オプション同志に捧ぐ 号外です。
12月3日の記事を、読み返してみると、CBを知らない人は本当に何を言ってるのかわからないかもしれない
と思い、解説編を書いてみました。
今更、気付くな! ボケ~ と突っ込まれそうですが。
Warrantとは、Call Optionの証券化なので、Max(S-X,0)とエコノミーは同じです。
S:株価(当初100)、X:行使価格(設定125)
では本題の2つの相違について、まず式を書いてみました。
CB=Max(S/X,100%)
Call Option+Bond=Max(S-X,0)×1/X+100%
となり、この二つの式は、このままですと数学的に等価です。
一応、Max(S-X,0)×1/X+100%=Max(S/X-1,0)+1=Max(S/X,1)=CB
1/Xは、CBの場合もOptionの場合も、単位あたりの転換株数です。
100万円額面であれば、1額面当たり、100万円÷125円で転換株数8000株とプロスペクタスに
書かれていることでしょう。
しかし、2式の記述はCBとCall Option+BondのIntrinsic Valueに過ぎません。
MaxがOption、つまり権利の行使を意味し、Maxの()で囲われた部分にオプショナリティが存在します
100%と書かれている部分は、Creditと金利が乗っているので、exp{-(r+c)T}と記述できます。
r:金利、c:Credit、T:満期までの時間
なので、具体的にr=1.5%,c=10%,T=5.5年とすると、exp{-(r+c)T}=exp(-0.6325)=0.53=53%
となります。
ですからBond部分にだけ時間を入れて、書き直すと
CB=Max(S/X,exp{-(r+c)T})
Call Option+Bond=Max(S-X,0)×1/X+exp{-(r+c)T}
なイメージになります。
先にCall Option+Bondを説明します。
ご存知のN225上場オプションのようにMax(S-X,0)の部分は、変動する株式市場を考慮に入れると、
Time Valueが乗ってくるので、小学生が計算できるものではなくなりますが、
Americanに行使したり、Deep In The Moneyの場合には、このTime Valueを無視して良いので
> Warrantは、元本部分100円を除いた、上昇分だけになりますから160-100で60円。
と言っているのです。
ただ、この説明はあまりよくなかったので、今回はMax(S-X,0)×1/Xに、実際に数値を入れます。
株価が2倍、つまりS=200想定でしたから
Max(200-125,0)×1/125=75/125=0.6=60%=60円です。
行使した後も、Bond部分であるexp{-(r+c)T}はMaxの()の外ですから、残っており、
その価値が50円だと書いたのです。この記事では53%ですけどね。
CBの方はどうでしょうか、()の中にCreditが含まれています
Max(S/X,exp{-(r+c)T})=Max(200/125,53%)=Max(1.6,0.53)=1.6=160%=160円
> 現在のようにCredit Spreadが大きい相場環境では、両者の違いもまた大きくなります。
と書いた背景です。
満期まで後1日で、Creditが小さければexp{-(r+c)T}=100%に近いですから、両者に差はありません。
これでどうでしょう? まだわかりにくいでしょうかね?
もし、理解していただけたら、その上で、もう一度↓を読むと、何を言っているかわかると思います。
【関連記事】
2008.09.25: 世界一のお金持ちの楽しいShopping@GS PPS+Warrant
2008.09.26: 凡人のShopping@9001 Hybrid Finance
2008.12.03: CBとWarrant+Bondの相違@8591