ITバブルも頂点の頃、某証券会社で、SONYの他社株転換債が売り出されました。
SONY株のチョコマカした現物株売買(下がったところで買って、ちょっと上がったら売る)で小さな利益を手にし、
いい気になっていた我々は、強気に勝負し、結果は言わずもがな、惨敗でした。
行使価格は記憶の限りで、10,000円程度。償還したときは8,900円。
クーポンは、10000円×100株に対して、17800円。
2.23%=17800/(10000×100)/80%=クーポン受取額/払い込み総額/税引き後
チャートで見る限り、かなりなボラティリティがありそうですが、6M ATMのオプションプレミアムとしては、
「あん?」という感じです。もしかしたらATMでなかったのかもしれません。
今思えば、株のチョコマカ売買は、当時のハイボラ環境下ではかなりな収益性だったので、このプット売り
があまりおいしくないことに気づくべきでした。
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相場を読み違ったとして結果・値段は別に気にしていません。
問題なのは、償還がPhysical Settleで、振って来た株の税法上の買値です。
行使価格10,000円なのだから、実質の買値は10,000円なのですが、税法上は償還時の価格の8,900円とされました。
損しているにもかかわらず、キャピタルゲイン課税される。こんな不合理があるでしょうか?
これでは日本のエクイティ・デリバティブの発展は程遠い。
加えて言うとオプション・ワラントの損益は現在の日本の税制では株と通算不可能。
これでは、税金を申告しなくて大きな問題にならない小額投資家以外はデリバティブに参加しない。
大証が、個別株オプションのマーケットがどうのとか言っています。
目新しさは、外国人投資家を呼込む点にあるらしいですが、私の意見では外国人はメインプレーヤー
になるのは難しいと思います。
きっと盛り上がらずに誰に気付かれることも無く、いつの間にか消えていることでしょう。
税制は国家戦略そのもの。
日本にはエクイティ・デリバティブの発展、ひいては貯蓄から投資へという言葉を実現するような
税制を期待しています。