日本語でダブルイーグルでぐぐってもおそらくあまり情報は無いが、英語でググれば多少の情報を取得できた。まずはこのダブルイーグル金貨の写真。
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1933年製造、重さ33.431gで、金の含有率はなんと90% 現在の金貨と比べるとなんと含有率の高いこと! 悪貨は良貨を駆逐するですな。33.431g×90%÷31.1034768=0.9673トロイオンス相当。額面価値20ドルということなので、単純に金としての価値は1520ドル、78年の時を超えて約76倍の価値をもったことになる。ところが、記事によればこのダブルイーグル金貨は7.6milで取引された実績があるので、Premiumの乗り方からしてコインコレクターには、記事中の金相場の動きは関係ないようである。
英語版のWikiにそのまま載っているが、金保有禁止と盗まれた金貨の話はなかなか面白そうだ。

Jul 12 2011 幻の米金貨ダブルイーグルめぐる裁判、金高騰の中デフォルトの影映す
【記者:Pham-Duy Nguyen】
7月11日(ブルームバーグ):米フィラデルフィアの連邦地裁での裁判で争点となっている10枚の希少なダブルイーグル金貨は、前回、米政府が大恐慌時のデフォルト(債務不履行)のような状態に陥った時代を映す遺物だ。それから約80年を経て、米議会は債務上限の引き上げをめぐりこう着状態となっている。フィラデルフィアの宝飾業者の娘が2003年、これらの金貨を貸金庫の中で発見した。金貨は米当局に差し押さえられた。フランクリン・ルーズベルト元大統領は1933年、国民の金保有を禁止するとともに、投資家に対し政府が金による公債の返済を行わない方針を示した。このため、同年に鋳造されたダブルイーグル金貨は全く流通しなかった。そのダブルイーグル金貨1枚が、2002年に開かれたオークシ
ョンで過去最高の759万ドル(現在のレートで約6億1000万円)で落札された。
 ジョアン・ラングボード氏による金貨の返還請求訴訟は、コイン収集家の間で幻の金貨への情熱を呼び覚ましている。折しも金相場は5月に過去最高値に達し、10年間にわたって上昇している。オバマ大統領と議会が債務削減と14兆3000億ドルの法定債務上限の引き上げについて妥協点を見いだせない中、8月2日までに上限の引き上げが必要な状況となっている。ハウス・オブ・カーン・エステート・ジュエラーズ(シカゴ)のトビナ・カーン副社長は「政府は無一文で、最終的には皆のポケットに手を入れて探すだろう」と指摘。「金貨を購入する人は誰でも政府や法定通貨を信用していない」との見方を示す。米国が借り入れコストを過去最低水準で維持し、景気てこ入れのため国債の買い入れを実施。金相場は年初来で9%上昇しており、5月2日には最高値の1オンス当たり1577.40ドルに達した。
             溶解を命じる
 裁判所に提出された文書によると、かつてエジプトのファールーク国王が所有していたとされる1933年鋳造のダブルイーグル金貨1枚が2002年にオークションで759万ドルで落札された。米造幣局によれば、米政府は1933年、50万枚足らずの20ドル金貨を鋳造したが、その全てを溶解するよう命じた。
 訴状によると、ラングボード氏はこれらの金貨が父親のイスラエル・スウィット氏の所有であると主張。政府は裁判所に提出した文書で、シークレットサービスが1944年、「33年鋳造のダブルイーグル金貨の造幣局からの盗難容疑事件へのスウィット氏の関与」について捜査したとしている。時効のため検察当局はスウィット氏を不起訴処分とした。
  親族は、ダブルイーグル金貨を売却し収益を政府と分配したいと考え、造幣局の首席法律顧問であるダニエル・シェーバー氏に手渡した。当局は、金貨は本物で、国家の所有物と結論付けた。
原題:‘Double Eagle’ Gold Dispute Harkens to Last U.S.Default in 1933(抜粋)

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