2008年9月5日
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「チャカ出せ、チャカ」中澤の盟友である澤田三帆子が、男4人を引き連れて香港にあった中澤所有の高級マンション「ザ・アーチ」31階の、私が住んでいた部屋に突然入ってきた。私と中澤の10年以上の友好関係が終わった瞬間だった。思い返せばその日から遡ること1週間前ごろから異変はあった。8月下旬頃からそのマンションで暮らしていたが、中澤と連絡しようと思っても連絡が取れなかったのである。そのころ電話をしてきたのは、黒木正博だった。慶應義塾大学での私の先輩で、中澤が経営権を取得した東邦グローバルアソシエイツ株式会社の元オーナーで、ベンチャーの旗手として注目された。その黒木とは電話で
「鬼頭ちゃん、いまどこにいるの」「香港ですよ」「それならいいんだけど、キョクシンが鬼頭ちゃんをさらうって言ってるんだよ」 キョクシンと言われて空手の極真かと思ったが山口組の極心連合会のことだった。
比嘉と電話で「ちょっとおかしいんですよ。秋月(幸治)さんが5人も連れてきたんですけど弁護士の先生と四方啓二さんという人しか名刺出さないんですよ。なんか見るからに怪しいんですよ、ビジネスマンという感じではないですよ
帰国することになっていたその日に急襲された。
澤田「鬼頭さん、あんたもワルだね、どこに金隠しんてんの」
鬼頭「どこにも隠してないです」
山本丈夫「じゃ、どうしてコリンシアンの金がなくなっちゃってるの」
山本は、背はそれほど高くはないが、筋肉質でオールバックの見た目はいかつい感じの人だった。中澤からの依頼で来たと言っていた四方は、私が不正を働いていると言う先入観を持ってきたようだが、私の説明に不自然な点が無く、肩透かしを食ったかのようだった。四方は空手をやっているとのことで、背も高くがっしりしたタイプだった。四方の説明によると他の2名は香港人で1人は弁護士、もう1人はセキュリティだと言っていた。香港人の1人はどうみてもヒットマンのような人間で、黒を基調とした身なりで全身を固め、大きな黒いサングラスをかけ、まるで映画に出てきそうな格好をしていた。
「あんた状況が分かっているの? 中澤に東邦を返しなさいよ」澤田が威勢よく声をあげた。とても女とは思えない。いつでも「極道の妻たち」に出演できそうだ。
> リアル「極道の妻たち」、妻では済まないです。「女極道」、おっかない女性も数多くいらっしゃるようですねw
マルサの関心ごとは約180億円の金の流れとグッドウィル・プレミア株の扱いだった。コリンシアンパートナーズは、この約180億円を原資に様々な投資事業を行った。コリンシアンパートナーズが行った投資は、大きく分けると、上場会社への投資と、未上場会社への投資の2つがあった。まず、上場企業への投資は単純に大口投資家からまとめて株式を購入し、その株を即日ヘッジファンドへ売却して利鞘を取る取引や、黒木正博案件のトランスデジタルやオックスホールディングスへの投融資のように3ヶ月くらいで1割の利益を確保する純投資と、東邦グローバルアソシエイツやビービーネットのように経営権を取得する2通りの形態で行われていた。経営権を取得するといっても明確な出口戦略があるわけでもなかったので、多額の資金を得た中澤が、自分の知人や私が紹介した知人を取締役に据えて、オーナーとして振舞うことを楽しむために投資したようなものだった。
だから、経営権を取得した会社の商号も、中澤が経営してきた会計事務所や監査法人にちなんだ名称に変更しようとした。千年の杜は東邦会計事務所にちなんで、東邦グローバルアソシエイツに、ビービーネットはユニバーサル監査法人にちなんで、ユニバーサル○○に変更予定だったがその前に資金が枯渇してしまった。未上場企業への投資は元シティバンクのプライベートバンカーだった竹山(仮名)という中澤の知人から持ち込まれたサイバーブレッドへの投資が起点となり、その子会社への投融資を中心に、その投融資の合計金額は20億円弱となったが、これもことごとく失敗した。サイバーブレッドは平成16年3月に設立させ、インターネット上でのファンクラブ運営などのWebエンタテインメントコンテンツ供給サービス、口コミマーケティング、フリーペーパー作成など総合的なプロモーション事業を手掛けていた会社だった。ベンチャーキャピタルの出資を受けるなどして資金基盤の充実を図りながら業容を短期間で急速に拡大させ、22億円の売上高の計上するまでになっていたが、オーナーの伊藤和訓に問題があり、上場できずにいるとの事だった。竹山は、この伊藤の株式の購入を斡旋しにきたのだった。中澤は興味を示したようで、手付金3億円を支払ったがすぐに循環取引が発覚し、サイバーブレッドは平成19年7月に破産となった。
「澤田三帆子がすごい話持ってきたで」と中澤が言った。表紙には山田洋行と日本ミライズの対立の記事が載っていた。この対立は軍需専門商社の山田洋行元専務の宮崎元伸が部下40数人を引き抜いて同業の日本ミライズを設立し、航空自衛隊時期輸送機(CX)のエンジン製造会社であったゼネラルエレクトリック(GE)と代理店契約を結んでしまったために起こったものだった。
「澤田が駒栄さんという人を紹介してくれたんや。駒栄さんは衆議院の久間先生の私設秘書をしているからこの話はカタいで」 翌日中澤と会談場所のグルジア大使館が入っているビルの1階に行くとすでに横田(東邦グローバルアソシエイツ)が来ていた。その後、澤田と駒栄博志と紙屋道雄が入ってきた。グルジア大使館の中には大沢という50代後半の紳士風の風貌だが話す内容は頗る大きかった人物がいた。
「グルジア(georgia)を英語読みするとジョージアって言うんですよ。ユダヤ人と非常に関係が深いんですよ。そして、私の古くからの友人にプライベートジェットで世界中を飛び回って投資しているジョージというユダヤ人がいるんですが、ジョージは1兆円くらいのファンドを持っていて、ユダヤ人つながりでGEとも非常に仲良くしているから代理店の件もジョージに頼めば簡単ですよ」
この件は、結局、「ジョージに契約成立前に1億円支払って欲しい」と澤田が中澤に依頼したものの、そのことを聞いた私が「千年は上場会社だから契約が成立したら、仲介手数料として支払うことはできると思いますが、ただGEと仲良しだと言っているジョージに、1億円も支払うことができるわけないじゃないですか」と言ったことで、中澤も思いとどまって、そのまま立ち消えとなった。駒栄は、平成15年の福岡県の若宮町長汚職事件で、公共工事受注の賄賂を渡した容疑で逮捕され、実刑判決を受けていた。紙屋も丸石自転車を巡る架空増資事件で、電磁的公正証書原本不実記録、同共用容疑での逮捕歴があった。
> 紙屋さん、有名ですねw で、大澤さんって誰? 笑っちゃうくらい詐欺のレベルが低いw プライベートジェットと1兆円のファンドとユダヤって何だ? この次元の詐欺師は、俺には近寄ってこないよ。
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