私はジャカルタの南部に住んでいるので、南部を中心に遊んでいます。例えば、ホテルムリア、プラザセナヤン、ブロックM、ウィジャヤなど、今まで登場した多くは南部に位置し、この4つに至っては、一本の幹線道路沿い上に、南部の中で南北に広がっています。今日はさらにその南部を東西に広げて、紹介したいと思います。
どこの国でも都会なら日本の飲食店に行くと、フリーペーパーが手に入ります。飲食店探し、特に日本食に関しては、地図付きで綺麗にまとまっているので、なるべく読むようにしています。それを参考に、南東部のKEMANG(クマン)に行ってみました。私のKOST(アパート)から歩いて40分ほどの距離です。ああ、タクシーには乗りません。歩きです。治安的には大丈夫だと思うのですが、夜で、幹線道路ではない脇のかなり細い道路を通っていくつもりだったのでSurfaceは置いて、コガネだけ持ってのお出かけです。
--ここから先、ジャカルタの不衛生な面について、わかりやすくするために写真を入れます。写真には臭いが写らないので、それほどキツイ写真ではないですが、お食事中の方や繊細な方はこれ以上は見ないことをお勧めします


かなり不衛生な感じと言いましょうか、伝わりにくいので昼間撮った写真を載せます。アパートの近所、この低層のエリアから見上げる遠くの綺麗なマンションが対照的で、お気に入りの構図です。
Jakarta-Pasar.jpg

…妹は、現実を見ることができない。理想は高くとも足が地面についていなければ何の意味もない。
空から下をみている鳥には、地べたを這いずりまわるアリの気持ちなどわかりはしない。
手を汚すことができない妹には真の革命を起こすことはできないのだ。…おまえと同じようにな。

