初夏の雄勝半島、雄勝半島は女川から北に位置します。女川までは電車が来ていますが、さすがに雄勝半島には線を引けないようです。去年来た時は、冬だったので、翡翠社長が「ただでさえ寂しい風景が余計寂しい」「思わず口数が減るだろう?wしかし、寒くて、木も枯れていて、人もいなくて、人がいても暗いだと、石巻の印象悪すぎだろ。今度は夏に来い。そうするとここら一体一面緑になる。良い所なんだよ。」と去年言っていたので、初夏にもう一度来てみましたw 確かに緑一色となり、晴天にも恵まれ、5月中旬の暖かい気候でした。荒浜海水浴場、荒浜も今、港の補強工事をしています。
その後、石巻に戻って、逆側(西側・仙台寄り)に、航空自衛隊松島基地があります。港町なのでてっきり海軍基地かと思ったら、空軍基地です。ブルーインパルスが自慢のようです。地図で見るとすぐわかるのですが、本当の海沿いなので、ここも津波に襲われ、戦闘機が海水に浸かってしまったこともあったようです。1機駄目にすると100億円くらいっすかね。戦闘機がぁ~買えるくらいの~ハシタ金なら~いらな~い~♪(知ってるかな?)面積は363haと仙台空港(239ha)よりも大きいです。見学には事前に申し込みが必要ですが、我々は外から見ただけです。
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ヤマニシ造船、これも地図で見るとわかるのですが、人工的に埋め立てた湾のようになっていて、船のドッグです。津波によって多くの船が流されたのですが、ヤマニシ造船のドッグの被害は比較的軽かったようです。海・港・川を中心に発展している石巻の産業地域は海沿いなのです。


サンファンバウティスタ号、江戸時代初期、支倉常長ら、慶長遣欧使節は、仙台とローマとの往復のうち太平洋横断において同船を使用した。案内の絵だとパナマ運河を通って?というような図でしたが、パナマ運河は1900年以降の開通なので、メキシコのアカプルコまで。この時代ですから、エンジンはありません。帆船、風任せで太平洋横断、とはなかなか勇気ある航海ですね。ちなみに現在、飾られているサンファンバウティスタは復元ですが、前述のヤマニシ造船によるもので、震災・津波で外壁やマストに破損はあったものの、流されずに踏みとどまったようです。信頼のヤマニシ造船なのかもしれません。
イオン、田舎のイオンはすごいと聞く。しかし実際、巨大イオンに行ったことは無い。去年石巻来た時は、仙台からバスで来たのですが、なんと石巻イオン前というバス停があったのを記憶していたので、行ってみたくなりました。翡翠社長は「不要なモノを無駄に買う、民の物欲渦巻くショッピングモールに行くのは気が進まない」と嫌がっていましたが、お願いして連れていってもらいました。もうちょっと足を延ばすとメガイオンというさらに巨大なイオンがあるらしいですが、イオン素人の私には石巻イオンで十分です。一部がイオンで、半分くらいはテナント、デパートになっているようです。地元では、イオンに来たら、クロワッサン鯛焼きを食べることになっているらしいので、「クロワッサンはクロワッサン、鯛焼きは鯛焼き、なんでくっつけるかな?」と毒づく翡翠社長を無視して、クロワッサン鯛焼きを食べておきました。
職安、これも私には縁が無いって、私は無職なので縁はあると言えばあるのですがw 初めて行ってみました。職安にある職種は…、デリバティブのトレーディングはありませんでしたね。サービス業は看護・介護ばかりで、後は建設・土木系。これ仮に東京の職安だったら、職種はサービス業が増えるのでしょうかね? シンガポールの職安というか、日本語のフリーペーパーに載ってる人材派遣会社の募集欄はたまに冷やかしで見ているのですが、小さな小さな広告の中にもかかわらず、何が言いたいのか分からない突っ込みどころ満載の募集要項です。
大川小学校、津波により七十数名の児童を含む80名ほどの死亡者が出てしまった小学校。どこに逃げるべきだったのか、親以外の大人に子供たちを渡すべきだったのか、ということで訴訟も発生している。また小学校は、今も津波に破壊された状態で存在しているが、それを取り壊すのか、残すのかという議論も結論が出ていない。
突っ込みどころ満載の役所、役所に限ったことではないのだが、街を歩いてるだけで、「何あれ?」と思わず聞いてしまうような「突っ込みどころ」が存在する。文章で表現するのが難しいのだが、女川にあったカフェ、商業的に成り立っているとは思えず、カフェとしても何を出しているのかよくわからず、横でペーパークラフト?を作る施設があり、「何あれ?」と翡翠社長に訪ねたら、「あー、あれね。無視していい。田舎によくある突っ込みどころ満載施設の一つだ。『がんばっぺ石巻』の看板とか、今時、『がんばっぺ』とか言わないし。なんで誰も使わない作為的な方言で標語作るのか?とか、まぁ…色々あるよ…。」と呆れ顔だった。
市役所の取り組みとして、役所に何か書いてあるのだが…
姉妹都市 温州
非核平和都市宣言
アトム通貨
姉妹都市に関しては、印象としては「何の意味があるのだ?」と疑問に思うかもしれないが、実は一番、有効政策で、中国からの留学生が、石巻の大学に留学に来たり、水産加工工場で働きに来たりしているそうだ。しかし、「非核平和都市宣言」は石巻だけではなく、日本でも1000を超える各地方で宣言を行っているらしいが、「核保有国でない国の地方都市の宣言に何の意味があるのか?」「原発あるよね?」という二重の意味で首をかしげざるを得ない。子供のいる家庭は申請すればアトム通貨がもらえるらしい。「アトム通貨」って何? 財源は20兆円の復興予算の一部なのだろうが、使える店舗を見る限りその選定基準だとか、効率の悪いバラマキ政策感が否めず、「ん?」と疑問に思うだろう?
