1M ATM Callで10milのGamma Longを持っています。今Volatilityは10%です。
次の日に株価は変わらないのですが、いきなりVolatilityが20%になりました。
Gammaは何milになりますか?
またその理由を説明してください。
一般的な答え
VolatilityがZeroに近づけばオプションの損益曲線はIntrinsicに近づくことから、
Volatilityが低ければ低いほど、Gammaはきつく(大きく)なります。
Γ=N'(d1)*exp(-qt)/Sσ√t
例によって、ATM効果と金利と配当を無視すると
d1={ln(S/X)+(r-q+σ^2/2)t}/(σ√t)={(ln(1)+(0+σ^2/2)t}/(σ√t)=σ√t/2
また
N'(d1)=exp(-d1^2/2)/√2π
であるからσが20%前後であるなら2倍になっても数%しか変化しない。
Γは定義の分母にあるσだけで計算でき、2倍になれば半分になるということで、数値は大体5mil。
私は確率微分方程式を使わずにデリバティブを説明してみせると宣言しています。
オプションの定義と四則演算で、定量的にGammaが半分になることを示してみせましょう。
愛するGammaそしてオプションの全てはStrike、カクンと曲がった微分不可能な点から来ています
だからその周りだけについて考えます。
株価100、行使価格100のATM Callにおける株価の推移とPayoffは以下の通りです。
そして、1%と2%数値差分でDeltaを計算した結果。
CallOptionPayff.JPG
100の周りでデルタがどのように動くかグラフを見ると、
1% Deltaから計算されるGammaは50%=100%(101のDelta)-50%(100のDelta)
2% Deltaから計算されるGammaは25%= 75%(101のDelta)-50%(100のDelta)
Volatilityが2倍と言うことは、2倍の動きで株が動く、つまり、単位時間で動く幅が2倍になるから
Volatility10%の下での1%株価推移とVolatility20%の下での2%株価推移が等価になります。
数値差分Deltaの定義もこれに伴って、2倍の間隔(この場合2%数値差分)で定義すれば
Volatilityが2倍になるとGammaは半分になることがわかります。