えー、地べたを這いずりまわるアリの立場から、空飛ぶ鳥(高層マンション)を見上げてみました。
写真で見てもわからないですかねぇ。ここはパサールという市場がそばにあり、朝は露天商が並び、野菜などを売っているところで、野菜などを切って加工したカスを路面に捨てて、誰も掃除しないので、その腐臭が漂っています。またジャカルタ市内の至る所で散見される、流れないドブも、生活排水が停滞し、東南アジアの暑さで、臭いを放っています。
臭いがないと伝わらないですかねぇ…。
溝レベル。
Jakarta-mizo.jpg
靴くらいならハマれます。でも生活排水が滞留してるのがわかりますか? 緑というかグレーというか。
ドブレベル。
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足ごと落ちれます。ゴミが道路脇に捨ててあるように見えるかもしれませんが、よどんだ水分があります。
ドブ川レベル。
Jakarta-dobugawa.jpg
体ごと落ちれます。落ちたらこれ1週間は臭い取れないんじゃないかなぁ。水の流れはありますが、大きいだけに臭いも強烈。
ジャカルタ汚い!って思いましたか? ここまで(生活排水が停滞していたり、ごみが捨ててあることはありませんでしたが)酷くはないですが、30年前の横浜だって、民が観測できるドブやドブ川は存在していました。今も存在していますが、この上に蓋をしてコンクリートで埋め、臭いが漏れてこなくなっただけのことです。2015年に横浜の実家の周りを散歩しましたが、昔、ドブだったところは、現在ではアスファルトに埋められ、その上を自転車が走っているほどです。今見れば、臭いも存在もないかのように思いますが、その下にはあのドブが今でも流れているのは、長く住んでいたので知っています。
日本は山や川が多く、国土に傾斜があるので、その自然環境を利用して、川や海に向かった排水ができるのですが、ジャカルタのように広範囲に海抜ゼロメートル地帯が続いていると、流れを作るにはもう一工夫必要です。子供の頃、自転車で坂はキツイとか思っていましたが、その坂のお陰で、排水が停留しないのです。溝を掘れば流れができる幸福な環境です。生活排水を海まで持っていくこともジャカルタはまだできておらず、車には便利で開発が楽なはずの平坦な地形ゆえに発展し、人口集中が起こったのですが、その平坦さ、ゆえの弊害がこれです。インドネシア政府に潤沢な資金がないのは事実ですが、ここで流れるドブを作るのは、東京よりもお金がかかるかもしれません。
横浜でも、30年前は観測できたドブが消えると同時に、空き地も姿を消しました。住宅地の中に、家が建っていない空き地があって、そこにバッタやカマキリが多くいました。田んぼや小さな沼もあり、ザリガニやヤゴも取れましたが、それも2015年現在はありません。この30年で横浜(実家の近所)もまた人口過密状態が進んでいます。ジャカルタのアパートから徒歩圏には、テナントが入っていなさそうなビルや家はありますが、バッタが居るような緑の空き地、畑や田んぼなどはありません。私の徒歩圏は1時間なので半径4kmの円と考えてもよいが、車で移動していてもそんな遊んでいる土地はジャカルタ中心地にはない。ジャカルタ郊外はもちろんあります。
空から、着陸直前の飛行機より。空港の側なら緑あります。
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ですが、車で高速で30分ほどかけてジャカルタ市内中心部に近づくと。タクシーの中から移動中にて。
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工事中の箇所はありますが、空き地はないのです。つまり、現在の横浜と同じくらい、人口密集しているにもかかわらず、横浜では隠されて見えなくなったドブが、ジャカルタでは剥き出しで存在している。私が子供の頃に見たドブよりさらに汚くなって当然です。私が子供の頃は、ところどころ、少なくとも小学生の徒歩圏内に空き地が観測できる程度の人口密集で、坂(傾斜)があって、生活排水が流れていましたから。
ついでにジャカルタの危険な道路。これは脇道ではなく、主たる幹線道路の歩道を撮りました。歩道というよりは道路脇ですが。
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メインストリートなので、まずこの交通量。車がずっと並んでいます。加えて、ヘルメットをかぶったおじさんの後ろからバイクが迫ってきているのが観測できますでしょうか? これはバイクが居ない瞬間に撮影しましたが、車の渋滞を避け、バイクが、この道路脇を走って追い抜いていきます。ジャカルタは道がボコボコと私は何度も書いてきたのですが、こういう状態です。下向いて歩かないと躓いてしまうほどの段差がある状態なのは、わかりますかねぇ? 作ってからずっとメンテナンスしなければ東京の道路だってこうなります。
Jakarta-Hole.jpg
道路に穴が開いている。これも歩道です。下がドブじゃないのが救いですが、このように穴が開いているので、よそ見をして歩くとこの穴に落ちてケガすること間違いなしです。そしてすぐ横のアスファルト部分は車道です。しつこいですが、車の脇をぬうようにバイクが走りますから、バイクと穴と2つ気を付けながら歩くのが、ジャカルタの歩き方です。ジャカルタは歩行者がほとんどいないので、脇道のメンテナンスの優先順位は低い、というか多分、誰も直そうとしないのが現実です。でも多くの利用者・自動車が走ればアスファルトだって痛みます。この状態ではお店を作って看板を出しても、歩行者は穴とバイクに注意を払っているので、効果が薄いでしょう。その分、渋滞する車の運転手は見てくれますがw ただ残念なことにアメリカと違って、ジャカルタの駐車スペースは車1~2台分が関の山なので、なかなか難しいです。
私がジャカルタに訪れるのは、偶然にもヘイズのシーズンで、だいたい5月~9月のラマダン時期を除くタイミングとなる。シンガポールではヘイズで大騒ぎしているようで、フェイスブックの投稿記事がヘイズネタで埋まるほどだ。しかし、なぜか毎回、私はジャカルタに居るので、白く煙るシンガポールを経験したことがない。この時期、ジャカルタは乾季であるが、雨季は道路脇のこの穴に落ちて死ぬことがある。海抜0メートル地帯が広く続くジャカルタは、台風や雨などで、道路が浸水する箇所がある。川のようになった道路、この穴は…、水に埋もれて見えなくなり、その上を歩いてはまると・・・。恐ろしい・・・、しつこいくらい繰り返すが、ジャカルタの道路を歩くのは治安上の怖さではなく、こういう怖さである。
横浜の実家では、ゴミの回収は週に3回、ゴミ収集車が回収してくれる場所に置くと回収してくれます。粗大ゴミは現在はオンデマンドで家の前に置く、だったかと思います。横浜市の予算は潤沢ですから、立派なゴミ焼却場で処理して、市民のあずかり知らぬところまで葬り去ってくれます。「財政苦しいんで、週1回で良いですかねぇ?」「もっと苦しくなってきちゃったんで月1回で良いですかねぇ?」 災害などの事情で行政が通常通り動かなくなったら「良いですかねぇ?」ではなく、ゴミ収集が来なくなるでしょう。でもみんな家にゴミを置きっぱなしにしたくないので、回収してくれる場所に置いたらどうなりますかねぇ?
1週間放置するだけで、通常の3倍、1か月放置したら10倍以上のゴミの山ができあがり、10倍にも膨れ上がったら、現在使用している通常のゴミ収集車では回収できなくなります。なんでこんなこと言うかというと、ジャカルタで数か月放置されたゴミ収集所みたいなゴミの山も、歩いている間に見つけたからです。ゴミ焼却場がゴミ処理に追いつかない場合、人が住んでいないところに焼却しないで放置。これでできあがるのが都会のゴミ捨てスラムで、ジャカルタにもスラムはありますが、スラムほどの規模ではありません。「ジャカルタ汚い」ではなく、日本でも都会・人口密集地区なら、一度、行政サービスが停止すれば、すぐにこうなることは意識しておいても良いと思っています。
【アジア国際関係・国際都市】
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