後に翡翠社長が地域限定商品券加盟店登録のフォーマットを送ってくれたので、それを見ていて気付いたのだが、地域の商工会議所に所属する企業・店舗である必要がある。アトム通貨(女川)、プレミアム付商品券(石巻)は単なるバラマキ政策に留まらず、超マイクロなブロック経済の形成なのである。イオンやスターバックスなどの巨大グローバル資本に、零細ローカル資本が対抗するためのブロック経済政策と捉えると一番説明がしやすい。土地に制約がある農業、地域に住民票を入れると得られる漁業権などは、法的な保護政策があるが、商工系保護政策がこの地域商品券なのである。
プリウス・ハイブリッドカー、翡翠社長の愛車wなのだが、ハイブリッドカーって初めて乗ったわ。「あれ?エンジンかけたの?」と思うほどに、音や振動が静かなんですね。ハイブリッドカーが体感できるほどに普及したのはいつくらいからなのでしょうかね?
石巻港 水揚げ、石巻漁港は去年はまだ改装中でしたが、今年は完成していました。朝出て、夕方帰ってくるような、沖合漁業で、みんな帰ってくる時間が同じなので、次々に船が港に着きます。漁港の目の前には超巨大製氷機(工場)があり、水揚げと同時にトラックが来て、鮮度を保ったまま、陸路の運搬が始まります。港のアービトラージャーはかもめです。水揚げされる海産物をかっさらおうと、船の周りにかもめが大量に集まってきます。かもめは横浜港にも多少はいるのですが、漁港ではないため、数が全く違い、ちょっと気持ち悪いくらいのかもめが寄ってきています。
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現在は漁もハイテク化しており、陸上(通常の携帯電話)と船上のGPS(衛星電話)で会話ができます。船内を見せてもらいました。海の神様は女性なので、女性厳禁の場所だそうです。水深200~3000mくらいの地引網漁なので、その水深部分が職場になります。従来は千葉県沖まであったのですが、副島の沖合は漁が禁止されているので、最近は宮城県沖だけで漁をしているようです。海図も電子化されており、等深線が引かれたカーナビならぬ、船ナビがあります。海図上に、沈没船などの情報を自分で書き加えることができます。沈没船があると地引網の網が引っ掛かってしまうので、これを避けながら船を航行するための漁師のノウハウです。このノウハウが船ナビのメンテナンスの際に度々盗まれます。沈没船は地引網漁には大敵ですが、魚が集まる場所でもあるので、もっと小さなボートで沈没船近傍に近づき、ターゲットを限定して漁をする人たちもいるようです。
私が来ていることを伝えてあったので、売りものにならない毛蟹を茹でておいてくれたみたいです。「腹を押して、柔らかいのは売り物にならないので捨てるしかない。一部を持って帰って食べれば、店で食べるよりおいしいしタダだし。」とのこと。足は第二間接だけを食べて、第一関節は海に捨てるのが漁師流。海水の塩分だけで茹でたシンプルな毛蟹でしたが、さすがに新鮮、うまいっす。大好きな蟹味噌もたっぷりで、思わず二つ食べてしまいました。う~ごちそうさまっす! 蟹は大きさの割に、味噌まで食べたからか、意外にお腹いっぱいになるようで…。その後、飯を食いに行ったのですが、かつおの刺身の4切れがヘビーで食べられない…というくらい…。
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