかるために用いられた手法がインブリードによる血統の覚醒である。
可愛くて気が利く女がもてはやされた時代は終わり、優秀な血統を持つ女性が人気となり、ほとんどの化粧品
会社は倒産した。
ちなみにその年の流行語大賞は「私が身に着けるものは、カクエイの×3だけよ。」
2位は「タクヤの2×3って濃すぎ! 産むのは私よ。」であった。
略名、夫婦間交配禁止法の成立の影響で、一夫多妻制は法律可決当初の理論上の存在であり、現実は
複数の男が一つの高額種子を共同出資して買うという多夫一婦制に帰着した

続く・・・
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